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ブローティガン好きだけれど、この作品はちょと私の中では他の作品とちがうと思う。あんまりすっきりしてないし、だらだらした感じがする。
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風変わりな図書館に住み込みで働いている「私」のところに、完璧すぎる容姿の女性がやってくる。恋に落ちたふたりは彼女の妊娠をきっかけに思わぬ旅をすることになって--。ブローティガンの小説はいつも透明感とはこういうことだと教えてくれるように思います。「生きることに不器用(C)高野文子」な恋人たちにときめけ!そして泣け!(笑)
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ひたすらアンチ・ドラマティックな書き口のドラマティックな小説。Vidaはla vita(人生)でvide(からっぽ)。
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「愛のゆくえ」だなんてこてこての恋愛小説ばりのタイトルだけれど、なんと原題は『妊娠中絶――歴史的ロマンス1966年』
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あまりぴんとこなかった。主人公が働いている図書館がひとつの重要な設定になっていて、そこはだれもが自分で書いたこの世で一冊の本を持ち寄って所蔵できるというコンセプトで、一瞬すてきかもと思ったけれどよく想像してみると、面白くない図書館かもしれないなんか嫌だなあと思ったということと、主人公の恋人ヴァイダが絶世の美女で街を歩けば通りすがりの人がひっくり返り4歳の男の子も釘付けになるぐらいの美しさということになっているが(私は『マレーナ』のモニカ様を想像した)、主人公の男が薄らボンヤリしていて嫉妬もしないし気も利かないし、ヴァイダが中絶手術を受けたあとに、彼女にはクラムチャウダーを注文して自分はバナナスプリットを食べているところにちょっとそういう人には主人公になってもらいたくないなあと感じた。
http://jp.youtube.com/watch?v=wP49hwm7JeA
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ヴィアンの「うたかたの日々」に雰囲気似てると噂を聞きつけ購入。
うーん、あたしはうたかたの日々の、ラストに向かって崩壊していくところが好きなので、ちょっと違うかな。
不思議な図書館が「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」みたいでどきどきした。世界の終わり〜が読みたくなったよ。
09.01.18
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すごく切ないのに、どっぷり浸かりたくなる。
なんだろう?この感覚。
寂しいのに、優しくて温かい。
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泣いてる人には、ハンカチと棒キャンディーをあげるようにしているというエピソードが好き。
淡々とした印象を受けるけれど、どこか引き込まれる。
もやもやする
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面白かった!
短かったし、かなりシンプルな文章だったからすぐに読めた。
誰もが自分で書いた本をもちこんで、置いて貰える変な図書館。
そこで働く主人公はもう3年ぐらい図書館から出たことが無い。
そこへ現れたヴァイダと恋人になるが彼女が妊娠してしまう。
話し合った末、中絶の手術を受けに図書館から出かけることにした主人公だったが…みたいな話。
不思議な感じのする文体で素敵だった。淡々としてるのに暖かみがあって、ユーモアもなんだか独特。
図書館だけがなんというかカフカさんみたいな奇妙さ、不気味さを放っていたけど、後は普通だった…と思ったけどそうでもないか。主人公はなんだか少しずれてるし、ヴァイダもほとんどギャグといっていいくらいの美しさだ。
そういうすこしづつ変な感じのものが日常に紛れ込んで、でも普通に話が進行する感じが良かった。
なんか解説の人は徹底的なアンチクライマックスの小説みたいなことを書いてたけど、個人的にはどっちかというとリアリズムって言った方がしっくり来る気がした。少しだけ変な世界でのリアルな日常って言う感じ。
気に入ったシーンは以下。素敵なシーンが多かった。
•
•図書館に持ち込まれた本23冊の紹介。気になるのは『ベーコンの死』
•飛行機の翼にあるコーヒーのしみみたいな模様をお守りにするシーン
•ヴァイダの服を脱がせようと主人公ががんばるシーン。
•主人公達がグリーンホテルに泊まるのをやめたとき、フロントが「部屋が悪かったのですか!?」と追求するシーン。「あれは母の部屋だったんです。」
•手術室の音から中で起こってることを想像するシーン。
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「非合法堕胎手術をしに行くカップル」と聞くと、暗く、深刻な雰囲気を想像するけど、そこはブローティガンだけあってそんな雰囲気はほとんどなく、終始夢の中にいるような非現実感に包まれながら物語が進んでいく。
堕胎に対する思いというのは人それぞれだけど、やはり主人公と恋人のあっけらかんと子どもを亡き者にする態度には違和感が残る。お互いのことは褒めるし愛し合っているし思いやりもありそうだけど、「これから生まれてくるであろうひと」のことを気にかけている様子は微塵も見られない。
「未知の他者(=胎児)」に対する2人の無関心さは、主人公が図書館で生活していた頃の外界に対する無関心さとよく似ているような気がしてならない。異様で、読んでいる物を不安にさせる。物語の最後で、主人公は図書館を出て「新しい人生」を始めてはいるが、結局あまり変わっていないようにも思えるのだ。彼のいう「英雄」とは、いったいどういう意味なのだろう?
ヴァイダの魅力はこれでもか!というほど描写されているけれど、主人公の魅力は全く伝わってこないので、ヴァイダが彼と出会ったことですんなりと忌み嫌っていた「自分のからだ」を受け入れるところは少しついていけない。だからだと思うのだけど、最後で、今の彼女が「トップレス・バー」で働いているという説明を読んだときにどうしようもないもの寂しさを感じた。
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人々の想いを綴った本だけを保管する不思議な図書館。そこで働く図書館員と、完璧すぎる容姿に悩む美女の珍道中。引きこもりと妊娠中絶の話だけど、ユーモラスでピースフルでなんとも幸せな読み心地だった。
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久しぶりに小説を読んだ!!
しかも洋物なんてどのぐらいぶりだろう…。
原題だと「The Abortion~」って(◎_◎) 確かにそのまま邦題にしたら
お話の内容とちょっと違う印象になりすぎるだろうけど、
よくよく考えると、主人公とヴァイダが出会う図書館は
誰でも自分が書いた本を「置きに来る」事を目的として
運営されていて、その本は置かれたっきり読まれない様や
自分の一部であったものを、他者の介入で剥ぎ取られること
で変化する主人公の様子は「堕胎」っぽいっていう解釈は
すっごい私的な私の感覚です。
4部構成でしかも小さい題目で細々区切ってある
ので読みやすい。古い映画を見ているみたいな
雰囲気のある小説です。
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会話の部分がおもしろかった。筋自体は単調。ラストの主人公の状況がよくわからないが。フォスターだけが喋る(フォスター以外の人物の台詞が伏せられている)シーンが好き。
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本のまくらにて、出会いました。
冒頭が素敵。からっとした文章が素敵。青木日出夫の訳が素敵。この図書館の設定が素敵。
外国文学は苦手と思っていたけど、会話がおもしろいし、いいね。
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ロード・ムーヴィ的な。ケルアックの「路上」からクープラントの「ジェネレーションX」に連なるまでのアメリカのロードムーヴィー的小説。