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ほとんど世に名前を知られることのなかった異才の人たちを特集したもの
後世に名を残した人々ととても近い領域で生きていたのに、片方は名を残し、片方はそれほどでもない。この差は一体どこから来たんだろう。それでも、彼らは「何か」を残した人々。人が生きた証を残すというのは、とてつもないことなのではないか、と思っていた折にこの本を見つけた。これも何かの縁か。
山岳会の高頭式(たかとう しょく)さんの人となりが、ほんわかしてて良いなと思った。
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競技では優勝者だけが英雄になる。二位以下は同列だ。しかし、一位と二位の差は少なく偶然の要素もある。この本は、分野ごとに一位の人に隠されてしまった天才16名を拾い上げて描いている。
たとえば、尺八の名人福田欄童。名前を聞いただけでは誰も知らない。しかし、「笛吹き童子」の作曲家だと言えば知っている人は多いと思う。つまり、彼は名前よりも作曲した曲の方が有名である。父親は洋画界の異端児だった青木繁である。しかし、青木繁は彼を見捨てた。福田欄童は祖父母に育てられ苦労した。その子供がクレージキャッツの石橋エータロである。石橋エーターロウも父親を嫌っていた。それでも、3代続いて異端の芸術家が産まれている。才能は遺伝かと思いたくなる。
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目の付け所が秀逸です
「二列目」というところが
また心憎い
池内紀さんの心に留まった
意中の人たち18人
その人のゆかりの地を訪ね
その人を知る人にきちんと話を聞いて
その人のお話を伺っていくうちに、
自ずと、
その意中の偉人たちが浮かび上がってくる
無名者として
位置づけられたからこそ
その人生を全うされた
その異才たち18人
その生き方は すばらしい
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表題のわりには、ある程度知名度の有る人物が多かったが、それぞれ個性的な活躍をした人々である。
なお、一箇所だけ誤植?の指摘を。166、167頁の青木繁の親友「梅津満雄」は「梅野満雄」の誤りではないだろうか?