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紙の本
化粧をするのと同じくらい、自然に読んでほしい
2002/12/24 18:56
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KANAKANA - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ヴァギナ」に「クリトリス」。そんなの専門用語でしかないと思っていた。盲腸とか、扁桃腺と同じくらい、いやそれ以上に自分のもちものであると意識したことがないもの。たぶん、他人に価値を認められないかぎり、何の役に立っているのかすらわからないもの。
この本が「フェミニズム意識を底上げしてくれるかもしれない」なんて書いたら、フツーの人は「うぇっ」といって、本を取り上げようとした手を引っ込めてしまうだろう。でもそれは、もったいない。この本には、今まで聞けなかった声がつまっている。
著者であるイヴ・エンスラーは、人種も国籍もまちまちの200人以上の女性へ「ヴァギナ=女性性器」についてインタビューし、それをいくつものエピソードからなる一人芝居(モノローグ)に再構成した。1996年に彼女自身の手でオフ・ブロードウェイで上演され、翌年に賞を取ったあと、現在は30カ国以上の国で上演されているそうだ。
あなたは「ヴァギナ」を何て呼んでいる? 着せるとしたら何がいい? の答えが連なるエピソードもあれば、初めてのデートでキスをされてあそこを「洪水」にしてしまってから、一生閉店し続けてしまった(処女の)72才の女性、ワークショップでヴァギナが自分の体の一部であることを初体験した女性など、彼女たちの個人的な声ですべては語られる。さらに、エピソードの合間には「ヴァギナ・データ」として、現在も年間200万人の児童が女性器切除の犠牲になっていることを始めとして、ヴァギナの社会性、つまり社会的な意味での女性の弱さについてもふれられている。
もちろん、この器官が女性のすべてだというのなら、それはまちがいだ。男だって女だって、頭を使って考え、二本の足で歩き、両手は愛する人のからだをやさしくなぐさめる。だけど恥ずかしながら、女性=子供が産める・抵抗できないことで、積極的に攻撃される事実がこの世にたくさん転がっていることを、初めて知った。
まずはびっくりしないでこの本を手にとって読んでみてほしい。そして、化粧ポーチに口紅が入っているように、バックの中にこの本がおさまっていることが当たり前になったら…。そんな世の中、ちょっとステキだ。
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