紙の本
「あなたは私の夢」とすべての子供は言われたがっている。
2003/07/05 11:21
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みいしゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
北星学園余市高校と義家先生の事はテレビのドキュメンタリー番組で知りました。
テレビでは伝えきれなかった義家先生の半生と北星学園余市高校の先生軍団の取り組みの様子を書いた本です。
義家先生は複雑な家庭環境と強すぎる感受性から不良への道を歩み、ついには高校追放。
親からも見捨てられ児童相談所から里親の元へ身を寄せる事となる。
児童福祉の世界の重鎮の里親の元で自分を見つめ直し、「学校へ行きたい」と思い直し、全国で唯一中退者を中退した学年から受け入れている北星学園余市高校へ入学する。
この学校で義家先生の人生を大きく変える人と出会う。
正当化と問題のすり替えにだけ長けたズルイ大人の代表の先に生まれただけの「先生」でなく、教え導いてくれる師「教師」と呼べる安達俊子先生である。
高校中退者を受け入れるようになってまだ日が浅く、黎明期の北星学園余市高校ではトラブルが多発した。
さまざまな問題を汗まみれ、涙まみれになり、義家少年と級友は「約束の場所」卒業式へ一緒に立つ事が出来た。
大学で法律を勉強し弁護士という職業を得て、社会に挑戦状を叩きつける事を夢見て勉強と生活費の為のバイトに追われていた著者を思いがけない事故が襲う。
生死の境をさまよう著者の元へはるばる北海道から安達先生が駈け付け「死なないで、あなたは私の夢だから、死なないで…」涙を落としながら言った。
先生の言葉が義家先生を教師への道へ進む事を決心させる。
やがて母校の教壇に立つチャンスを手に入れ、麻薬汚染をはじめさまざまなトラブルと格闘しながらも、2003年3月ついに卒業生を送り出す喜びを手に入れる。
最後のホームルームで義家先生は卒業生に向かって言う。
「お前らは『俺の夢だ』。胸をはってしっかり生きていけ。」
毎年3月になると週刊誌の紙面を高校別・有名大学合格者数が賑わす。
今話題の「学力低下」問題を語る時に指針とされるのも「東大合格者数」の数字である。
北星学園余市高校のように中退者を受け入れ、社会へ送り出す手助けをしている学校が評価される事は少ない。
最近になってやっとフリーター増加が社会問題となりつつあるが、安易に中退させるのでは無く、真に社会で自立出きる人間に育てる教育にスポットライトが当たる事は少ない。
「東大合格者」だけでは社会は成り立たない。教育とは何かを改めて考えさせられた。
この本は、これから教師を目指す人・現役教師・すべての親御さんに読んでほしい本です。
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義家先生の自伝的小説。不良だった頃から、立ち直り、先生になるまでの話。学校での話はヤンキー母校に生きるの方に書かれていて、こちらは義家先生本人の物語という感じだ
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著者の少年時代の心の動きがとても良く書いてあります。息抜きの場所であるはずなのにホッとできない家庭、今の時代は多いと思います。感受性豊かな子供たちが犠牲になってしまっているようです。私もまだ小さいけど二児の母、よい家庭を作っていきたいなと思いました。義家先生、頑張ってください。
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ヤンキー母校へ帰るの主人公のお話ですね。
生い立ちは私と違う。昔悪かったから、悪さをする子供の気持ちがわかる。それはすごい強みだと思う。
そして、不良義家を義家先生へと向かわせた、先に生まれた“先生”ではなく本当の意味で“教師”ともよべる安達先生との出会いに感動。
義家先生にはなれないが、安達先生にはこれからの頑張りでなれる。
いつか、先生ではなく教師になりたい。
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教師を目指して最初に読んだ教育者の本がこれだった。
当時、生徒のことを思う先生の姿に感動したのを覚えています。
対生徒の人でいてほしかった…
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誰もが一度は耳にしたことがあろうヤンキー先生。この本を読んで、彼は決して話題性だけの人ではないと感じた。教育者が必ずもつべきもの、と同時に持ちづらいもの、である「熱意」が著者の教育の行い方からひしひしと伝わってくる。また、それを実行に移しているから説得力がある。忙しさの中に大切なものを忘れそうになったとき読み返したい一冊。
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小さい頃からすでに素直になりたいのにもうなれない自分がいる。
本人のプライドというのもあるが周囲の愛情が足りないというのが小さい頃なら大きい要素になっていると思う。
先生とのやりとりが印象に残る。
俺もこういうのあったなあ。。
先生を好きになれない時が。
反抗期の頃かな。
でも、ふとした時に二人きりになって本音で話している時が妙に恥ずかしいというか本当の姿を見られたというか・・・。
そんなこともあったなあ。
