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日本の自然崇拝、西洋のアニミズム 宗教と文明/非西洋的な宗教理解への誘い みんなのレビュー
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紙の本
著者コメント
2003/06/25 17:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:保坂幸博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
《キリスト教文明圏の単一的宗教観を対比軸に自然性原理に基づいた日本特有の統一的宗教性に迫る》
本書は、日本の宗教を、宗教に関する全世界的なパノラマの中に位置付けようといる点に大きな特徴がある。
もっとも、そのパノラマを与えてきたのが、他ならぬ西洋キリスト教文明圏であったことが問題である。すなわち、西洋世界は、大航海時代以来、世界に向かって進出し、世界各地の宗教を自分たちの解釈の仕方で見ることになった。そこから、世界中の諸民族の宗教に関するいくつもの宗教学理論が提唱された。そのような宗教理論を日本の宗教に当てはめると日本には多宗教が混在している社会であり、ただ一つの理論で総括するのは難しい。
そこで、本書では日本に対して適用される第一の理論は西洋のアニムズム理論であると見て、それと対応する形で日本人の「自然崇拝」に注目した。その結果、「自然崇拝」が、仏教、神道等の宗旨宗派の違いを超えた、普遍的で根本的な宗教信条であるという結論に至った。日本人が自然に対して特異な感情を持っていることは、古来様々な分野で指摘されているが、本書ではそれを宗教的信条の核心に据えて、日本人の宗教を統一的にとらえ得る新しい切り口として提示している。
保坂幸博(ほさか・たかひろ)
1976年、早稲田大学大学院博士課程修了。
1978年から東海大学の非常勤講師に就任、今日に至る。
「宗教学概論」、「哲学概論」を担当。日本宗教学会会員。
著書に『ソクラテスは何故裁かれたか』(講談社)、
『新ガイジン論』(近代文藝社)、
『仮面をとったソクラテス』(廣済堂出版)がある。
(新評論ウェブサイトより転載)
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