紙の本
一般的組織とはギャップがあるが、多くの教訓も
2003/06/03 03:17
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投稿者:Awesome - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、帯についているドラッカーの言葉の引用が難である。
本文を読むとわかるが、ドラッカーの指摘する「オーケストラ」とは、まったく異なる世界が展開されているのだ。なぜ、出版者がこの部分を抜き出したのか理解に苦しむ。
さて、本書は革新的な組織形態のモデルケースとして「指揮者のいないオーケストラ」を取り上げたものであるが、一般的な企業には参考になる部分とギャップがありすぎる部分があるように思う。
・ギャップがありすぎる部分。
組織の全員が卓越したスペシャリストである。この事を前提として全てが成り立っている。
一般的な企業・組織では、かなり難しいプロセスだと思われる。
特殊な環境であると遠ざけないように、類似するプロセスを辿る企業の事例を数多く紹介しているが、
「類似する一面もある」というのが現実だろう。
・参考になる部分
とはいえ、この事例から得られる教訓は重要だ。
従業員に主体性(オーナーシップ)を持たせる事でモチベーションを維持し、迅速で柔軟な対応を促す事は、これまでも多くの成功企業で語られている事だ。
トップを置かない。もしくは輪番制にするというように形に表すことで、このエンパワーメントの姿勢を強烈に浸透させる事ができるのであろう。
読み進めながら、自らの所属する組織の問題点を一つ一つ再認識させられた本だ。
しかし、このオルフェウス室内管弦楽団は、どこで見ても、「指揮者のいないオーケストラ」と語られている。現代音楽にも果敢に取り組む一方で、この「指揮者がいない」というアピールも一つのマーケティングなのだと勘繰りつつ、感心する次第である。
紙の本
買ってもよい
2003/02/20 00:58
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投稿者:評判の本の評判 - この投稿者のレビュー一覧を見る
◆経営コンサルタントらが,指揮者の居ないオーケストラにおけるリーダーシップのありかたを,企業経営に応用する方法を紹介した本。
◆中小企業の経営者,総務人事の責任者にお勧め。
◆指揮者が居ないということは,言い換えれば,メンバーの誰でもが,状況に応じて適切なリーダーシップを発揮し得るということである。このような集団は,企業にとっても最高の人材である。
◆従業員が高度な「知識労働者」になればなるほど,従来のアメとムチ的な人の動かし方は非能率的かつ従業員の能力の発揮を阻害するものになる。これを解決する一つの考え方が,本書に言うマルチ・リーダーシップ・マネジメントであろう。
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指揮者の居ないオーケストラとして有名なオルフェウス交響楽団について綴った一冊。音楽の本ではなく、リーダーシップについての本である所に著者の慧眼があると思う。曰く。オルフェウスには固定的なリーダーは存在しない。しかし、どの組織よりもリーダーが多く存在する組織である。個々人がリーダーシップと責任を共有することで、素晴らしい作品(成果)を残す事が出来るのではないかと課題を提起し、8つの原則に纏めている。元々は先輩に薦められた本だけれど、チームで活動する上でインスピレーションを与えてくれると思う。
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指揮者のいないオーケストラとして有名なオルフェウス管弦楽団。
とはいってもリーダーがいないわけではなく、
むしろ民主主義の極みを目指すシステムをとっている。
それを経済にいかに役立てられるかを
オケの事例と対比させながら検証している作品。
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オルフェウス8つの原則に沿って、
リーダーのいない「オルフェウス」の組織構造・リーダーシップ構造について解説。
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オルフェウスという指揮者のいない個性的なオーケストラの取り組みを中心に、JPモルガンなど外資系企業の経営におけるリーダーシップ論を書いています。
現代社会における知識労働者の価値を高めるには、社員本人に意思決定の権限を委譲し、責任を明確にし、組織全体の成果への責任感を持たせるべきだと説いています。
ただ、結論ありきでメリットを上げていますが、どうも説明が抽象的な印象。
そして、現場への権限委譲があまりない日本的な企業においても、オルフェウスオーケストラのように個々の社員が意思決定をもち、成果に対して責任を持って、充実して働けるようにするにはどうしたら良いか?・・・そのヒントは見つかりませんでした。
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菊谷主将とオルフェウス・プロセス
遂に今日からラグビーワールドカップが始まりました!