恰好つけなくていいんだ。(←昔の自分へ)
愛情を素直に受け、それを返すという、そのやりとりが人として幸せなときかもしれない。
雨、雨、風、風
吹き荒れてみろ
そんな時こそ 俺たちは
また強くなっていく
そう、こういう苦しい時に逃げずに
どんどん前に進むんだ。
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「ヤンキー母校に生きる」よりもこっちの方が良かった。
先生の内面吐露。稚拙な論理を繰り返しながらも、ずたずたに傷ついた心が癒されていくさまは教育の力に恐れ入る。
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ひとりひとりが夢だ。
素直に受け入れられるまで時間はかかっても、次にその言葉を伝えられるように努力したことが私には
伝わってきた。
自分が過ごした「不良」少年時代を言葉として印したのは勇気がいったように思った。
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義家先生自身の生い立ちを中心に、教師に成ってからの生徒達との関わりが書かれています。
先生の小さい頃の経験を読んで思った事。
それは無条件に誰かから愛されて育つというのが、その人の人生にどれだけ大きな影響を与えるかということです。
大人を疑って、ただ感情のままに暴走を繰り返し、親からも絶縁され、児童相談所を経てたどり着いた母校で恩師と出会い、人生が変わる。
そんなあらすじの中で語られる一つ一つのエピソードは、先生自身の痛いほどの思いと出来事が詰まっています。
誰かと真剣に関わる事の大切さが詰まった本です。
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私には不良はすごく怖いし苦手だけど、周りからみると不良で
私には友達の不良はすごく温かい子。優しいし、友達思いの
努力家だと思う。たぶん自分を表現するのが少し大きいだけなんだと
この本で感じた。大麻をするひとも、どんな人もみんな前を向いて歩いている人は出会いによって大きく人生が変わることを私は実感しています。
教師がとても嫌いな私ですが、高校時代の先生との出会いにより進学を
希望した。自分次第で変わる人生。自分ひとりではどうしようもなくなったら、どんな人とでも関わっていくことが大切だと思いました。
自分の殻に閉じこもっては行けないんだと思いました。
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義家さんの壮絶な少年時代が描かれており、不良少年の感じ方が少しわかったように思う。すごく共感できる内容だし、これからも義家さんを応援したい気持ちになった。
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北海道にある北星余市高校。全日制普通高校で唯一、不登校生や中退者を中退した学年から受け入れる学校として知られている。
いじめなど、居場所を失くした生徒達が集まってくる。教師の義家もかつて同じような状況にあった。
しかし、余市高校で初めて信じられる大人に出会うことができそこから義家の人生は変わった。
そんな、実体験があるからこそ義家は真正面から生徒と向き合いぶつかり合うことができるのだと思います。
義家先生のまっすぐな気持ちに感動です。
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義家弘介について知りたくて読書。
感想としてよく更生したなと思う。安達先生という恩師の出会いが大きいのだろう。北星学園余市高等学校という一般社会からは想像絶する環境の学校で長年教師を勤めた安達先生は素晴らしいと教師だと思う。元教師として、安達先生や著者には程遠かったが、自分なりに試行錯誤した日々を思い出す。
友人、親、先生の気持ちや痛みを考えることができる人間。一緒に笑えるか、泣ける人間であるか。そんな人間が一番強い。
私の恩師の言葉。
瀕死の重傷を負い大学を卒業した後に学習塾へ就職する著者。そのときの感想はまさに自分が学習塾での仕事を選んだとの同じ思いだった。
民間である学習塾や予備校の教師の武器は教える力である教務力と生徒と授業時間をマネジメントすると教室運営力である。
この2つが教師の価値を決定する。
私は学級崩壊の原因は生徒や家庭環境にも要因があるが、教師の力不足も大きな要因であると今でも持論を持っている。
読書後に著者の近況について調べてみると人が変わったなど批判されている内容も見つけることができる。現在は政治家となっているようであるが、立場が初心を忘れさせたり、変えることもあると思う。しかし、他人の痛みと悲しみを知っている人間はまた気づき、修正し初心へ立ち戻っていくのだと思う。著者のような教師が増えると日本の公教育も変わっていくのだと思う。
同時に著者の幼少期を読み、家族、家庭内教育は重要だと非常に強く感想を持った。
読書時間:約1時間20分
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2013年九冊目。
著者『義家弘介』氏を有名人にした一冊。
この本に書いてある一言一句、全てに共感した。
本気に悩み苦しみ生きてきた人の言葉には、重みと説得力がある。ハンパ無い!
通勤途中でも目頭が熱くなり困ったほど、私にジャストミート。
評価も五つ星にしておこう(^^) オススメ!