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エルフギフト 下 裏切りの剣 みんなのレビュー

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みんなのレビュー8件

みんなの評価4.3

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

これぞファンタジイの醍醐味

2020/03/13 15:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は中学生ぐらいの時に一度読んだことがあった。中学時代は児童文学やYAのファンタジーを片っ端から読み漁っていた。映画のおかげで『指輪物語』のレゴラスに夢中だったので、「エルフ」と名のつく本には真っ先に手を付けた。そのうちの一冊がこれ。内容が強烈な割に印象に残ったかといえばそうでもなく、タイトルと、王位継承にまつわる話としか覚えていなかった。こんな過激な話が児童文学のくくりで良いのかと大人は心配するけれど、恐ろしく思えるのは大人だからかもしれない。

大人になってから、訳者の金原瑞人さんがこの本をファンタジーの一押しにしていると知って、いつか読み返そうと思っていた。思い立ってからずいぶん時間がかかってしまったが、ようやく読むことができた。何これめちゃくちゃ面白いんだけど。

設定が凝っていても語り口があまりにも平易で文章から幻想を感じられないものを私は心からファンタジーと思えるだろうか、と最近よく考える。無理かもしれない。そういうものをエンタメ小説として楽しむことはできても、私の求めるファンタジーではないと思う。そして『エルフギフト』は私にとってのファンタジーだった。

私の好きなファンタジーは必ずしも読者に親切ではない。思考が想像に追いつかないほどの圧倒的な描写で振り回し、置いてけぼりにする。物語中の選ばれた者ですら面食らうほどの体験を、一読者の我々が理解しようとしてできるはずもない。上巻での異界の描写や、下巻での死者の復活は見事だった。

ウルフウィアードは当事者でありながらも読者に近い戸惑いを感じているように描かれていて、読者の親しみやすいキャラクターだと思う。対して、エルフギフトはずっと「可愛そうだけど、一人死んだくらいで世界が滅ぶわけでなし」みたいなドライな性格をしている。読者にとっては感情移入しづらいけれど、私はかえって彼が最後まで下手に博愛主義になったりしなかったのが好きだった。もしもエルフギフトが博愛に目覚めたらきっと安っぽく感じて最後まで読まなかったかもしれない。

心変わりしてエルフギフトに惹かれていくウルフウィアードやケンドリーダに対して、アンウィンやゴッドウィンが頑として折れずにエルフギフトを嫌い続けるのもいっそスカッとする。全員が全員骨抜きにされてしまうのでは面白くない。むしろエルフギフトを憎むようになるエバの存在はもっと面白い。

ラスト、エルフギフトが死んで、ウルフウィアードは死なずに目を覚まして王になったということだろうか。エルフギフトがゴッドウィンを助けた時にウルフウィアードに言った「もしいまわたしがこの子を助ければ、いつかおまえがこの子を殺さねばならなくなる」はそういうこと? もう少しエピローグのようなものがあれば嬉しかった。

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紙の本

裏切り、復讐、死、悪、狂気がうずまく世界

2003/11/05 17:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yan - この投稿者のレビュー一覧を見る

うりふたつの弟ウルフウィアードと対決し
弟に重傷を負わせたエルフギフトが選んだ道は、
サクソンの神の加護を失うことの引き換えに
弟を生き返らせることだった。
父王の遺言どおりに次の王として立ったエルフギフトは、
異母兄のアンウィンと戦をしなければならなくなる。
アンウィンの妻と子どもを殺さずに助ける場面、
ウルフウィアードの看護をする場面などで
エルフの子としての癒しの力を発揮するのだけど、
自愛に満ちたとはいえない態度だ。
この巻ではアンウィンの息子ゴッドウィンの憎しみがあらわになっている。
父を追放したエルフギフトへの憎しみ。
キリスト教を捨ててサクソンの神への信仰に戻ってしまった母への恨みが
なまなましく描かれている。
サクソンの多神教がキリスト教に追われようとしている時代背景も
書かれていて興味深いのだが、
ケルトのサムハインの祭りが見事にキリスト教ではハロウィン、
サクソンではイングの祝日と重なっている。
この日がアンウィンのキリスト教軍とエルフギフトの
サクソン軍の休戦の日になるのだが
悪者のアンウィンは停戦協定を破って
エルフギフトを殺してしまう。
殺し方のすさまじさは、クーフーリンの最期など問題外のすごさだった。
「血染めのワシを刻む」と称して、
生身の人間を斧でずたずたにするという処刑の仕方だ。
サクソンのやり方でエルフギフトを殺したアンウィンも
さすがに同盟者の信頼を失う。
そしてサクソンの筆頭神オーディンが化身した竪琴ひきの男ウドゥによって
復活したエルフギフトに、最後に殺されてしまう。
エルフギフトの復活のシーンがまたものすごく恐ろしい。
死者を呼び起こし戦士として動かすというところなど
ケルトの黒い大釜を思い出させる。
悪者は滅んだのに、サクソンの平和は訪れないというのが筋のようだ。
このあとで運命によって死期を定められた
エルフギフトが永遠に消え去るらしい。
裏切り、復讐、死、悪、狂気
いろいろな言葉を使っても言い表せない
恐ろしい世界、人がどこかに持っているもの
それを表に出さないでいるうちは平和だ。
私たちが生きている現代がこういう時代に
移行していくような気がしてならないのだが
そんなことをほかの読者は考えるだろうか。

Yanの花畑

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紙の本

ファンタジーを超えたファンタジー。サクソンの王とエルフの間に生まれたエルフギフトという若者の物語

2002/09/17 16:07

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エーミール - この投稿者のレビュー一覧を見る

ファンタジーを超えたファンタジー。サクソンの王とエルフの間に生まれたエルフギフトという名前の若者の物語

 遥か昔の南イングランドを舞台に、ゲルマン神話の世界観を下敷きにして、人間の王と森のエルフとの間に生まれた美しい若者を主人公とするファンタジー。その美しい若者はエルフギフトという名前で、癒しの力も持っている。運命が既に織り込まれているというタペストリーも出てくる。複雑に様々な要素がからみあっている。単に王位争いという筋ではないのだ。「血と欲望と裏切り、愛と死と再生の、ダーク・ファンタジー」と「あとがき」にあるが、まさにそういうイメージだ。
 始まりから映画をみているように進んで行く。後半の血みどろの場面は映画で見たくないような気もするが、とにかく映像的である。
 神がかかわり勝敗生死はその手にゆだねられるとなれば、ストーリーは決まってしまうじゃないかと思うとそうではなくて、先がまったくわからないストーリーなのだから不思議だ。エルフギフトもどういう性格なのかつかみにくい。その生まれから普通の人間とは違うという設定ではあるが。それがまた、ストーリーの先を見えなくしている一因でもある。児童文学としてはかなりグレードは高くYA向きということで、たっぷりと楽しませてくれる。
 この作家スーザン・プライスは、1987年の作品『ゴースト・ドラム』でカーネギー賞を受賞している。1999年にガーディアン子どもの本賞を受賞した近未来ファンタジーも、今年度中に東京創元社から出版予定とのことで楽しみだ。

★★★★★

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2008/07/29 15:16

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2009/10/01 06:07

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2010/12/11 12:55

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2014/04/02 00:02

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2020/07/18 12:58

投稿元:ブクログ

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