サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

GOTH リストカット事件 みんなのレビュー

  • 乙一 (著)
  • 税込価格:1,65015pt
  • 出版社:角川書店
  • 発行年月:2002.7
  • 発送可能日:購入できません

第3回本格ミステリ大賞小説部門 受賞作品

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー433件

みんなの評価4.2

評価内訳

425 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

装丁同様黒い内容

2004/07/28 00:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:karasu - この投稿者のレビュー一覧を見る

 私が最初に読んだ乙一作品は「夏と花火と私の死体」だったのだけれど、その時、とても衝撃的だったのを覚えている。素晴らしく表現が上手いと思った事もだけれど、最後に「これはやられた」という、嬉しい充実感があったからだ。GOTHでもそれは変わらなかった。

 GOTHの装丁の様に内容も黒い。そして猟奇的の表現部分も多数出現していて、想像したく無いところもあったが、焦点は人の心である。「普通」と括られる人達とは少し違う、猟奇的な一面が表にでてしまった、あるいは、心の内に強く持っている人達の事件が1話ごとに、全6話から成り立っている。
 そのどれもに登場する主人公の高校生男女。この二人も嗜好がいわゆる「普通」とは違っているのだが、主人公というに相応しく、何故か愛着がわく。
 
 主人公の高校生男子は自分の趣味にとても貪欲だ。趣味の殺人現場巡りと、殺人犯に会うということにかけての行動力は凄い。夜中だろうが、遠方だろうが、かまわず出向く。事件の第三者的な立場をとるというのが、彼のルールだった様だが、それも場合によりけりである。というより、誰より事件に一番近い所でながめているのだ。実際の殺人犯に会った時の彼の態度も、自分が殺す側の人間寄りだと思っているところから、納得できる。そういったものを内に秘めていても、自動的に「健全な僕」というものが発動されて、見た目平穏な日々を繰り広げているのだ。自分というものと、世間に認識されている自分というものの違い。
 ここまででは無くとも、人との関係で、自分が本当の自分では無いと感じる瞬間は誰しも有るのではないだろうか。GOTHでは、誰もが少しは持っている邪悪な部分が、猟奇的という分かりやすい形をとって表現されている。

 もう一人の主人公、森野夜も、無表情で人を寄せ付けない雰囲気、そして自殺思考まであるというのにも関わらず、何だかどこか抜けた所が憎めない。
 彼女がメインの話、第4話「記憶」は彼女の過去から、今に至るまでが書かれている。森野夜が、猟奇的殺人犯に目を付けられやすいのは、昔死体ごっこをしていたせいでは無いのだろうか?と思ってしまった。それとも、彼女の黒髪や陶器のように白い肌、整った顔立ちがそうさせるのか、本人は知らずに彼女も大きく事件に関わっているのだ。

 そんな趣味から繋がっている二人。主人公の高校生男子が「愛情ではありません、これは執着というのですよ」と森野夜への感想を心の中で呟くところがある。殺人犯寄りの彼と、被害者寄りで自殺思考の彼女では、これが最大限の愛情の様な気がする。

 その他に登場してくる方達も、とても濃く書かれている。

 一話完結。しかもシリーズもの。私としてはとても読みやすい形式だった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

文句なしのお奨め逸品

2004/07/04 17:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「GOTH(ゴス)」乙一です。6篇からなる連作ミステリー。文句なしに良いです!! 感動ものだな。…猟奇事件が二人の男女高校生の廻りで起き、何らかの関わりを持ってしまいます。事件そのものは一般的に云うところの犯人逮捕でチャンチャンチャンというわけには行きませんが、二人にとって、または加害者、被害者にとって完結します。この有る意味、法律を無視した解決法がショックを受けると同時にこのストーリーの特殊性を表しているとも云えます。存在感たっぷりの二人の高校生も実は問題を抱えている、ともすれば犯人と紙一重のこの二人こそが一番のミステリーとも云えたりします。しかし、ホントに文句なしに良いです!!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ホラーとミステリのコンビネーション

