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「朝来が誰の一番になりたいのか、ゆっくり考えてみろ」
聡見からそう夏休みの宿題を出されてから三年。夏休みを終えて、大分経つ今も、朝来は未だに答えを出せずにいたけれど、聡見はせかすことなく朝来の傍にいた。
朝来はそんな聡見がイジワルだったり優しかったりするたびに、気にかかっていた。
朝来の中で聡見は気になる存在ではあるが、その気持ちがなんなのかはわからない。
高校三年生になって、大学受験も近づく夏休み、朝来は毎週末、聡見に勉強を一対一で教わっていたが、まだ予備校で講師として話す聡見の授業を見た事がなかった。なぜなら、聡見に反対されるから。
だから朝来は、誕生日プレゼントに予備校で人気の聡見の講義を取りたいと希望する。
そして、講義の日、聡見は予備校では朝来のことを無視をして、視線も合わせてくれない。おまけに携帯電話も通じない。
そんな中、朝来は聡見と仲がよさげな事務員の女の人の姿を目にしてしまったり、聡見の予備校での知られざる一面を目にすることになる。
聡見に無視されてわけのわからないモヤモヤが募る朝来に、更に幼馴染みの杏花が、その事務員の女の人と一緒に産婦人科に入るのを見たと聞かされてしまう。
聡見がその事務員の女性と付き合っているのだと考えた時――ようやく朝来は自分の中にある聡見に対する気持ちが何であるのかを自覚することになる。
切ない、切ないよー。
ようやく朝来が自分の気持ちに気がついて、聡見も自分の気持ちをはっきり伝えて、場所は二人きりしかいない聡見の部屋で。
さあっ! と思って、ひとつ目の話がいい感じのところで終わってちょっとばっかし「ええっ!?」ってなったんだけど。
てっきり作者さんが書かずに飛ばしただけだと思ったら、本当にやってなかったのか……(汗)
ちょっと聡見の忍耐強さに脱帽しました。
そんな2つ目のお話は、“まだ”だった二人のするまでの話。
本当に、聡見は忍耐強すぎるよ……
でもそれはそれだけ朝来のことが大切! ってことで、ようやく二人は身も心も結ばれて、ハッピーエンド! こういう穏やかで優しい話は大好きです! 本当にオススメ!!