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紙の本
東アジアの文字はいかに誕生したか
2002/07/29 20:52
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投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アジアといっても漢字文化圏の影響を受けた領域の文字を扱っていまして、ロロ文字(彝文字)、水文字、西夏文字、女真文字、契丹文字について、それぞれ一章を裂いています。また漢字の変化と苗族の文字やベトナムの字喃などについても簡単にふれています。文字というものがすこぶる政治的・宗教的な存在でもあることが良くわかります。
もともと1982年03月に大修館書店より出た本の文庫化で、内容的には当時の最新の古代文字研究を、豊富な図版で概説したものです。文庫化にともない、それ以降の研究の成果も最後の章でフォローされています。
今は使われていない文字の解読のプロセスや分類を理解できますし。文字と言語の研究から見えてくる文化、それぞれの文字に染み出した文化の個性のようなものが見えてきて、貴重ですね。古いヨーロッパ周辺の文字の解読などを偉人伝的に語った本は多いのですが、近しい東アジアの古代文字については、あまり本を見かけないので興味深いものがありました。ハングルとの類似点や相違点なんかを考えながら読むのも面白いと思います。
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