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人の心の中というのは、最も複雑で、定義を付け難い類いだと思う。
自分でも自分の事があまりよくわからないのに、他人の人格を導いたり、ましてやそれを治療するのは極めて困難に近いのも頷ける。
この本は、人格障害というものの説明と、その具体的な(クライアントの)例が取り上げられている。
そして人格障害がもたらす良し悪しも、例をつかって具体的に描かれていた。
中でも、天才とうたわれる人達(尾崎豊や太宰治等)や、凶悪事件の犯人(麻原彰晃や酒鬼薔薇少年等)を人格障害の側面として見解するあたりは興味深い所だった。
この手の本(精神見解の本)は最初だけパラパラっと読んで、凹んで閉じてはいけないものだと思う。
結局凹みやショックだけが残ってしまうから(それは自分がその精神障害なり人格障害なりの中に当て嵌まるかもしれない、という思念が働いた時にだけ凹むものであって、他の場合は凹んだりしないんだけど)。
クライアントはクライアントなりに、自分や他人との向き合いを客観的に見る事も大事だが、それだけではなく、そこから自分が自分をどう変えて行くか。というのはもっと大事な気がする。
「不安定の中の安定」というのは上手い言い回しだなぁ。と思ったり。
というよりも、この本を読み終わって、結果思った事は「この世の中で人格障害じゃない人っているのだろうか」って事なんだけどね。
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人格とはなんなのか、人格障害とはどういうものか、人格障害のタイプ、現代社会との関わり、そして人格障害の影と“光”について、専門的な精神医学の知識を元に、ざっと記されている。自分がそうだとしたら、分裂病質人格障害。
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(著者のことば:本の扉に書かれている紹介文)
人格障害と診断が可能な人たちのなかには,特異な才能を持った人が一部に存在します。彼らの多くは生活が破綻し,アルコールや薬物に手を出したり,自殺を何度も試みたり,実際に自殺してしまったり,友人関係や異性関係がいつも不安定だったりします。その一方で彼らは非常に精力的に創作活動を行い,創造的な仕事をしています。これらの代表的な人物として,本書では尾崎豊,太宰治,三島由紀夫を取り上げています。
彼らは人格障害であるが故に苦しんでいましたが,それ故のエネルギーも有していたのです。このエネルギーは多くの人格障害の人に認められます。
この本は,書店で偶然見つけた本です。発行年が2003年ですから,もっと以前に読んでいてもよかった本ですが,出会うのに時間がかかっています(内容とは関係ありませんが)。
著者の言葉にもありますが,人格障害の人は,ここ数年の事件の影響があるからでしょうか,非常にマイナスの側面ばかりが強調されています。物事にはマイナスの側面ばかりではなく,プラスの側面もあるのですが,非常に偏ったとらえ方が大多数です。この本では,人格障害の人のプラスの側面を積極的に紹介しようとされています。
また,凶悪事件を起こした人など,マイナスの側面も非常に個別性があり,人格障害の人の共通点ばかりを強調して,すべての人格障害の人が危険であるという考え方に対しても注意を呼びかけています。
一定数以上の精神障害を持つ当事者と接すると,当たり前のことですが,病気や障害の共通点だけではない個別性が分かります。しかし,多くの人は日常的に複数の精神障害を持つ当事者と接することがありません。いきおい,出会った人が100%そうなのだというふうになってしまいます。
この本を読むことで,人格障害の人のプラス面とマイナス面,多様性と普遍性(共通点)を意識しました。
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太宰治、三島由紀夫、尾崎豊などの有名人に関する記述が面白かったです。素晴らしい作品を残しながらも、絶えず自らの存在の不安定さを感じ、壮絶な最期を迎えたのは、まさに人格障害の光と闇。
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人格障害についてすごく分かりやすく書いてありました。人格障害というと、いわゆる精神病との違いもよくわからず、ネガティブなイメージしか受けなかったのですが、それとは少し異なるものであり、光の部分が存在するのだ、ということがよくわかりました。他にこういう本を読んだことがないので、なんともいえませんが、
分かりやすかったし筆者の考えにもそんなに違和感は持ちませんでした。にしても、こういうのを読むとき、「もしかしたら自分も・・・?」と暗に思ってしまいます・・・
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人格障害について非常に分かりやすく書かれた一冊。
症例をあげて分かりやすく各人格障害について記されている。文章も砕けた文体なため読みやすい。また人格障害の光と影についても著名人(尾崎豊,太宰治等)を取り上げていることで理解しやすい。光と影の章では,印象的なものが多かった。人格障害を持つ人の光の部分と影の部分は常に背中合わせであること,人格障害であることの「生きにくさ」を痛感した。
