顧客志向は顧客志向にして、顧客志向にあらず!?
2007/10/28 07:39
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投稿者:たけくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「顧客志向で!」、「CS(カスタマーサティスファクション)重視!」などを掲げて商品開発を進める企業は決して少なくないだろう。でもそれは決して真の顧客志向とはなっていない恐れがある場合を指摘し、真の顧客志向はあくまでもプロダクトアウトにあることを本書では提唱している。
成熟した現在の経済において、顧客志向で市場シェアが大きく変わることはありえない。それを覆すには、強みを活かしたイノベーションに他ならないのである。そのためには、アライアンスなどを利用して時間を購入し、プロダクトアウトの実現が必要なのである。
トップシェア企業はイノベーションを起こす能力や実力を持っていてもイノベーションを起こさない。起こさなくてもシェア変動は起こらないからである。消費者の行動を分析すると事実そのようなことが多々ある。したがってトップシェア企業は何をする?現状を維持する様な活動及び、競合のイノベーションの種を摘み取るのである。トヨタの「プリウス」は何故投入されたのか?筆者の鋭い視点で読み説く。
マネージメントを目指す若手社員からミドル層には、現代の成熟化時代を生き抜く視点が詳説された本書のご一読を薦める。
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投稿者:ダイヤモンド社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「顧客絶対主義からの訣別」
「真のプロダクトアウトの勧め」を軸に置き、日本が陥った成熟化市場の意味、企業戦略に帰ったプロダクトアウトの考え方、プロダクトアウト−形態としてのイノベーション、プロダクトアウトの前提となる企業競争力を強化するアライアンス、企業が進化・成長するためのプロダクトアウトの発展型、成功するプロダクトアウトの方法論について解き明かし、顧客絶対主義に一石を投じる。
【編集者コメント】
競合他社や売れ筋動向、アンケート調査などを通して顧客のニーズを拾い、それを頼りに商品やサービスを開発することを「マーケットイン」。これに対し、「プロダクトアウト」とは、まず企業ありき。自社にしかできない商品・サービスを開発する。つまり顧客が欲しいというものを提供するだけでは、企業としての存在価値はない。主張する存在でなければならないのです。
本当に目からウロコが落ちます!
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世間で、「答えはマーケットの中にある。」と言われているのに、ものすごく違和感を感じていたんです。
お客さんとしてマーケットの中にいる場合の自分を見たとき、
「そんな無責任なコト言われてもさあ・・・答え持ってないよ・・・。」と。
これを読んで「そう、そう!だよね、やっぱ!」ってすっきりしました。
(特に156ページ、88ページ前半)
それから当時在籍していた会社の本を総務に借りて読みまくりDNAを探りました。
これを読んでなかったら起業はしなかった一冊です。
ポイントは180ページの箇条書きです。
これに眼を通してから読むとよりわかりやすいです。
でもここだけ読んだだけでは「自社にしかできない」「ニッチ」の意味とかに誤解が生じると思います。
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昨今はマーケット・インが声高に言われている中で,プロダクトアウトを薦める本.
読者の対象は,製品企画等をしている人に向けたもの.
この本では,マーケット・インは御用聞きになる可能性があるため,自社の強み・弱み,市場を分析した上で製品の企画・設計を行うべきであると説いている.
自社の強み・弱み,市場を分析した際に,弱みや市場環境(成熟産業)のために利益が出ない場合にはアライアンスによって製品企画することを推奨している.
ただし,アライアンスはそれぞれの強みを生かす形にすべきであるとのこと.
異なる企業文化を持つものを無理に統一することでお互いの強みが失われるため.
2008.01.04読了
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「マーケットイン」の考え方でなければ、
現在モノは売れない、生活者に支持されないといわれる。
その「マーケットイン」と両極端の考え方である「プロダクトアウト」
高度経済成長期、少品種大量生産に時代に即した考え方であるが、
再度、このプロダクトアウトを企業戦略として取り入れることを提案している。
もちろん、市場を全く見なくてよいというわけではない。
言いたいことは、自社にしかできないことをしようという考え。
そのために、本書で提言されているのがアライアンス。
アライアンスで「時間を買う」と表現されているが、
これはM&Aにも通じる内容であるとともに、
イノベーションに頼っていない点では、非常に現実的。
いずれにせよ、感じるのは生活者の言うことばかり聞いていては
メーカーとしての存在意義はないといこと。
プロダクトアウトというフレーズを使うとやや誤解を招くが、
市場を創造していく位の意気込みが最近、メーカーには欠如している。
この点は、非常に反省すべきであると感じた。
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人々のまわりにはモノが溢れ、もう必要なモノはないという今日のマーケットでサービスを売るためには、マーケットインの発想だけではダメで、プロダクトアウトの発想が必須という主張には強く同意。
自社の技術を生かせて、まだ小さい市場で優位な位置を占められるサービスを考えることが肝要。うんうん。
骨子には強く同意するのだけれど、細かい発想法や概念論など、若干冗長な説明も多かった。実際のビジネス事例に基づいた検証があると、いい本だなー。
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p.31 市場の隙間を狙うのがニッチでなく。ニッチはプロローグ。
「まだ市場は小さいが、今後確実に成長が期待できる市場」。
初期は個人の才能に依存する。少人数の方が効率があがる。
組織として儲ける仕組みを構築し、一位か二位を目指す。
市場に参入するのでなく、市場を創造する。市場を創造できるのは
プロダクトアウトだけ。
p.56 プロダクトアウトの進化・成長図
1.自社が顧客に提供
2.自社のDNAだけを活かす部分とアライアンスによって進化・成長する
3.アライアンスの部分も価値があれば自社が実施
p.98 たとえばトヨタのハイブリッドカー。
赤字らしいという噂を聞けば他は参入しない。
「失敗しても成功してもどっちでもよかった」
「先に失敗して出鼻をくじく」
最初は清算性はとれていない。ただ、トヨタが失敗すれば他もおじけづき、参入せず、市場が逆転されることはない。
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難解な解説。図表も簡略すぎてよく分からなかった。御用聞きの営業ではなく、自社の強みを活かしたビジネスモデルの提案が大切と言うメッセージか。
2003年の段階で今のVUCA時代について言い当てている先見性はとてもすごいと思いました。
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「顧客絶対主義が会社をダメにする」好き。
「強み」と「得意」は違う。勝てるかどうかが判断基準。「負けて学ぶ、勝てる技」、最後はやっぱりレジリエンスかな。「効果的」と「効率的」の区別は秀逸。ビジネスだけでなく、私も人生を「効果」を軸として生きいこうと思いました。