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キムさん所有
→10/10/24 高橋寿さんレンタル →10/12/04 返却(浦野預り) →11/03/27返却
浦野レビュー----------
返却預り中に読ませていただきました。一言でいえば、「生きざまの本」ですね。
本書は、出演者のほとんどを公募してつくられた映画『夜を賭けて』の、キャスト・スタッフ約30人のプロフィール集です。彼らがなぜこの映画に関わろうとしたのか、それによってどんな変化があったのか。応募時に書いた作文を引用しながら、映画に込めた思いを語っています。
『夜を賭けて』は、戦後、焼け野原となった大阪で鉄くずを拾い、売っていた在日朝鮮人の物語。映画は韓日合同制作としたため、日本人だけでなく、韓国人や在日二世・三世も携わりました。とりわけ心を打つのが、在日の方々の生きざまです。「ソウルに行っても外国人と見なされる」という一文には、ふるさとや民族の意義を思わずにはいられません。
とにかく、一人ひとりの言葉が丹念につづられていて、人の生の営みがものすごいチカラとなって行間から湧き上がってくる本です。
「最近、毎日が退屈だなぁ」「生きる目標って何なんだろう」などと思っているあなた、必読です!