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紙の本
優柔不断なヒーローって、あり?
2003/06/10 01:10
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投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
邪馬台国の謎からオルバースのパラドックスまで、考古学や物理学を縦横無尽に駆使しつつ物語は進んでいく。「二重螺旋の悪魔」で多用された、独特な専門用語比喩は本作でも健在。岩明均の「×夕の×」を先に読んでいなかったら、もっと純粋にこの小説を楽しめたことだろう。だって超能力を得て、使用するごとに体が…という設定が漫画とまるっきり同じなんだもんな。10年前に失踪した父親も、考えが浅くておっちゃん、シャキッとしろよ!と言いたくなったりもする。怨念を抱く女と優柔不断な主人公の醸し出す暗さを、気のいいオカルト神道武闘派少女の明るさが救っている。ラスボスがちょっと魅力薄なのが残念だけれど、きっちりまとまった読み味のいい本である。
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