- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
理系人間のための経営戦略入門 東大先端研での実験的経営教育の記録! みんなのレビュー
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本
企業経営の全体観の把握、組織の機能、リーダーシップといったテーマを理解したい全て入門者に最良の入門書の一つ
2002/10/30 11:21
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は東大先端研での一講座を一冊の本にまとめたものである。
「理系人間のため」とあるが「先端研が理系だから」という以上の意味はない。
文理を問わず経営に興味のある学生の特に初学者には一読をお勧めしたい。
「経営本」といったときに経営機能全体を包括的かつ平易に著した本は少ない。
ファイナンス、マーケティングなどの個別テーマ
SCM、CRM、ロジカルシンキングといった方法論
貿易実務、人事労務実務、会計実務などの実務書
こうした個別のテーマを扱った本はどこででも目にすることができる。
しかしながらこうした本の多くは、
それらの機能が経営全体の中で一体どういう位置付けにあるのか、
という基本に立ち返った疑問に答えることはできてない。
特に初学者がこの基本を理解しないままに個別のテーマにいきなり触れ、
のめりこむことは危険であるにもかかわらずだ。
経営という包括的な活動において
一部の機能に偏った知識をふりかざすことは、
単にバランスを欠いた考え方を持つことにつながる。
資本政策や投資理論だけでは経営は成り立たないし、
コストマネジメントと営業政策だけでも経営は成り立たないのである。
こうした全体のバランスを理解した上で、
何がテーマかを把握できなくては効果的な経営施策はうてないはずである。
本書が目的としているのは
決して理論を理解したり新しい知識の紹介することではない。
いかに全体観を考え理解していくかということがテーマだといえる。
この本では、マーケティング、リスク、コンプライアンス、
投資政策、資本政策、リーダシップなどといったテーマについて
比較的規模の小さな企業を事例として取り上げ、
独自の視点からの適切な例題を読者に与えることによって、
企業活動全体をとらえることに成功している。
各テーマの基本的な(あるいは常識的な)理論にはほぼ触れられていない。
マーケティング4PもPPM理論もリアルオプションもどこにも出てこない。
知識という「答え」は提供されない。
そのことに不満を持つ向きもあるであろう。
しかし思い出してほしい。経営とは理論によってなされるものではない。
理論は重要ではあるが、それ以上に重要なことは、
経営は、考え、実行することによってなされるものであるということだ。
講義録という形態であるため、各章は一回の講義と構成になっており、
各回の講義の終わりには必ず学生への課題が出されている。
この講義がそうであったように、
読者にもこの課題を一つずつ考え、答えを出しながら読み進めてほしい。
それによって、読者にとっての本書の価値はより高まるはずである。
本書への\1,600の投資を価値のあるものにするか無駄にするかは、
あなたの「行動」が決めることなのだ。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |