紙の本
朱音の視点
2002/06/30 13:50
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投稿者:みやひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この「熱の城」が新刊として出ていた時、迷わずに買ったけどなかなか読み出すことができなかった。私にとってこの「グラスハート」シリーズは正気でなんていさせてくれない。怖いくらいはまってしまって何も見えなくなってしまって、夢にまで出てくるから。
意を決して読んだ瞬間からグラスハートの世界に入り込んだ。仕事も手につかないくらい。
主人公の朱音の視点で書かれているからこそ、読者は第三者じゃなくて朱音になってしまうような気がする。だからラストのシーンではすごく胸が痛かったし、涙が出てきた。
ちなみに藤谷の表紙もすごく好きだ。
紙の本
それはないんじゃないの。
2002/06/06 16:26
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投稿者:水嶋優華 - この投稿者のレビュー一覧を見る
若木未央先生のグラスハートシリーズ最新刊。
この本は、読書すべきではないです。本の中の「音」と「光」を「感じる」べきだと思います。
主人公、西条朱音は音楽大好きな普通の女子校生「でした」。
そんな彼女が大ファンでプロギタリストの高岡尚、音創りの天才の坂本一至、そして神童と呼ばれ世間を騒がせた経歴を持つプロで天才の藤谷直季のテンブランクというバンドに入って、太鼓屋としてやっていくお話。
人間関係やら、バンドの問題やらで、普通の「女子高生」な朱音は悩んで、怒って、泣いて。いつも前向きな彼女の姿勢は、本人に自覚がないところで少しずつバンドをよい方向に持っていく起爆剤になっていく。
この巻は、人間関係の部分で、最後数ページが特に「それはないんじゃないの」としかいえない感じになっています。
若木ワールドへはまりたい方、お勧めします。
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若木作品の中ではこれが一番若木さんに合った作品だと思う。推理小説が好きな人にはお勧めしない。感性で読む話なので、合う人にはめちゃくちゃ合うけど合わない人は本当にイラッとするだろうなー。
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なんかみんな角が取れてきたように思うのは慣れたせいか読み手も物理的に大人になる時間が流れたせいか。同時収録ストロボライツ。坂本くん一人称も体調崩さずに読めるようになりました。この人って何気に光に向かう人だよね。これからどうなりたいと思っているのかは見えてこないけど。
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フジタニ最低。
潔いといえば潔いが、わがままだよ!←そこがいいとも言いますが(笑)
アカネちゃん大変だぁの巻。
源司さんいい男v
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この作者と話をしたら、多分私とはテンポがずれて会話にならない気がします。それくらい西条と坂本君の会話のテンポはおかしいです。でも好きだな〜。ちなみにこの巻は藤谷さんのわがままっぷりがにじみ出ています。
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坂本の一人称は好きです。やはり好きです。藤谷先生はダメっ子ですね。つーかこの先どうなるんですか。こんな所で停めてくれるな。
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ばらばらじゃなく、好き
きみは本当に僕の歌が好きだよね
でも好きだろ
自分のバンドすっげえ好き
でも好きだよ
いちばんいいもの、
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ストロボライツがかなり好きだ。
注射針みたいな光とかひまわりとか、藤谷さんの言うことは
坂本くん並に分かる気がする。
藤谷さんと坂本くんは、恋でも音楽でもライバルだったり
