『菊と刀』再発見 みんなのレビュー

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投稿者：仙人　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

『菊と刀』は、誰でも題を知っているのに、本当のところ誰も理解していない本です。
　菊と刀については、二十世紀の学界で大きい誤解があり、それがそのまま今に至っているのです。この本はそれを改めようとする活動の第一歩です。
　二十世紀の大誤解の最たるものは、『菊と刀』がすでに知られている知識を拡大したものだと考えられたことです。本当は、誰も知らなかった事が発見されたのです。これを誤解したために、本当は巨大な（ダーウインの『種の起源』に匹敵するほどの）業績なのに、小さく見られてしまったのです。
　それから、「文化の型」とは何かが理解されていなかった事も間違いの元でした。それは人間の無意識の働きであるのに、意識の範囲でしか考えられませんでした。
　『「菊と刀」再発見』は、そういう間違いを正すばかりでなく、新しいいくつかの知見も提供する本です。