2004/04/19 11:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

乙一作品を読むのは初めてです。
ただ残酷だというだけのイメージしかなかったので、これまで手に取る気持ちになれなかったのですけど、『リストカット事件』は著者の出世作となった有名な一作。じゃあ、一度読んでみようかと何気なく手に取ったら、先入観を大きく訂正することになりました。

とにかく残酷というイメージが強かったので、ホラーだと思って読んでいたら、途中で『ミステリだった』と気がつきました。
読み進んでいくと、物語の最終章でどんでん返しがあり、綺麗に収束する、という手法がとられているからです。
でも、途中まではホラーと間違えてもおかしくないような異常な心理の描写が続きます。

——『GOTH』とはこの場合、ヴィクトリア朝ロンドンで流行した『フランケンシュタイン』や『吸血鬼ドラキュラ』などの小説、つまりゴシック小説のGOTHICが元になっている。

と文中にもあるように、本書にはゴシック小説のほの暗い香りが漂っています。
猟奇的な事件やその犯人に興味や共感を持つ高校生二人が主人公の短編・中編集です。
扱われる事件は酸鼻を極めていますし、主人公、特に男子高校生の方もまた、常人とは違った嗜好を持ち、むごたらしく殺害された被害者に一遍の同情すら覚えない、黒い心の持ち主。
それなのに、B級スプラッタ的なイメージはなく(残虐シーンをさらりと流しているせいかもしれません)、淡々と語られる物語とどこかに心の暖かささが感じられる主人公。

話題となった『リストカット事件』はもちろん、『暗黒系』『記憶』『土』『声』はどれも秀逸な作品です。
特に私が好きなのは、森野夜の過去が暴かれる『記憶』と主人公の少年について深く踏み込んだ『声』。
唯一つ、『犬』だけは最後のどんでん返しに無理があるように思われるのです。話としては面白いかもしれませんが。

しかし、初めて乙一の作品を読んでこれほど惹かれるとは思ってもみませんでした。ちょっと嬉しい驚きです。遅まきながら、彼の他の作品も読んでみたいですね。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「声」に関する疑問

2003/10/26 13:54

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:野猿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「リストカット事件」自体は傑作だと思います。しかし、最後の一篇「声」にだけは異議があります。読者を幻惑するどんでん返しを意図したのでしょうが、これはルール違反です。樹くんと、夏海さんがコンビニから、森野さんが少年と歩行している光景を見ることによって、読者の意識を、少年と主人公の間で混同させようとしています。それはそれで、まぁ、あざといけれど、しかたないです。けれど、樹くんが、テープの所在を知りえた理由がありません。そこを明らかにしない(というか、材料を見つけ得ない)ままに、どんでん返しをしてしまって、終結するのは、著者と編集者が、その努力を惜しんだことに、私は残念でなりません。この素晴らしい才能を、より一層花開かせるために、二度とこのようなことをなさらないようにしていただきたいと思います。★を一つ減らしたのは、私の著者に対する深い思いです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

闇に惹かれる心

2003/04/15 14:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 普通ってなんだろう? 一体 常識とは 誰が定めたものなのか…
そんな疑問が この本を読んで 頭をかすめた。この物語の主人公は 殺人者や危ない事件に惹かれる高校生2人組。物語は“僕”の視点でクールに事件を見つめている。
  
 彼は言う「僕が究極に無感動で慈悲のない人間だと周囲の者達が知った時 どれだけ生きていくことが 困難になるだろう」。だから 彼は自分を偽り 世間に身を隠す。そして 彼に限らず 現代という社会で ありのままの自分で生きていくことは難しいのは事実である。時に他人に合わせ 自分の意見を引っ込め 意志を押し殺し 私達は 日々を送っている。

 この本は 主人公は同じで 6つの短編から構成された シリーズものであり、各物語に 犯人が一人ずつ 用意されている。その犯人に共通しているのは、「ありのままの心」彼らが ありのままの自分をさらけ出した時 その事件は起こった

 私のお勧めは「声」という作品です。内容については ご自分の目で、お確かめ下さい。心に届く作品だとだけ 紹介させていただきます。   


 この世界には 殺す者と 殺される者がいる。あなたは 自分がどちらに所属しているか 知っていますか?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