友達だったり、複雑な関係だ。
「たすけて」と坂本くんが言うシーンは、ぞくっとする。
私にもそういう経験があるからだ。
別に生死に関わることじゃない。他人から見たら大したことが無いことでも
不安で居ても立っても居られなくて、兎に角駆けつけて傍にいてあげたくなる。
『何か言って真剣に考えるのが気持ち良い いじめる気持ちと似てる』
『あたしこのひと大事だな 傷つくことは絶対いやだ』
という気持ちが両立するところも、とてもよく分かる。
自分のことを真剣に考えて欲しい。大切だからいじめたいような
でも絶対にその人が傷つくことは嫌なんだ。
たとえどんな些細なことでも。
迎合しないまま人と協調するのはエネルギーを使う。
これもその通りだなと思う。だからこそ尚は好きだ。
私も尚に近い部分があると思う。
「大丈夫かどうか、音楽きいてわからないんですか」
という発想は、本当にポジティブだ。
でも、朱音ちゃんが尚の近くにいるから言えることのような気もする。
ただのファンのレベルだったら、どうしても音楽だけでは不安になるから。
「音楽モードの俺さえよければ」
という藤谷さんの発言は、絶対嬉しいだろう。私にも分かる気がする。
そこまで自分を必要としてもらえる。
それは、大事にしてもらえているのと同じことだ。
私生活なんてどうだっていい。だって自分だって音楽が大事なのだから。
音楽の神様にそこまで思って貰えるなら、とても幸せだと思う。
尚が結婚しても全然平気、という朱音ちゃんの感覚もよく分かる。
解散は辛いけれど。
好きだから、好きな人が幸せになる分には構わない。
どうでもよくないけど静かな気持ち。平気なのに似ている感覚。
本当は平気ではないはずだけれど。何故かどこか冷静に、静かな気持ちで
見ていられてることって確かにある。
「考えても着火したら本能でしか動かない」
「なんですぐ突発的に意地になんの?保身の発想ないの?」
「なんでってセットでコーヒーとポテトつくのとおんなじ」
「基本性能?」
このやりとりはかなり好き。
多かれ少なかれ、朱音ちゃんに似ている女子は同じじゃないだろうか。
私もそうだ。
考えているつもりだけど、スイッチが押されたら走るしかない。
意地にもなる。
「朱音ちゃん、あのさあ……」
この後の藤谷さんの台詞が知りたい反面、知ってしまったら
もったいないなという気もする。
勝手に想像するだけだけれど。
その続きを訊くなと言われた後で
「俺の味方なの?」
と問われるのは、ぞくっとする。この人、正解を分かってるなって。
朱音ちゃんがわかっていることすらわかった上で訊いているのが。
ずるいかもしれない。
「��ういうこと最初に俺に言わないんだ?なんで?」
みたいに、坂本くんみたいな男の人がぽろっと素で地でいってくれる台詞もぐっとくる。
こんなこと言われたら、嬉しくて泣いてしまうだろう。
『身体が電池になってる』
ほど、原動力に溢れているときは、やっぱりある。
「幸せにしたい人ばっかり」
泣くこともあるけれど、天国。
とても厳しい場所で、ただ笑っていられる場所じゃないけれど。
周りの人がみんなすごくて、自分じゃ追いつかなくて必死で
毎日泣くけど。
それでも、そこは天国だ。
必死でいられるから。
そしてそんな人たちに囲まれていたら、幸せにしてもらいたい、よりも
自分が幸せにしてあげたい、と、私も思うだろう。
あとがきの、
生だから一瞬ごとが奇跡
一秒先がわからないから、真摯に明日を祈るし、得られた今日を愛せる
真摯な祈りは、永遠を信じる強さに似ている
という言葉も好きだ。
小説は文字として残るけれど、筆者が書いたそのときその文字はやはり生だし
読んだときの気持ちもやはり生だと思う。
だからすべてが、奇跡なのだと思う。
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初の全国ツアーを終えたテン・ブランク。楽聖・藤谷直季は、日野ヒビキや櫻井ユキノのプロデュースを手がけ、多忙な中、藤谷が突然言い出す。「僕うまく歌えてない」と。
だんだんテン・ブランクが崩れていく話。藤谷さんって、本当に一緒にいると寿命縮みそうな人。ご本人様がそうだからしかたないといえばしかたないのですが。
音楽一番だから、朱音ちゃんの抱く怖さはもっともだと思います。
それにしても、テン・ブランクの音楽が聞いてみたい。