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現代文の演習で一部分を読んで「おうめ婆さん」の人柄に惹かれたので。
ワークの解説に載ってた、
孝夫と美智子の過去が気になります...
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本を開いた時、なんだか堅い感じがしたので読むのを躊躇した。
でも、読み進むうちにいい感じに。
淡々とした日常生活を描く作品はやはり良い。
無理なく作中に入っていけるので。
病人って、病気に罹っている人ではなく、心を病んでいる人のことって納得です。
著者は医者でもあるので、医者としての死の見つめ方も少し見ることができたような気がした。
映画も見てみたいと思った。
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人生において心穏やかに暮らしてゆくために大切なものはなにか
読了後、そんなことをしばし考えてしまいました。
『名声や物質的な豊かさ』
これらが良くないとはいいません。
が、それだけではなく、より一層と内面的な部分にも意識を向けてゆきたいと思わせてくれた作品です。
蛇足ではありますが、この作品の舞台は長野の山のなか。
『人類は自分の力で生きているようで、実は大自然によって生かされている』
ついつい忘れがちなこの大切なことも思い出させてくれる作品でもありました。
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小説もいいけど、映画がさらによかったなぁ。
しかしながら、この人の文章は静かな感じがして、好きだ。
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静かなときの流れがとてもきれいだった。
山里の雰囲気など映像が想像しやすかった。
映画も小説の雰囲気を壊してなくよかった。
自分らしくどう生きるか考えさせられた。
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淡々とした展開。
一貫して登場人物の苦悩が描かれているが、物語全体に漂う穏やかな空気感で、それほどつらい気持ちにならずに読める。
おうめ婆さんがいい味だしてるけど、個人的には主人公の祖母の考え方が自分の祖母に重なって胸に残った。
田舎暮らしに憧れる人にはいいかも。
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南木さんはダイヤモンドダストで芥川賞を受賞していますが、私は今回初めて彼の小説を読みました。 現役のお医者さんのようです。(10年前の古本なのでその時点で・・) 古本屋さんでこの本を手に取ったのは、この小説を原作とした映画 同名の”阿弥陀堂だより”の紹介を小冊子で読んだばかりだったからです。ロケ地は長野県飯山市、日本の原風景と表現される里山の風景がそのまんまで、映画を観ていまだに訪れる人が絶えないようです。
主人公の孝夫は何もない農村地帯の故郷に育ててくれた祖母を残し上京し、高校時代の同級生だった美智子と結婚した。作品が書けない作家の孝夫と有能な医師の妻・・妻のこころの病気をきっかけに故郷の信州の村に移り住むことになる。祖母は死去したが、故郷にはその村人の供養をする阿弥陀堂を守るおうめ婆さんがいた。おうめ婆さんの話を書き留めて村の広報誌にコラムを載せる小百合ちゃん。小百合ちゃんは大学生の頃、病気で声が出せなくなった。筆談でかわす二人のやりとり・・ 妻の美智子の病気は村の自然と人に癒され良くなるが・・
映画ではおうめ婆さんの役は当時91歳だった北林谷栄さんであるとか。 主人公役は寺尾聡であるようだが、妻の才能を認めて主夫役に徹する辺りはなかなか並みの男性では到達しない心境かと好感を持ちました。果たしてこの作品を書いた南木さんのお人柄と一致するのではないかと想像するのです。 珍しく小説を読んでからDVDを観てみようかと思うのでした。
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ずっと薦められていた一冊をようやく読了。
心に残ったところは、ふたつ。
一つは体調を崩した美智子に母がかけることば。
思い通りにいかない、という事実を知るということが大人になるということ。
病気になったのは、生き方を変えてみたら、ということかもしれない。
病気の家族に対してかける言葉としてはありふれているのかもしれないけれど、今の私には奥底まで深く響く言葉だった。薦められ続けた理由に気づいた。頭のどこかではこのままじゃだめだとわかっている、でも生き方を変える勇気もない、八方ふさがりな状態で、温かい言葉は光だ。
もう一つは、小百合ちゃんの書く「阿弥陀堂だより」に、彼女の本音が垣間見えた、という描写だ。
耳に余ることを聞いてもよけいな心配が増えるだけ。
器にあったぶんの、なるたけいい話を聞いていたい。
これを、孝夫は小百合ちゃんの治療に対するけなげな姿勢と重ね合わせるが、私は彼女の人生に一貫している、聴く力に感嘆した。
尊敬する作家の命日に遺作を静かに読み返し、人生の先輩の発する一言一言を丁寧に解釈して文章に起こす。
こうした丁寧な暮らしをぶれずに続けていけるのは、彼女が耳をすませて本当に自分にとって大切なものだけを丁寧に吸収しているからだろう。
病が癒え、子供を授かった美智子にとって、村の暮らしの中で一番の影響を受けたのは彼女の生き方かもしれない。「私より大人になったみたい」という美智子のひとことからもそれが伝わる。
思い通りにいかない人生、でもその中で大切なものにはしっかりと耳をすませ続けること。
今の私の状況にも染み渡るように響く一冊だった。
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社会にもまれすぎて、社会人になりすぎるのもどうか。
キャリアがなんだ。
…って、素直に思える本。
ただ、以前読んだの忘れてて2回目だったことに読み終わってから気づく。
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妻の病気をきっかけに故郷の長野に暮らしだした夫婦。故郷の谷中村には村人を祭る「阿弥陀堂」があり、そこを守るおうめ婆さんに出会う。難病とたたかう少女・さゆりに出会う。村の空気に触れ、村人たちに触れ、夫婦が再生してゆくお話です。おうめ婆さんの一言一言で心が洗われる心地良さがあります。
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年末年始、予定外のこともあってバタバタして読書もまったく思ったとおりにはいかず、これは2011年の読み納めとなった一冊。
小説が映画化されるとちょっと違うかなぁと思うことが多いけれど、これは映画もいいなぁと思えた。
信州のすばらしい自然。配役もとても良かったし。
自然は時に猛威をふるうけれど、傷ついた人をそっと包んでくれるのもまた自然なのだ。
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ゆっくり読みたい、味わいがあります。小説の舞台と同じく田舎暮らしの自分には、共感もあり、ヒントもあり。全てを達観したようなおうめ婆さんの、小百合ちゃんへの想いと涙が心に残ります。
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高校時代に学生運動に没頭する仲間たちに嫌気がさした事から知り合い、結婚した夫婦の話。夫はどこか浮世離れしていて幼少期に「花見百姓」と祖母に評される。文学部に進学し編集者になるが退職し小説家に転身。新人賞を受賞後はほとんど書けず、妻の稼ぎで生活を立てる。妻は高校時代から「毎日を生活」することを分かっている。医学部に進み、第一線で活躍する医者になるが、心を病み、夫の故郷の信州で暮らす事を決意する。信州で話の中心となる阿弥陀堂の96歳のおうめ婆さん、ガンで口がきけなくなった24歳の小百合、そして夫婦2人がそれぞれ面白い。夫はなんだか自分と重なる。「体を動かしてさえいれば一日をなんとかうっちゃれる。」「孝夫が作家としてものにならないのは、思索よりも安易な行動を好む性格のためかも知れない。」、、、うーん。
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素朴でクセがない文章、悪く言えばあまり個性がないかもしれない。
都会で汚れた心が田舎で洗われました、だけのストーリーにならなくてよかった。
こんな風に好きなこととか得意なことして生きられたらいいよなあ。
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追われるように過ごしてる毎日が、なんとなくもったいなく思えてくる。
踵から地に足をつけて生きていくってすごい。
ちゃんと地味を味わいたいものです。