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首相官邸の決断 内閣官房副長官石原信雄の2600日 みんなのレビュー
- 石原 信雄 (著), 御厨 貴 (インタビュー・構成), 渡辺 昭夫 (インタビュー・構成)
- 税込価格:880円(8pt)
- 出版社:中央公論新社
- 発行年月:2002.6
- 発送可能日:購入できません
文庫
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紙の本
予想以上のおもしろさ
2004/10/03 18:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:【情トラ】 - この投稿者のレビュー一覧を見る
■オーラルヒストリーという政治・行政・経済のプロフェッショナルとして公職にあった者が公職在任中の業績について、職を退いてから具体的に語ったものを書き残し蓄積していく研究手法のひとつの具現化。
■この種のものは後藤田正晴氏のものを読んだことがあったのですが、さてさて石原信雄氏のお話はどーでしょう。なお、【情トラ】は、あるところで石原氏を拝見したことがあるのですが、あまり背は高くないながらも貫禄十分やなーという印象が残ってます。
■タイトルにて、予想以上におもしろかったと記しましたが、なかでも特におもしろかったというか、興味深かったのは、湾岸戦争時の資金協力の話。最初に10億ドル拠出した際に、どうやってその額を決めたかというと、「結局、大蔵省が例によって、具体的に何がいるんだと査定を始めた」とのこと(!?)。「戦争で査定といったって、積算資料が間に合わないわけですよ。結局、資料が十分でないとか何とかいって10億ドルと査定した」ということですが、そりゃー査定とかいってる時点で、事の本質からズレてるって誰も気づかなかったのでしょうかねぇ??
■何らかの反省があったのか、90億ドル拠出を決定したときは、アメリカの意向も受けて、当時の橋本大蔵大臣が内閣・総理に要請。そして、与党党三役とも相談をしたうえで、わりと速く決断したっちゅーことですが、最初っから、こうした対応ができないことにトホホな印象を受けてしまいます。。
■この一例に限らず、オーラルヒストリーの醍醐味が存分に味わえるこの一冊。ひとつひとつの案件の処理過程を、事後的にでも詳細に検討する必要が現在求められているはずで、多種多様な職業・人物のオーラルヒストリーが続々と出版されることを期待しています。
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