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みんなのレビュー187件

みんなの評価3.8

評価内訳

175 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

救いたい、救われたい。

2004/05/27 16:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:川内イオ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「困っている人を救ってあげたい、という思いの裏に、
自分を救って欲しい、という思いが隠されてることは、
よくあることだよ」

これは、ある相談センターで所長を務めるカウンセラーの言葉である。


『症例A』には、精神医療的な視点を通して、
人間という存在の不確かさ、正常と異常の境界の曖昧さ、
そして、それゆえの人間の未知なる可能性が描かれている。

医師を志した頃の理想を忘れることなく、患者と真摯に
向き合ったが故に癒えることのない傷を負った精神科医・榊。

統合失調症(分裂病)か、境界性人格障害か。
榊の揺れる診断を欺くかのように奔放に振舞う少女・亜左美。

榊と対立を余儀なくされながら、亜左美の診断について
異を唱え、別の可能性を主張する女性臨床心理士・広瀬。

3人は互いに疑念、不信、反発の視線を向け合うが
あるとき、広瀬は意を決して榊に自分の全てを晒す。
それは亜左美の治療ためであり、自分の救済のためでもあった。
榊は衝撃を受けながらもやはり真摯な姿勢で広瀬を受け入れる。
それは困難を抱える広瀬のため、そして自らの過去を見つめ直すためだ。

そして、亜左美の治療は新たな段階へと移行する。


この物語には、フロイトから始まる精神分析の由来から、
いくつかの精神病・障害の具体的な説明、そして広瀬の
示す「別の可能性」の症例が驚くほど緻密に記されている。
このような「精神領域」に興味がある者(私も)には
それだけで一読に値する読み物だろう。

しかし、当たり前だが『症例A』は参考書ではない。

榊、広瀬、亜左美が提示するのは、正常・異常の
ラインを超えて、どんな過去があろうとも日々を生き続ける
人間の強さであり、また、誰しも根底には「救いたい」、
「救われたい」という思いを抱いているという人間の弱さである。

そして、この人間の強さと弱さこそが
「人間の可能性」の根源なのだ。

私は学生時代、心理学を専攻していた。
カウンセラーを志し心理学科を受験をしたとき、
救われたい、と思っていたのか、今は定かではない。
ただ、他人の心よりも、得体の知れない
“自分の心”に興味が向いていたのは確かだ。

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紙の本

症例B…?

2001/08/27 02:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:クラリス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 多くの方が書評を書いていて、その中で共通しているように、「少女」「博物館」「臨床心理士」についての3つの謎が同時進行する。
 さて、読み終わっての第一印象は、精神医学、臨床心理についての考え方が変わった。本文中にあるように、精神病の偏見は私の中にもあり(あった)、多重人格と云えば近頃流行のホラーや犯罪しかイメージできなかった。それらが、この小説では一変する。参考文献を見ても、作者の調査、取材などには脱帽。ともかくグイグイ読ませる。
 ただ、他の方の書評通り、結末が駄目だ。3つの内一つの謎の結末? しかない。他の方も書いていたが、博物館の謎の必要性が感じられない。それに、少女はどうなったのだと考えると、読み終わった気がしない。
 もしかすると、精神病には簡単に結末(完全治癒)など無い、ということを云いたかったのか? それとも、現実のように、小説は3日で結末があるが、精神障害は人生のように結末無く続くと云うことなのか? あるいは、もしかして、「症例B」なる少女に関する続編が出版されるのか?
 しかし、以上を考慮しても、読む価値が十分にある力作であることには、間違いない。

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紙の本

ある精神病の原因とは

2001/01/13 00:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:格  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 二つの物語が平行して進んでいく。一つは、精神病院における医師と少女の患者、さらに女性の臨床心理士がからむ物語。もう一つは、博物館における偽物問題の追求。二つの話がほぼ同程度の重さで進行していき、当然ながら後半で結びついていく。
 中心はあくまで前者の話らしいが、これがまたしても、子どもの頃のトラウマを原因とするもの。精神病に関する真摯な追求は感じられるが、またか、という感じは否めない。さらに、ここでの説明の限りでは、素人である私には、躁鬱病と分裂症、境界例の区別は理解できない。多重人格についても、それほどの違いなのか、というところまで分からない。
 話としては面白いのだが、終わり方は唐突。後者の話はいったい、どうなるのか、というだけでなく、少女の方はいったいどうなってしまうの、という感じ。いろいろな話を詰め込み過ぎて整理できていない印象を受ける。

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紙の本

精神病の治療法の難しさが良く分かる。

2001/01/10 14:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ERI君 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 友人から結末をのぞけば、傑作とのうわさを聞き読んで見た。確かに、話の語り口もうまいし、構成もよく出来ている。精神病についての説明も、素人にも分かりやすく、作家が勉強してしっかり理解した上で書いてあるように思える。でも、主人公の医師と院長の問答は、まるで、精神病の啓蒙書を読んでいるようだ。専門的な話なので、説明が必要だから、こういった感じは、必要なのかもしれない、だが、くどすぎる感じがする。
 ミステリとしても気に入らない部分がある。
 なぜなら、三つ解決すべき問題があって、ラストではその一つしか解決してない。提示された問題を全て解決する必要があるとは思わないが、あまりにも無責任な話の取りまとめである。
 ラストに泣けたという話を聞いた。しかし、確かにラストシーンは感動的なのだが、私は、他の謎の解決が気がかりで、ごまかされたような気がして、感動している余裕は無かった。(宮引恵利)

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2004/09/21 18:38

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2004/10/06 10:57

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2005/01/22 13:19

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2005/02/04 08:21

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2005/06/03 23:31

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2005/11/03 06:09

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2006/01/19 22:28

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