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紙の本
将棋より面白い将棋評論
2003/03/02 13:52
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GG - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中には対象より面白い評論というものが存在する。
小林信彦のテレビ評論、四方田犬彦の漫画論などがそれで、それぞれ扱っているテレビ番組やマンガそのものよりも彼らの文章の方がずっとおもしろい。もっとマニアックなものを数えるとジャズ漫画のラズウェル細木の場合も、そこで紹介されているディスクそのものよりもマンガの面白みの方が勝っている。
ジャズよりもさらに趣味としての間口の狭い分野に将棋がある。その将棋評論の第一人者が著者の河口俊彦七段である。将棋には頭脳スポーツとしての側面と、人間ドラマとしての側面がある。将棋観戦記の面白みはこの二つの要素のバランスにある。技術論だけに終始する解説は味気ないし、といって私達がプロの対局に見たいものは指し手だけではない。天才の苦悶の表情や、敗者を目の前にしながら発せられるコメントの息遣いだったりする。このバランス配分において河口七段に勝る書き手はいない。
対象は故大山康晴十五世名人であるが、一読すれば、羽生・谷川・佐藤といった現在のトップ棋士の見え方が変わること請け合いである。
紙の本
将棋ファン必読の書!
2003/05/29 08:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snakehole - この投稿者のレビュー一覧を見る
通算成績1,433勝781敗,名人18期を含めてタイトル獲得数80期,まさに昭和の将棋界に君臨した巨星,大山康晴15世名人の晩年を,自らもプロの将棋指しである河口俊彦七段が振り返るドキュメントである。
……5年ほど前に一念発起して囲碁を覚え,爾来囲碁・将棋と言えば囲碁の方が面白くなったワタシだが,子供のころは将棋ファンだった。最も凝ったのは著者の言う大山第二期黄金時代の終わり,台頭して来た次代の天才・中原誠に名人を奪われた頃で,1年くらい「将棋世界」を購読していたと思う。そのころの私は,実は大山が好きだった。著者は「大山の将棋は強過ぎて面白くなく人気もなかった」というが,将棋の内容など分からぬ子供のこと,冴えない容姿の大山が古武士のような升田や天才と謳われた加藤一二三を負かして行くのが痛快に思えた。
本書によれば,この時期の大山は他の棋士に「催眠術を使って勝っている」とまで言われたそうだ。なるほど本書はタイトル通り,晩年の戦い(毎年「A級に残留出来なければ引退」というプレッシャーの中ガンを病みながら闘い続けた)にスポットを当てているため,必然的に大山の衰えを示す棋譜解説が多い。が,その状況下での数少ない勝ち将棋を通してこそ大山の恐ろしいまでの強さが理解できるのだ。……なにしろオレにも理解できる強さというのはスゴイよ。将棋ファンならば必読の書,将棋を知らぬヒトにも読み物として面白く読めるだろう。
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