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宮沢賢治作品を読み解くための前提に「彼は童貞だったから」を据えると見えてくる事実とは。大胆な切り口で賢治像に迫る怪作。大胆過ぎて少々強引なところも無くはないが興味深く読めました。
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読みたくて読みたくて探し回った本ですが、読んでみたら少し萎えた感じでした。まあ実際一晩で読破してしまいましたし、内容的には結構満足しています。宮沢賢治を神聖視するような流れがありますが、この本はきちんと人間のそれも男として宮沢賢治を見ている視点がいい。宮沢賢治だってセックスしたかったはずだしオナニーだってしたはずなんだから。
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タイトルと目次見出しは面白かったのだが、なんというか何が言いたいのだか焦点の絞れていない本だったように思える。タイトルや見出し部分だけ見ていると、読み捨て型新書エンタテインメントなのかと思ったが、どちらかというと賢治に焦点のあたった割合マジメな本である。しかし学術書とまではいえないような中途半端感もあり…とにかくどっちつかずであまり面白くなかった。
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忘れてはいけないのは 人間は心というものを持った瞬間から自然界とは切り離されたところにあり 潜在的にこの宇宙で生きていく上での苦悩を背負っているということ
その苦悩とは ヒューマニズムに陥ってしまう愚かさであり 逆に自然との共生を望んだとしても決して対等な関係性を築くことが出来ないと知るに至ることである
しかし重要な議論は 後者の自然と人間との溝に絶望を感じた先にある(ヒューマニズムは問題外)
文中の多くの箇所で童話からの論考の展開がなされているわけだけれど 直ぐに人間社会へと集約して作品の世界を捉えようとするところに少々強引さを覚え 鼻についた
先に記した「自然と人間との溝」を意識下においた上での人間社会へのアプローチを展開できれば 重層的な思考の展開が描けたのではないか
といった事を考えたわけだな
とはいってもこの本には 宮沢賢治から「贈与」された多くの言葉を丹念に拾い集め そこから次の時代へとつながるメッセージをすくい上げる事に成功している
お見事です
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[ 内容 ]
宮沢賢治は生涯独身を貫いた。
それを自己犠牲による高邁な思想と捉えず、彼の作品を性的妄想がうずまく不純な産物として読みなおすと、これまでとは違う賢治像に出会える。
「童貞」として、他者との関係を自ら断っていく賢治の生き方は、現代のさまざまなコミュニケーション障害の病につながり、また絶対的な他者との同一化を目指すテロリズムの思想にも親和性をもつ。
まったく新しい宮沢賢治の世界を俯瞰する、挑戦的な一冊。
[ 目次 ]
第1章 童貞がなぜ問題にされるのか―性の科学の時代
第2章 文学者たちはいかに性欲と戦ったのか―文学の中の性
第3章 賢治は童貞者たらんと欲したのか―賢治童貞伝説再考
第4章 賢治の恋愛観の基底には何があるのか―性的な身体への嫌悪
第5章 テロリストはオナニストか―賢治とナショナリズム
第6章 賢治は私たちを癒してくれるのだろうか―賢治と現代のコミュニケーションの病
第7章 無償の行為とは何か―賢治の贈与論
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