NZの圧倒的な勝利でスタートした大会に、明日ジャパンも登場する。
東京では日テレが明日の放映の中吊り広告を出すなど、ちょっとずつ盛り上がってきた。
まだまだ物足りないので、個人的な後押しを今日もやることにします。
菊谷崇
第6回ラグビーW杯日本代表キャプテン
1980年生まれ、31歳
身長187cm 体重100kg
ポジション:FL
トヨタ自動車ヴェルブリッツ所属
恵まれた体格からトライも取れるFWとして代表キャップ23を獲得
菊谷選手のキャプテン就任は、本人にとってもラグビー界の人々にとっても意外な選択だったようだ。
何故なら、小学生の時に野球チームで一度やったことある以外で、主将経験が一度もないのだ。
元来イギリス発祥のスポーツには、選手交代の発想がない。
アメリカ発祥のスポーツと違って、一度試合が始まったらチームのキャプテンが責任を持って試合を進めていくという発想がある。
それだからサッカーやラグビーにはタイムアウトもないし、元々は選手交代もなかった。
つまり問題が起きたり、試合中の修正はすべてキャプテンを中心に行うことが求められてきた歴史がある。
そんな中、どこか悪ガキの香りも残しつつ、飄々としている菊谷選手に強烈なキャプテンシーが求められるラグビーの主将のイメージはなかったのだろう。
ちなみにラグビージャーナリストの大友信彦氏は彼を間口の広さから「劉邦」と称した。
裏を返せばそれだけ強烈な個性が現在のジャパンにはいないということなのかもしれないが、それに対するチームの対応が実に興味深い。
一人で全部背負うのではなく、ジャパンは菊谷をサポートするグループリーダー制を取っている。
大野選手などから形成されているFWのグループ。
田中選手や小野澤選手等で形成されているBKのグループ。
総勢10人もの副将が菊谷主将をサポートしている。
他には音楽担当のホラニ選手や、タイムキーパーや旅案内担当(遠征先の現地の歴史や文化を伝える担当)の畠山選手など様々な役割を選手が責任をもってこなしている。
この話を聞いたとき、あるオーケストラのことを思い出した。
オルフェウス室内管弦楽団
1972年に数名の演奏家により創立。
カーネギーホールを本拠としているこの楽団は、リーダー不在のオーケストラとして有名だそうだ。
どういうことかと言えば、指揮者がいないのだ。
普通楽団は指揮者がラグビーでいう、キャプテン兼監督のような役割を担うそうなのだが、この楽団は、27人全員がリーダーという組織体制を取っている。
具体的には、個々の演奏家が順次交代して形式的なリーダーを務め��。
ジャパンと同じく、いくつかのグループを形成し、それぞれのチームリーダーがその時のトップリーダー(コンサートマスター)と共に、どんな楽曲を演奏するか、どういう風に練習するか、そしてどのように演奏するか等を決めていくそうだ。
それをオルフェウス・プロセスとも呼ぶそうだ。
まとめると下記のようになる。
5つの要素
リーダーの選出 ー リーダーグループの決定
戦略の開発 ー 楽曲の決定
音楽の開発 ー 練習
音楽の完成 ー チェック
音楽の引渡し ー 実際の演奏
オルフェウス・プロセスには以下の8つの原則があり、
8つの原則
その仕事をしている人に権限をもたせる
自己責任を負わせる
役割を明確にする
リーダーシップを固定させない
平等なチームワークを育てる
話の聞き方を学び、話し方を学ぶ
コンセンサスを形成する
職務へのひたむきな献身
メンバー曰く、
「オルフェウスで他に類を見ないのは権力が分散されていることだ。私たちは何をするにも、多様性という強みを基盤にしている。」
もちろん、演奏者だけで全て運営している訳ではなく、非営利団体の形をとっているこの楽団には、協会やJKヘッドコーチ、太田GMに相当する役割を担っている組織の最高執行部、理事会があり、演奏家も毎年3人加わっている。
まさにJKの役割を担う芸術監督もおり、その人が毎年100以上のイベント、公演、レコーディング、公立学校への公開レッスンのプランを立てていくが、中味は上記の通りのプロセスで決められていく。
トップダウンではなく、エンパワーメント。
現代ビジネスでもそれは度々議論される。
そして集合知やらリナックスやらソーシャルなどと騒がれる今の時代にこの組織体制はマッチしているのかもしれない。
一方でどこかで読んだことある名言で、「偉人の銅像はあるが、委員会の銅像は見たことがない」というのもある。
歴史は強烈なリーダーシップによって創られてきたという意味なのだろうが、菊谷ジャパンは秩父宮に委員会の銅像を建てられるだろうか?
新たな歴史を作ることが出来るのか?
それとも歴史の法則に従ってしまうのか?
協会は何も考えずにJKの銅像を建ててしまいそうだが、いずれにせよキャプテンシーの観点からも面白い大会になりそうだ。
明日はフランス戦。
頑張れジャパン!
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『チーム・ファシリテーション 最強の組織をつくる12のステップ』で紹介された本
■p.211抜粋
...小さなリーダー達がどう振る舞うべきなのかについては、既に本文でかなり述べたつもりです。
各ステージで紹介したスキルをもとに、それぞれの局面でみんながどう行動すべきかを想像してもらえれば、イメージできるはずです。
それでも足りない方は、ハーヴェイ・セイフター氏らによる『オルフェウスプロセス―指揮者のいないオーケストラに学ぶマルチ・リーダーシップ・マネジメント』をご覧になることをお勧めします。
文字通り、世界でも珍しい指揮者のいないオーケストラが、権限委譲、役割の明確化、平等なチームワーク、コンセンサスなどの「8つの原則」で動いていることが紹介されています。
本書と重なる部分もたくさんあり、大いに参考になるはずです。........
こんな記事も
http://share-living.jp/art/post1206/
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副社長からの宿題本!
久しぶりの宿題が再登場w
今回の本は指揮者のいない室内管弦楽団を通して、リーダーシップとは?と説いたマネジメント本でした。
オーケストラにとって指揮者は絶対必要だろうと思っていた中で読み始めたので、へぇー‼︎と思わせてくれるところが多々あって、読み進めやすかったなぁ。
そして、この本を読んだら実際に演奏している動画を見た方が良いと思います!
より、内容に説得力がもたらされるから♪
素晴らしい演奏だったのです!
だから、そのための努力や実践方がすんなり頭に入ってきます。
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自律的なチームや組織づくりの答えがすべて書いてあった。最も大きい要素は意思決定のやり方を如何に民主化しながらかつ機能する形で運用できるかかも。自律的なチームはリーダーがいないのではなく、皆がリーダーシップを発揮していること。コアチームや、リーダーや固定させない考え方はエッセンスを取り入れたいな思った