紙の本
明るい面(ライトサイド)より暗部(ダークサイド)が大きく残っているニューエコノミー
2016/03/20 14:29
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投稿者:ホンの無視 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年、ファイザーが本社機能をアイルランドに移す事が話題になっているが、
本書が出版された時点(2002年)で既にヨーロッパ企業が同じことをしていたというのは驚きだ。
本書に挙げられているニューエコノミー論の暗部(ダークサイド)は今でも現代社会に影を落としており、
ニューエコノミーによって享受できる利益が失われた半面、
それが遺した負の遺産はあまりにも大きいと言える。
紙の本
買ってもよい
2003/02/11 21:01
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投稿者:評判の本の評判 - この投稿者のレビュー一覧を見る
◆アメリカの元労働長官の著者が,技術革新と市場競争による経済的発展と,それに伴う社会的不安定さや人間らしい生活の喪失の関係を論じた本。
◆著者は,アメリカ流資本主義の光の部分を「われわれ多くのアメリカ人は,ニューエコノミーから非常な恩恵を受けている。新しい発明,より安い価格,激しい競争の利益を享受しているのだ。消費者としての私たちは,このすばらしい取引から利益を得ており,また投資者としての利益も大きく増やしている」と表現している。
◆一方,影の部分として,「しかし,ニューエコノミーがすばらしいのと同様に,われわれはそれによって生活の一部を失っていることも確かである。家庭生活の一部,友人関係,地域社会,そして自分自身を−」と指摘している。
◆経済発展が社会に与える影響や,市場競争と助け合い精神のバランス,経済的豊かさの追求と人間らしい生活の両立について考えたい人にはお勧め。
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もう6年も前の発行だけどアメリカの事なんでそう古いと感じない。現在の日本を見れば確かにその通り進みつつあるのが実感できる。まとまりのある本なので読みやすい。変人か精神分析家にならんと高収入は得られないんだって。
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・技術革新により、良いものが、より安い価格で、簡単に手に入れることができる効率的な社会ができあがってきた。
・が、それは生産者にとっては熾烈な競争に常にさらされることを意味する。
・消費者であり、生産者である個人は、一方で技術革新による果実を楽しみつつも、もう一方では戦い続けなければいつ蹴落とされるかわからない環境におかれてしまう。
・その結果、いくら稼いでも安心することができない不安が社会をおおった結果、少子化、長時間労働を生み出し、また、持てる者と持てない者の格差が広がる格差社会が助長されるようになってきていると。
・このような中で、人類はどのような選択肢を取ることがよいことなのか、社会的視点から考慮しなければならない。
・個々の合理的な判断の結果、生じる社会的不幸(例 貧乏の家庭に生まれたために→悪い環境に囲まれ→質の低い教育を施され→結果、低賃金の簡単な労働しなできず→貧乏のまま)を軽減するためには、社会の力が必要。
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この時、すでに、消費者と投資家が利益を得ているという洞察には、まいった。
恐るべし。
原作が出版されたのは、2000年、日本語訳は2002年、景気が復活するちょっと前。
今年は、この本に書いてあることが始まることになってしまった。
収入を増やすためには、働くしかない。いつも、いつも。
ト、2008.12.08
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『 新興経済における仕事のあり方と、子どもが必要としている養育費や世話や気配りのあり方が不つり合いになってきているということなのだ。
中略 長い時間とエネルギーを必要とするような仕事が増え、それは男性であろうと女性であろうと同様なのである。そしてすべての所得は予測しづらくなっている。それでも子育てに必要なものは変わらない。この基本的な非対称性が、多くの女性があまり子どもを生まないか、出産を遅らせる、または完全に子どもを持たなくなった原因である。女性(または男性)の子どもに対する愛情が薄らいだとか、子育てにそれほど満足を感じなくなったからではなく、子どもが新興経済と求めるものとうまく調和しなくなってしまったからなのである。もし異なる経済社会、あるいは異なる時代であれば、子どもはもっと歓迎されるだろう。 』
クリントン政権時代の労働長官だって!
