紙の本
内側から目張りされた密室
2007/04/11 23:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
講談社ノベルスシリーズを代表する、新本格派で第56回日本推理作家協会賞、受賞作です。
友人のお誘いを受けてマレー半島へ物見遊山でのほほんとやってきた、臨床犯罪学者の火村と作家の有栖川。
最初は、二人の東南アジア旅行記みたいな感じなのですが、密室殺人が起こった途端、やがて、連続殺人事件に、、、、。
もうネタは出尽くしたといわれる、密室トリックですが、今回は、窓や扉をテープで内側から目張りされた、トレーラーハウスという密室。
さてさて、火村の推理は、、、。
いやぁ、やられましたね、、。
全く、思いも尽きませんでしたが、きちっとヒントとなる伏線も読み終わると、はられていました。
推理小説のトリックとなると、ミスディレクションなんかだとやられたと、いうより、ずるいよ、と言いたくなるネタもありますが、これは、正に、やられちゃったと、いう感じです。
しかも、実行可能っぽいです。
(実行不可能っぽいトリックは、興醒めです)
火村と有栖川が滞在するのは、キャメロン・ハイランドというところなのですが、ここは、アメリカのミステリ作家、ジム・トンプソンも滞在しその後、失踪した場所なのだとか。
これは、意図的に取材旅行も兼ねて、ここにしていますね、有栖川さん。
新本格派と呼ばれることに誇りを感じるとさえ語っている有栖川さん。
どんどん密室トリックや、読者をあっと言わせるトリックを書いてください。
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有栖川有栖さんの作品も好きだし、なんと言っても日本推理作家協会賞受賞作と言うことで、期待は大きい一作でした。
国名シリーズも何作か読みましたが、この作品は国名がそのまま現場になっている作品です。他の作品は国名がついているだけで、たとえばペルシャ猫であったり、スウェーデン館であったり、ロシア紅茶であったはずです。この作品はマレー鉄道の意味が大きく(その雰囲気は最初から伝わりますが)国名シリーズの中で秀作と思うのですが、なぜか読んでいて勢いに乗れない作品でした。
トリックも犯人もおぼろげにはわかっちゃうのですけど(もちろん論理的には私にはわかりません(笑)、怪しいって感情論です(笑))、う〜〜〜ん、犯人の性格にも依存したのか、いまいち、しらけた自分がいました。
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むう。面白いは面白かったんだけど、先に「スイス時計」を読んでしまったからか何となく物足りない感じがしてしょうがない。主眼がロジックではなく目張り密室のトリックに置かれているような感じがして。水準作なんだけど…。
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有栖川有栖といえば「国名シリーズ」ということで、個人的には大変待ちました「マレー鉄道」。
ほぼ同時期に篠田真由美さんがマレー鉄道を使った建築探偵の話を書いていたので余計思いで深いですね。
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たまたまなんですが、篠田真由美氏の「綺羅の柩」と同時に手にしていた本で、舞台設定などで色々かぶっていました。しかも、お互いにバッティングしていることを謝り合ってるので笑えました。
ちょっと展開が回りくどい気もしました。現実味があるともいえるとは思いますが。
有栖川氏の小説のキャラクターは姿形の描写が少ないなと思います。それと対照的なのが篠田氏。この方ガッチリ書かれていますから。
トリックってたいへんだなあと思います。
ぶっ飛んだ状況を考えて、その後どうしたらこの状況が作れるのだろうか?と作っていくのでしょうかね?
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国名シリーズ第6弾。待ちに待った長編。
大学時代の友人を訪ねてマレー半島に赴いた火村とアリス。そこで出会った完全な密室での不可能殺人。
すごいトリックに出ましたね。いや、それもありだけど(笑)
今回は回想をたっぷり含んでいるため、余情満喫の有栖川節もいつも以上。読後感の良さは他の作家の追随を許さない(と思ってるんですが、どうでしょ?)。
マレーシアにふらりと行きたくなると言う意味でも、善くできた作品。
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助教授の人となりが表に出た感のある一冊。犯人を追い詰める場面は圧巻。
毎度思うことですが、火村助教授の授業とゼミはどうなっているんだろうか・・・。
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火村(作家アリス)「国名シリーズ」第六弾。長編。マレーへ旅行する火村先生と有栖川。篠田先生の某作も同時期に読んだので作品外のところでちょっと笑えました。
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国名シリーズの中ではちょっと異色の長編。ラストが切ない。相変わらず、いい意味で読者を裏切るストーリーです。火村の推理と行動が冴えてる!
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犯罪学者火村の国名シリーズ6。
短編集と思っていたので、読み出して驚いた。
人が次々に殺されていくわりには、現実感が乏しく緊迫感もない。犯人とのやりとりもすっきりとしたものがない。
篠田真由美著の建築探偵もそうだが、いい加減いい年した男性が犯罪に関係があるらしい思わせぶりな過去を引きずるのはやめてほしい気もする。
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でるでるといわれ続けてなかなか出なかったマレー鉄道。トリック解明部分も事件に関係ない部分も面白かった!
ハリマオホース!
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マレー半島を訪れた推理作家・有栖川有栖と臨床犯罪学者・火村英生を待ち受ける「目張り密室」殺人事件!外部へと通じるあらゆる隙間をテープで封印されたトレーラーハウス内の死体。この「完璧な密室」の謎を火村の推理は見事切り伏せられるのか?真正面から「本格」に挑んだ、これぞ有栖川本格の金字塔。
【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50789095.html
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オーソドックスなタイプのミステリだと思いますが、面白かったです。
タイムリミットが迫る中で次々と増えていく謎。
それらが一気に解け、解けてみると色々なところに伏線が貼ってあったのもわかって納得。
最後のオチはそうきたか、と。
最後のあの人物については後味があまり良くないですが、個人的には嫌な読後感ではなかったです。
火村先生とアリスのコンビの会話が良いですね(^-^)
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旧友・大龍の招きでマレーの楽園、キャメロン・ハイランドを訪れた
火村と有栖川。二人を迎えたのは、舞い飛ぶ蝶ならぬ「殺人の連鎖」
だった。ドアや窓に内側から目張りをされた密室での犯行の嫌疑は
大龍に。帰国までの数日で、火村は友人を救えるか。第56回日本推理
作家協会賞に輝く、国名シリーズ第6弾
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国名シリーズ第6弾。
国名シリーズ長編2回目。
国名シリーズは短編で結末がおかしなものが多いので、本格推理が逆に新鮮で、面白かった。