紙の本
ファミリー家電の町から、オタク化した萌える都市へ。
2003/12/05 14:41
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投稿者:PNU - この投稿者のレビュー一覧を見る
アキハバラ変貌の謎を探るノンフィクション。
凝っている。カラーグラビアに英文シノプシス、写真と引用文献全てにソース付記、と論文のような体裁の1冊だ。論文のよう…といっても内容はライトすぎず難しすぎず、読みやすいよう工夫されている。扱われている概念に難しいものがあったとしても、著者の理論と主張は明解だ。
自ら同人漫画を発行している私だが、小サークルのオリジナルであるし、ゲームはしないしアニメも見ない。漫画もめっきり読まなくなった。秋葉原には生まれてこのかた、記憶の限りでは一度も行ったことがない。それでもオタクについて少し興味があったことと、アキハバラの変貌を風のたよりに聞いたことから本書に興味を持ったのだった。そんな似非オタクの私にも本書はよくわかるよう書かれている。オタクの知識がほとんど無い人の入門書としても使えるのではないか。逆に、コアなオタクの方はそんなこと知ってるよ、のオン・パレードかもしれない。が、それでもかっちりした論理体系と豊富な写真資料を存分に楽しめるだろう。
途中ジャンボジェット機のデザインなどに言及していき、どこがアキハバラ? との思いがよぎるが、それさえも深遠かつ長大な論理の一部なのであった。お見事。
紙の本
聖地アキハバラ?
2003/03/16 09:40
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投稿者:GG - この投稿者のレビュー一覧を見る
オタクという言葉はすっかり認知されて、今では広辞苑にも載っているそうだ。では「萌え」はどうだろう。「メガネ萌え」とか「萌え要素」のように使われるこの言葉は、オタクにおける独得のセクシュアリティを表わす用語としてそのスジで流通している。
そうした仲間内だけに通じる言葉は昔からあった。不良達の符牒、一昔前の学生用語、あるいは80年代の現代思想ジャーゴンをここに数えてもよい。しかし、それらの言葉と「萌え」の間には一線が画されている、というのが本書の主張である。「萌え」は秋葉原という具体的な都市の景観と内実を急速に変えつつあるというのだ。
権力や資本でなく、趣味が都市景観を決定しつつあるというその主張の当否はさておき、周到に準備された本書は、オタク・都市論・ポストモダンといったキーワードに思わず反応してしまう読者にとっては抜群に面白い読み物と言える。こうした本は著者の思い入れが強くなりすぎて、急に読みにくくなる部分があったりするものだが、本書の著述はその点冷静である。図版がふんだんに入っているので、よくできたテレビの教養番組をみるような感じでスルスル読んでしまった。
うーん、ここまで言われたら、ともあれ一度秋葉原現地に行ってみなければ。
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2003年に発行された現代日本の都市論を扱った本。秋葉原という街の特殊性を取り上げ、都市が趣味を基調とした私室のような「個」によって成り立っている様を描く。海外志向が強く、ショーウィンドウのようなガラス張りの建物が並ぶ渋谷との対比は興味深い。
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秋葉原の文化を建築都市論から分析する本。著者は建築家でありオタクでもある森川嘉一郎氏。オモシロイ。
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流れとかすごい分かりやすくて、
楽しみつつお勉強にもなりました。
卒論でだいぶ、お世話になりました♪
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表紙は「おやっ?」
とおもうけどまじめな本です。わりと。
秋葉原と渋谷との比較とか、それぞれの事例はなかなか納得感がありますね。
巣鴨とか下北とかもある意味「趣都」なんかな?
結論的な話はよくわかりませんが、自分の視点をひとつ増やすことが出来そうな一冊。
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「電器の街」からいつの間にか「オタクの街」へと変貌し、日本どころか外国人にも認知されるようになった秋葉原。その変化に着目し、あらためてその生い立ち・成り立ちを文化的、都市学・建築学的な視点から紐解いて見せたのが本書、といえるのではないだろうか。なんだか小難しい本のようにも聞こえるけれど、「萌える」ということばの正体からはじまり、新世紀エヴァンゲリオン、コミケや同人作品、オウム真理教、ジャンボジェットの機体デザインなど、興味を引く話題を拾い集めながら、オタク文化や都市論が展開されていて、オタクについていまいち理解し切れていないおじさんたちの、手頃な「オタク学入門書」にもなるのではないだろうか。
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大好きな本です!
卒論テーマを国際理解教育から,秋葉原の土地利用に
変えようかと思ったぐらいおもしろかった.