仮面を、かぶる。仮面を、完璧に、かぶる。

2003/03/25 22:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まりんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間はいくつもの仮面をかぶって生活しているらしい。
では、仮面とは何か。

人間が仮面を外した時の顔とは何か。
それが素顔と言うものか。
では、素顔でさえも、仮面ではないだろうか。

素顔という名の仮面は、人間が持っている何十、
何百という仮面を剥がした最後にあるものだと考える。
その仮面に同じ物など、有り得ない……多分。

主人公男女2人は、仮面の奥底に埋まっている素顔に共鳴し合った2人である。
姿形は違えど、同じ所に全く同じ亀裂が入っていたとか、
その類の偶然的一致を見た仮面の持ち主だったのだ。

彼らは冒険をする。
それが、彼らの素顔が求める本当のモノだと言う。
血生臭い、猟奇的なものを求めてやまない、そんな彼らが。

彼は知っている。素顔を晒したままでは、とても生き難い世の中だと。
だから「フツー」という仮面をかぶる。
「人付き合いが良く」「明るく」「標準的な男子高校生」という仮面。
彼女は知らない。「フツー」をかぶらなければ生き難い世の中だということを。
だから選んだ、「フツー」ではない仮面。

隅々に張られた複線、キャラクターの魅力が読者を捕まえて離さない。
読んでいる間中、動悸が止まらず、手が震える。
「次はどうやってひっくり返されるのか?!」

あなたの素顔が「フツー」でありますように。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

退屈な日常、と思う人へ

2003/03/02 23:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:柘榴 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 多くの者は、人間が密閉された狭い場所に封じこめられる作品に心惹かれるようだ。古今東西多くの作家が手を変え品を変え密室殺人に挑んでいる。江戸川乱歩は押し絵の中の美女に恋した男を押し絵に封じこめ(『押絵と旅する男』)、京極夏彦は、箱に少女をみっしり詰めてしまう。(『魍魎の匣』)
 もし、この世に「封じ込め文学」「箱文学」なるものがあるのなら、本書の中に収められている「土」は、その正統な系譜を受け継ぐものだと思う。
 
主人公は、人間の暗黒面、異常な事件や実行者に惹かれながら、普通を完璧に装う男子高校生と、暗黒の中に棲むかのごとき森野夜という少女である。本書には、二人が遭遇する暗黒の6つの事件が収められている。
 逆転に次ぐ逆転、鮮やかなオチには驚かされる。だが、本書の魅力は著者にしか出すことができないであろう味にある。
 現代は、価値観等が画一化していると言われている。みんなと同じではないと恥ずかしい、全く同じでもそれはそれできまりが悪い。誰もが、みんなに許容される範囲のものを探している。でも見せることのできない価値観もある。人には決して理解されないだろう、石を投げられるかもしれない、だがどうしようもなく惹かれてしまう。だから、その格好をしているときは、人に会わない。
 著者は、そんな暗黒の中でしか認められない嗜好を持つ者らを繊細に描き出している。 そこに、世間の認める情などなきに等しい主人公の男子高校生のクールな視線が加わったため、情にとらわれべたべたしたところが払拭され、気持ちのよいバランスを保っている。
 私は、人間はもっと命汚いものではないかと思うのだが、作品の空気に触れると納得させられてしまうところもある。これが著者流の愛の形なのかもしれない。
 私は、自分のものの見方が固まっていたような気におそわれた。

 日常が退屈に見えたり、頭が固くなってきた気がする人にはおすすめである。
 特に、「土」のラストの至高の愛の形と、付随する恐怖を多くの人に味わってほしい。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

こういうのもいい

2002/08/19 03:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:深夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前、ザ・スニーカーという雑誌にのった2つに4つの書き下ろしをくわえた同一作の短編モノ。主人公,僕の異常な内面を見せられると沈んでしまう。
が、ヒロイン,森野とのコンビはいい味がでてなんともいえない。作者の今までの作品とはまた違ったものだが、こういう作品もいい感じだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2004/09/20 18:29

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/02 09:13

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/04 00:31

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/05 11:07

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/15 17:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/22 20:49

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2004/10/22 22:18

投稿元:ブクログ

レビューを見る

425 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。