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母を金属バットで殴り殺して逃げている 有名進学高3年の少年。
そして 彼の隣に住む 偏差値的にはたいしたことない私立女子高3年の少女と
その仲間たちの長い夏休み中の物語。
【リアル】って一体なんだろう?と考えさせられた。
合わせ鏡のように リアルの中にはまた別のリアルがあり
その奥には また違うリアルがあり...どこまでも限りがないような。
今時の高校生言葉には 失笑するしかないけれど
それはある種 擬態のひとつかもしれない。
人が いつでもどこでも 【ありのままの自分】でいられるならば
犯罪は 今よりも減るのかもしれない。
自分を作って生きる場が多すぎて(というかそれしかなくて)
そもそも自分とは何だったのかを 人は忘れてしまうのかもしれない。
印象に残ったのは テラウチ の言葉。
――本物の「取り返しのつかないこと」というのは、永久に終わらなくて
――ずっと心の中に滞って、そのうち心が食べ尽くされてしまう恐ろしいことだ。
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4人の女子高生が母親殺しの同じ年の少年に関わり、巻き込まれていく。4人の女性という点では「OUT」と同じだが、こちらは章ごとにそれぞれの視点で物語が展開している。どの子の視点からも他者を冷静に見つめているが、逆に見つめられている姿は必ずしも本人が望んでいる姿ではないのが面白い。それにくらべてミミズの言動のなんと弱弱しいことか。(2004.12.15)
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MY桐生夏生第二弾。印象は、「残虐記」と似ている、と思った。彼女の作品は社会問題を題材にして、その中にある「現実」を確認する、ということなのか?ん?(このときの「現実の確認」は、あくまで自分の中の問題である)数年前によく新聞等で見かけた「キレる17歳」を思わせる作品。作品中の高校生は18歳・・・というか高校三年生なんだけど。
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表紙のヘンリー・ダーガーの絵が好きです。すべてを語って余りあるような絵。読む前はもっと悲惨でどろどろしているのかと思ったけれど意外とそうでもなかったような。長くなってもいいのでもっと深くねちっこく書いてもよかった気がする。
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悲しい結末ですが、何となく今の高校生の心の中って、本当はこうなんだろうか、とタイトルどおり妙にリアルなものを感じました。
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あまりにありえそう、というか本の中だけでなくて、タイトル通りリアルワールドで現在進行形で行われる少年犯罪の内側のような気がしてならなかった。精神的恐怖が強かった。
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母親を殺した少年とそれに興味を持つ少女たちの話。高校生の頃って自分の周りにある世界が全てだと思ってたなぁと思い出しながら読みました。
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書いてることは軽くはないんだけど、軽いノリで一気に読めた。女子高生のときに読んだので、彼女たちに共感することも多かったし、なぜかテラウチに似てると言われた。
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桐野ファンの中では評価高いみたいだけど、彼女の歳でこんな青臭い世界を表現できるなんてやっぱただもんじゃねー!って思うけど、登場人物にイマイチ感情移入しきれなかった。残念。
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高校生(ミミズ)が母親を殺した。隣に住むホリニンナとその友達は、ミミズの逃亡を幇助し、関わりを持つ。あたしたちのリアルワールドに到達する方法はそれしかないのか。哲学的で感情的な高校生の描写が見事。個人的にはラストを急いだ感があったような…。
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何を考えた上での行動なのか、ユウザン、テラウチ、ホリニンナ、キラリン、ミミズら高校生達が、倒錯の世界に足を踏み入れ、引き返せないところまでいってしまう。育った環境なのか?親が原因なのか?何がいけなかったというのだろう。現代の若者達の中でも、何かボタンの掛け間違いによって、道を誤ってしまう人が、少なからずいるのではないだろうか。テンポ良く飽きさせない展開で、楽しむ事ができた。
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うわ〜。何だか生々しく、自分の心を抉る様な作品に出会ってしまった・・・。自分の母親を殺してしまったエリート男子高校生とビミョウなつながりで取り巻く4人の女子高生の心の中を描いた作品。思わずイッキ読みしてしまいました。この作者さん、有名なんですねぇ。この作品は心に衝撃を受けるけど、おもしろいのか?と聞かれると微妙ですね。まだわかりません。
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初めて中学生の時、この本で桐野さんの作品に触れた。
高校を卒業して女子高生ってこんなものなかしらと思ったけど
最後の遺書は印象的で何度が読み直しては泣いた。
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高3の女の子、トシの隣の家の男の子がせ母親を撲殺した!
トシは隣家から聞こえるガラスの割れる音を黙殺する。何故・・・
事件は高3の女の子4人の影と日向の部分からなる。
自分に偽名をつけ防御の方法とする子。
自分のジェンダーを隠しつつ友達の中に身を隠す子。
自分の複雑な性格を苦にしてわざと三枚目のふりをする子。
本来の男好きを隠し、あどけない少女のふりを決め込む子。
どっちがリアルワールド??
私には14と20の二人の娘がいる。
私もそうだったように、人には個人と立場の顔がある。
どっちがリアルかなんて私はそんなこと問題じゃないと思う。
どっちも本当だもの。
大事なのは一人で生きているわけじゃないってこと。
相手によって態度が変わるのは何も不実なことじゃない。
例えば私・・
母・妻・嫁・娘・姉・昔から私を知る人に対して・子供を介して・ご近所・・etc
それぞれ少しずつ違う。違って当たり前だと私は思ってるし、どれも全部自然な自分の姿。
統一しようなんて少しも思わない。
これからだってこのスタンスは変わらないよ。
どれも私のリアルワールド。
随分前に買って積読状態だったんだけど、後味があまり良くなかったな・・・
でもね、どんな本だって読んで良かったっていつも思う。
考えるきっかけを与えてくれるからね。
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ホリニンナ(女子高生)の隣家の高校生ミミズが母親を殺して逃亡した!ホリニンナを含む4人の女子高生はミミズの逃亡を手助けすることに。現代の高校生の心の闇を描く、力作長編。准くんの家の本棚にありました。