もちろん先生に止められましたがw
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成田からの帰京の途で次第に見えてくる街並のスケール感の違い。レヴィ=ストロースが「悲しき熱帯」に描いたアマゾン。帰国子女として異邦人である著者が、「趣都」秋葉原を分析するために採ったアプローチは、萌えるオタクの内面との同一化を試みることではなく、建築学的にみた外面的・環境的な変化を抽出し、文化人類学者のような手さばきで様々な現象を読み解くシンプルな論理を構築することだった。広い射程をもった強靭な論考。すごい。
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ブクブク交換会(テーマ「町」)で採り上げられたお勧め本。
今や特殊なオタク文化圏の中心地となった秋葉原を、建築都市学の視点から分析する一冊。
初めは電化製品の町だった秋葉原が、なぜオタクの町へと変貌を遂げていったのかが論じられています。
都市学的アプローチだけでなく、オタクカルチャー論としても「萌え」の意味の発生から、なぜ日本では美少女キャラが好まれるのかなどがわかり、パソコンとアニメ絵の美少女は、かなり近いところにあることを知りました。
性的意味合いを多分に含んだ美少女ものが日本アニメの特徴であり、性的意味を排除したディズニーものと袂を違えたのは、手塚アニメがきっかけだと書かれており、納得のいくものがありました。
確かに、アメリカなど海外には、アトムのような小さい子が主人公で大活躍するようなものはありません。アトムの格好も、うがった見方をすればその後の日本アニメキャラの萌芽となったと、言えなくはありません。
日本アニメのもう一つの特徴であるロボットものに関しては、神がかったネーミングに呪術的な魅力があるとされ、ロボットというより神像、偶像であるとされ、「"マジン"ガーZ」「"ゴッド"シグマ」「"ゴッド"マーズ」などが挙げられています。
マジンガーZが魔神を意味していたとは、思いもよりませんでした。
都市学とオタク論、どちらか一方に偏り過ぎずに構成されているため、変な抵抗感や拒否感もなく読むことができました。
あまりにも特殊な町というイメージを抱いていた秋葉原ですが、この本を読むと、現在の姿になるべくしてなった必然性の町のようにも思えます。
自分ではまず手に取らない本ですが、勧められて実際に読んでみたら、おもしろかったです。
秋葉原が好きな方には、特にお勧めです。
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アキバの都市論。電気街~オタク街の変遷についてと、なぜかオウム真理教の話が出てくる。景観からくる渋谷の対比とかなかなか面白かった。
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秋葉原の変貌を都市、建築論の視点をベースに論じた本。
『大きな物語』の喪失から『個』へのシフト。
『個』が変貌させた街への『民』の流入。さらに『官』の流入と変貌後の五年の内に逆の流れを受け入れるに至ったこの【趣都】の著者によるゼロ年代後半の考察を聴いてみたい。
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ビジネスマンはオフィス街に集まる。例えば大手町は典型的なビスネスマンの街である。それは彼らの社会的な身分や役割によるものだ。ところが秋葉原全くことなる仕組みでその個性を獲得している。その現象を著者は個室空間の都市への延長の結果であると述べている。もっと大胆に侵食といってもいいかもしれない。秋葉原はその歴史上マイナーな人格の都市的な偏在をもたらしていた。具体的にはパソコン販売の導線の大本であったという点である。大手商業資本、広告代理店からコントロールされたくないという心情をもつオタクたちは必然的にマイノリティである。マイノリティかつ消費者である彼らのその特性ゆえに、秋葉原はこれまでと違ってコマーシャリスティックな大衆的な開発を再帰的に受け入れないものとなっていった。当初は決して意図したものではなく自然発生的に個性を獲得していった秋葉原という趣都を誕生させた。世界的には秋葉原があたかも大昔から連綿と続いてきた歴史あるアニメ・漫画好きの聖地であると認識されているが、実際には97年以降のことに過ぎない。この事実から考えられることはなにかというと、こういった物語をつくることが、海外の注目を日本に向けるための重要事項であるということだろう。たとえ後付の設定でも、それが幻想だとしても魅力あるものとして多くの人間に受容される方法論がいま求められている。
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アニメに関心があるのはもちろん、そして「まちの成り立ち」の本にも関心があるので手に取ってみました。
他のアニメについての評論が書かれた本にもあった「日本のアニメキャラクター=性的」というのがこの本にも書かれていましたが、一番この本がコレについて分かりやすい説明だったと思います。
また、秋葉原と渋谷との比較はなるほど~と思いました。電気街から始まり、なぜオタクの街へと変貌を遂げたかが本当に詳しく載っていたと思います(^_^)
地理的な要因は全く関係なく街が形成されていったとあり衝撃を受けました。秋葉原侮りがたし、と本気で感じました(笑)
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都市形成と人格傾向との関係性と成り立ち。
建築学から秋葉原を観る一冊。
「萌える趣都」とは、言い得て妙。