また専門的には,DSM-IVの診断基準やDSM診断についても記述されている為,人格障害について勉強する際の入門書として利用できる。
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かの才能にあふれた有名人が人格障害の例です。とか、著者の担当した人格障害の患者の中には素晴らしい能力を持っている方が多数いる。
と解釈してしまうような、あたかも人格障害の人は素晴らしい才能を持っているという結論を出しているような書き方だったので、鵜呑みにしてはいけないと思いました。
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人格障害の症状や特徴、治療法などが分かる上に、具体的に人格障害だったと思われる有名人(良い例)・犯罪者(悪い例)についての記述もオマケで付いてくる。人格障害にも良い面があるということを知らせようとしている割には、ちょっと突き放した感じの書き方をしている。
人格障害について概要を理解できたのでこの本自体は役に立ったが、著者のことは医者としてはあまり好きになれないという印象を持った。だって症例っつって具体的な患者の話が出てくるけど、全然治してないんだもんこの人。
自分が人格障害かチェックできるような箇所がないから「かもしれない」という人向けではない、というレビューをどこかで見たが、本書を読んで「ああ、コレは俺には関係ない話だな」と思えなかったらその人はちょっとビョーキである。
300円。
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人格障害の光の部分に焦点を当てた本。どこかで一人と激しい対人関係の揺らぎの中に熱中していると、別の社会的場面では偉大な業績を残したりすることがあると著者は話す。
テーマとしてはかなり面白い。しかしこれって別に人格障害だからとは限らないんじゃないの?って気もする。
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[ 内容 ]
人格障害と診断が可能な人たちのなかには、特異な才能を持った人が一部に存在します。
彼らの多くは生活が破綻し、アルコールや薬物に手を出したり、自殺を何度も試みたり、実際に自殺してしまったり、友人関係や異性関係がいつも不安定だったりします。
その一方で彼らは非常に精力的に創作活動を行い、創造的な仕事をしています。
これらの代表的な人物として、本書では尾崎豊、太宰治、三島由紀夫を取り上げています。
[ 目次 ]
第1章 まず「人格」とは何かを考えてみる
第2章 人格障害(境界性人格障害)の人
第3章 精神科医療と人格障害について
第4章 人格障害の一〇のタイプ
第5章 人格障害の治療の現場から
第6章 人格障害と現代社会の関係
第7章 人格障害の影の部分
第8章 人格障害の光の部分
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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興味深い分野なので、面白かった。
今まで知り合った人たちを思い浮かべながら読んだ。
当てはまりそうな人は、やっぱりいますね。
とか言いながら自分もその傾向あるんじゃないかと不安になったりした。
1つ言いたいのは、尾崎豊は全然好きじゃない。
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この手の概説書的な本は多々あるだけに、
「かもしれない」というタイトルはウマいなぁ、と思う。
精神科医が知識や実際の経験を元に書かれている…という割には乱暴で、主観的過ぎる印象をもった。
まあ、「こういうものもあるのね」的な、入門書としてはいいか。
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社会現象としての人格障害を扱っている。
実践的ではないが、歴史的経緯、医療的診断基準を示していて、それはそれでためになる。
著名人の精神分析をもっとやって欲しかったなぁ、という読後感です。
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「心の病気」と称される様々な症状と、病名、特徴についてまとめられた一冊。病気の兆候や対処を知る事ができ、また読む事で自分の中にもある偏見に気付く。
病気の特徴について、往々にしてマイナスからかプラスからのどちらかしか見られていないことを改めて実感した。例えば尾崎豊。アーティストとしての才能という面、死に際や日常の奇行という面。両面が語られるけれども、常に賞賛か批判か、ゴールが決められて語られている。
病気も様々あるが、必ず両面がある。
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人格障害はどうしても負の側面に注目されがちだが、一部の人間は才能をいかんなく発揮しているというのがわかる。ただ、人格障害は悪い部分だけではないというコトを主張しすぎて好き嫌いがはっきりわかれる内容ではある。