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大分トリニータのJ2最終節での悲劇、いわゆる「舞鶴橋の悲劇」での出来事を克明に描いた一冊。その後のあとがきで金子氏自身の作品について反省していたことも好感を得た。
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1999年の最終節、J2だった大分トリニータが昇格を逃した山形戦。その試合を両チームの選手、監督、そして審判の目からピッチで何が起きていたのか検証したドキュメント。著者は「28年目のハーフタイム」でキャプテン前園を、「決戦前夜」でカズを十分に取材もせずに悪者扱いにしたことを反省しているらしく、今回は取り上げる主要人物の話をかなり多角的・立体的に取材した努力が窺えます。ただ、村上龍がオリンピックの時の文章を批判していた沢木耕太郎との対談だけは余計だったでしょう。
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1999年、大分トリニータがJ1昇格をかけた一戦をドキュメント。
主題となる山形戦だけでなく、チーム発足時の人集め挿話など、
サッカーが好きな人たちの思いを感じます。
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1999年のシーズン、新監督の下、予想外の躍進をとげ、最終戦に勝てば初のJ-1昇格となったJ-2のチーム、大分トリニータの最終戦、レフェリーにも焦点を当てた試合の描写を主にしたドキュメンタリー。こういうピンポイントの話もたまには面白い。読後感の良い小品。
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サッカーのJ2リーグが発足した1999年、J1への昇格を賭けて大分トリニータは地元で最終節の試合に臨みます。その試合をめぐる両チームの選手、監督、そしてその試合を裁いた主審を切り口にしたノンフィクション。大分トリニータの最終節の対戦相手はモンテディオ山形。大分の監督は、なんと前年まで山形の監督をしていた石崎氏。前年まで自分たちの監督だった人物が移籍先でJ1昇格を手にしようとしている状況に、なんとしてもそれを阻止しようとする山形の選手たち。試合は大分のホームで、それまで高々数千人の観衆しか集めていなかった地方のスタジアムに、地元の期待を載せて1万5千人以上の観衆が詰めかける異様な雰囲気の中で始まります。試合の流れは微妙なプレーの判定のたびに、大分と山形の間を揺れ動きます。主審の越山氏の判定に対してさまざまな思いを抱いてプレーする選手たち。そして、試合の終盤に主審の越山氏の下した判定が分水嶺となって試合は最終局面へ。
著者の金子氏が「この作品を書くためにライターになったのかもしれない」とおっしゃるだけに、最高に面白いです。さまざまに交錯する選手と審判の思いや、多くの伏線を当事者の人たちから拾い上げ、1冊の本に紡ぎだす著者の筆力とサッカーに対する愛情が感じられる1冊です。