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環境科学の歴史 1 みんなのレビュー
- P.J.ボウラー (著), 小川 真里子 (訳), 財部 香枝 (訳), 桑原 康子 (訳)
- 税込価格:5,280円(48pt)
- 出版社:朝倉書店
- 発行年月:2002.9
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紙の本
古代から現在までの「環境科学」を野心的にひもとく力作
2002/11/25 22:15
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投稿者:橋本公太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本が扱う環境科学とは、環境問題を取り扱う(狭義の)環境科学ではなく、地理学、地質学、生態学、進化論などの、自然的・生物的環境を扱う、広い意味での環境科学のことである。本書は、進化論を専門とする歴史学者であるボウラーが、環境科学について、古代から現在までをひもとく。科学史や進化論に興味を持つ人向けの本である。そして、この本の特長は、科学の歴史だけではなく、その科学が生み出される社会情勢や、科学者の哲学の歴史まであぶり出しているところである。
本書の第I巻は、ギリシャ・ローマ時代からダーウィンの進化論が公表されるまでの科学の歴史を扱っている。まず、近代科学の基盤となるギリシャ時代の自然哲学と、プラトン、アリストテレスに確立された知的伝統を紹介し、中世ですたれかけた科学がルネッサンスにより復興した経緯を示す。ニュートン科学の勝利の17世紀後半から18世紀の啓蒙時代を経て、地球の歴史の完全な輪郭が作成され、地質学の「英雄時代」と呼ばれる19世紀に至るのであった。
本書の第II巻は、1859年にダーウィンの「種の起源」が出版されてから、現代に至るまでの環境科学を、進化論を中心として扱っている。ダーウィンの進化論の与えたインパクトは大きかった。ダーウィンの進化論は遺伝学と結びつき、大成功をおさめる。一方、生物学者は地球上の生命史の再構築を行い、生態学(エコロジー)と呼ばれる動植物とその物理的環境との相互作用に関する学問も生まれた。また、地球科学は、探検の時代が終焉し、地球物理学の発展、大陸移動説と、プレートテクトニクス理論が構築されたのだった。
古代から現在までの科学の歴史を再構築しようしており、その内容のはば広さと、紹介される研究の膨大さに圧倒される。しかしながら、そのために、読み通すのは大変骨が折れる。また、訳がこなれていないのが残念だ。
(橋本公太郎/東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻 助手 http://www02.so-net.ne.jp/~hashi/kohtaro/index.html)
【目次】
第I巻
1. 認識の問題
2. 古代と中世の世界
3. ルネサンスと革命
4. 地球の理論
5. 自然と啓蒙時代
6. 英雄時代
7. 哲学的博物学者たち
第II巻目次
8. 進化の時代
9. 地球科学
10 ダーウィニズムの勝利
11 生態学と環境主義
参考文献解説
あとがき
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