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【ロバート・B・ライシュ】クリントン政権下において労働長官を勤め、
多くの寄稿を行っている実力ある人物である。その人が2002年のアメリカ
を綴った内容だ。
稼ぐ人は、より稼ぐためにブルーカラーよりも多く働く。少ない労働で高い報酬は、
幻想である。そして、これから重要なのは、クリエイターとデザイナーである。
また、どのような企業に属していようとも個人を売る時代になっている。
というような内容である(一部言い換えを行っている)
クリエイターというのは、文字通り新しい創造的仕事を行う人達の事であり、
デザイナーとは、消費者が欲しいと考えている事を消費者以上に知り尽くし、
考えだし、物と事を結びつけて考えていける人であると私は考えてる。
ちなみに、本書では前者を変人、後者を精神分析家と記載している。
まぁ、新しい経済(ニューエコノミー)について述べられているので、
その他の出版と似ているし、そもそも本書の出版時期が2002年なので、
かなり古い内容になっていると言える。つまり、当たり前の内容って事だ。
だから、特に新しく学び得る事は少ないように感じかもしれないが、客観的に
現在の経済を他者視点でもう一度見つめ直す事は、良い事だと思う。
1日14時間労働の上に、週末は自分自身のドライブに磨きをかけ走り続ける事は
良いとも悪いとも言えないが、それを決めるのは自分自身であり、責任は自分で
取るしかない。
今一度、自分の欲しいものは、この果てにあるものなのかどうかを
考える事は大切である。と考えさせられる内容になっている。
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いい本だろうとは思うけど、すでに『フラット化する世界』を読んでいて、そちらがエピソードともども鮮烈だったので、ちょっと新鮮味はなかったかな。
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クリントン時代に労働長官を務めた筆者が、90年代(IT時代)以降のアメリカで起きた労働やサービスについての因果関係を説明した本。
何故経済格差が広がったのか?経済的に恵まれているグループが恵まれていないグループに比べて労働時間が長いのはなぜか?等豊富なデータを駆使して分かりやすく説明している。
キーワードはクリエイターとデザイナー、そしてアウトソーシングと言った感じかな?
これを読むと、自分の息子世代は共働きする率が高くなるだろうし、専門家(資格)ではない労働者は大変な世の中になるだろうと容易に想像できる。
(勿論資格を持っているだけで安心は出来ないが・・・)
非常に文字数が多い。文章自体は読みにくくないが、理解しながらだと読破するまで時間が掛かる。
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(K) 作用には副作用がつきものであるということを、社会的な現象を題材に様々な角度から分析した結果をまとめた本である。筆者独特の視点から起こっている現象を切り込んでいて、非常に興味深く読むことができる。特に、ちょっと変わった視点から起こっている現象を切って語ることが好きな人には、ぴったりはまった分析も多々あるのではないか。起こっている現象を後付で分析しているだけと言えばそうなのだが、切り口を変えると未来に対する示唆が見えてくるのだということも感じさせてくれる。
普段から当たり前のことを当たり前に捕らえていては、新しい視点が見つかる事はない。起こっている現象の裏に隠れているものは何かを考え、そこに存在する負の側面を最小化できるような行動が起こせるようなところを意識できる本である。
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時代は変わり、世の中がどんどん便利になっていく中で、家族の絆や地域との絆など、失っていくものがあると誰もが思っているのではないだろうか。
そして私たちはこのことを嘆いているが、結局多くの選択肢の中から便利さ、安さを追求してモノやサービスを買っている人が多いでしょう。僕もその中の一人ですが。。
つまり家族の絆や、地域の商店街が荒んでいくのを嘆く一方で、私たちは便利さ、安さを追求しているという矛盾があるのである。消費者が便利さ、安さを追求しているからこそ、この問題は悪化していくのである!!
このような問題を解決するにはどうしたら良いのだろうか?著者はこれへの解は示していないが、どこで折り合いをつけていくのか、非常に興味深い問題である。
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インターネットや情報技術が進歩するニューエコノミーにおいて私たちは莫大な利益を得ることができたが、その代わり「家族生活」「友人関係」「コミュニティ」「自分自身」といったものを代償として失っていることも確かである。我々がよりバランスのある生活を選ぶにはどうすればいいか。これが本書のテーマです。
簡単にまとめると、今やニューエコノミーにおいて情報技術が発達するにしたがって選択の幅が広がり、買い手が取引相手を替えてより有利な取引を得ることがずっと簡単になる。すると、そのような選択の容易さが周りと簡単に比べられることで売り手を不安定にし、そのポジションを脆弱なものにする。そして、それが技術革新に拍車をかけ私たちはもっと働かなければならなくなる。時間を切り詰めて働くようになればそのうち個人の働く時間に限界が来る。そうすると利益を求めて不忠実な行動も起こる。このままでいいのか?
この本の中では、ニューエコノミーの中で生き残るにはどうすれば良いか(例:人脈、ブランド力など)、またニューエコノミーにおけるジレンマを解決するにはどのような政策を実行すれば良いかという筆者の考えが書かれています。
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ニューエコノミーの時代を経て、こらからの経済はどうなっていくのだろうかという未来予測本のイメージかな。アメリカ人の労働時間が日本人より多い、家庭生活で外注が増えたと気になるキーワードは多かったですが、いかんせん長くて難しいです。ちょっと理解しきったという自信はありません。
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一冊読めば、ライシュ的な立場からニューエコノミーの現状行く末、取られるべき対策を述べることができるだろう。ただそこまで面白くない。
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エリートコースを歩んで、お金に余裕はあるが長時間労働で忙しい人生or ダウンシフトして自分の本当にやりたいことに時間を費やせる充実した人生を送るか