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幼児期の社会性について、各時期に何を学び発達していくかについて「社会性が幼い子」の実例をあげて、その特徴と対処方法について説明した本。
本書では自閉症を含む発達障害の子や、そこまでは至らない「社会性の幼い子」が社会性の発達過程の典型的な形を示してくれることがよくある、との主張のもと、実例が多く挙げられており、またそれらへの対処方法が挙げられている。この部分だけ読んでもなかなか面白い。
著者は言語聴覚士であることから、子供からの質問や彼らとの受け答えを元に、現在どのような発達過程にあるかを判断し、対処する。その過程が比較的細かく書かれており、とても参考になる。ただし発達過程の説明と、その実例が若干食い違っているような印象を受ける部分もある。
社会性が幼い子を抱える親は一度読んでみることをお勧めする。「うちの子はここまでひどくない」と思うかもしれないし「うちの子も同じだ!」と思うかもしれないが、実例および発達過程の説明との比較により、我が子の社会性の発達段階を定量的に捉えることができるようになるのではないかと思う。