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紙の本
命の中に人を恋うる歌がある
2003/05/06 23:59
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投稿者:のり - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、ハイテク産業を相手に金融関係のビジネスをしている者で、
普段、文学関係の本は滅多に読みません。たまたま、知人に「恋歌」を
薦められました。「連歌」を連想させるタイトルに、何か連綿とした
流れを感じ、綺麗な表紙と帯のことばに、読んでみようか、という
気になりました。春の訪れに始まり、細やかに変化する季節の巡りと共に、
「巣立ち前のひなどりのよう」だった初々しい詩人達が、羽ばたき、
激しい恋心を燃やし、現実の世界を逞しく生き抜きます。
このまま、悲しい別れの秋と、さみしく厳しい冬の現実の到来、と思いきや、
神社の境内で、名だたる古代の魂との恋に発展し、詩集は終わりますが、
「真説:万葉集」の解説編。歌を通して、現代を生きる詩人達の恋心が、古代に
恋を謳歌し、国を造り、動かした時代の魂に、自然につながってしまいます。
タイムトンネルに導かれたような不思議な体験でした。 詩集の所々、結婚制度の
変遷など、社会制度と恋の関りの短く端的な説明があって、知識がなくても
時代の流れを理解し、詩によって、時代を「実感」する事ができます。
季節が過ぎゆくに従い、逆に、古代とのつながりが深まっていくのです。
実は私は、学生時代、万葉集は、さっぱりおもしろくなかったのです。
五七調に文字数を揃えるだの、韻を踏むだの、季語に枕詞、面倒なルールが
あって、技術を駆使する言葉弄り、自分には何の関係もない世界だと思って
いたのです。
「命の中に 人を恋うる歌がある 恋に生き、歌に情熱を託した古人の
魂を受け継ぐものとして」 最初は、そういう人達が書いた本なんだ、と、
思っていました。読み終えた今、私の命の中にも、蘇る何かがあります。
きっと、ビジネスに邁進するエネルギーとも、通じるものだと思います。
(42歳、会社役員)
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