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仔羊の巣 みんなのレビュー

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みんなのレビュー65件

みんなの評価3.8

評価内訳

65 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「卵」に「巣」次はとうとう旅立ちですか坂木さん?

2003/08/24 00:39

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

僕こと坂木司がワトソン役、ひきこもりをしていて、料理が得意な鳥井真一が
探偵を務めるシリーズの「青空の卵」に続く第2作目。
僕は、本書冒頭で、外資系の保険会社に勤務している。鳥井真一の引きこもりは
相変わらずだが、前作で知り合った人達を訪問したり、されたりの日々が、
変化といえば変化。

最初このシリーズを目にした時、表紙の印象や、「青空」と「卵」、
「仔羊」と「巣」という、普通結びつかないものどうしを組み合わせた
タイトルから、ファンタジーの意味合いが強いのかと思った。
確かに、いい人ばかりが登場するこの物語世界は、一種のファンタジー
なのかもしれない。 各話のタイトルも、「不思議の国のアリス」「銀河鉄道の夜」
「サンタクロース」から採られている。
著者には、「引きこもり」が「殻を冠っている」ように見えるのか。では、
ある意志を持って事件を持ち込む司は、さしずめ巣にいろいろ持ち込む
母鳥という役どころか。

さて、解説で、はやみねかおるさんが「鳥井のぶっきらぼうな口調が気になる」と
書いている。しかし私は逆に、この言葉遣いの方が普通ではないかと思う。
なぜかと言うと、私もよく
「あんたは、たまにしゃべると、ぶっきらぼうだから、怒ってるみたいに聞こえる。
気をつけなさい。」
と言われるから。引きこもった経験もなく、会社勤めも長いが、
あまり人と積極的にしゃべる方ではない。そして、会話というのは、
いくらTVや本で読んでいても、やはり実際に話す経験を積まないと「これでいい」
という感覚が、なかなかつかめない。言ってしまった後で、
「ああ、こういう風に言えば良かったのだ。」
と思う事がしょっちゅうだ。
大人になると、なかなか周囲も 注意しなくなるので、自分が気をつけなければ
ならないが、それでもたまに相手の顔を見て
「あ、失敗した。」
と思う事が、今でもある。だからあまり人と接した事のない鳥井が、
丁寧な口調で話しかける設定の方が、かえって不自然に思える。

さて、本編は
僕の同僚、吉成から同期の佐久間恭子の様子が最近おかしい、と相談された
「野生のチェシャ・キャット」
週に一回、浅草に通うことになった2人が、地下鉄の駅で駅員から謎の少年について
相談を受ける
「銀河鉄道を待ちながら」
司が街で見知らぬ女の子から襲撃される事件と、
前作で知り合った少年と父親との確執が絡む 「カキの中のサンタクロース」
が収録されている。全てに共通するのは、引きこもりにも関係のある、
ディスコミュニケーション(コミュニケーションの反対)である。
いずれも、加害者達は、一声かければ解決したかも
しれない問題なのに、それをせず、いきなり行動に出る。最初のディスコミュニ
ケーションによる結果こそ、
「なぁんだ、そうだったのか。」と笑って済ませられるが、だんだん実害が出てくる。
「犯罪者達が、何を考えているのかわからない」という声かまびすしい、
まさに現在そのものの状況が、この物語にもある。
だからどんなにいい人が出てこようと、本書は決して、ファンタジーではない。

鳥井の負った傷が、なまなかでない事から、簡単ではない事は想像できる。しかし、
タイトルの移行から、彼の引きこもりが終わる日も、そう遠くはないように見える。
しかし、そうなった時は、この物語での鳥井の「現場に行き詳しく事情聴取をしなくても、
観察で物事を推理する」手法-いわゆる安楽椅子探偵のバリエーション-の特殊性が
消える事を意味する。
おそらくそうなった時、このシリーズは完結する。 けれど、その事が、
鳥井の幸せと、著者が新たな物語に取り組む事に繋がるのであれば、
読者はやはり、シリーズが終わる事への一抹の寂しさを感じながらも、
笑って送りだすべきなのだろう。
どんなエンディングにせよ、彼等が幸せならば、それで私は満足だ。

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紙の本

ひきこもり探偵

2018/09/21 09:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ひきこもり探偵が活躍を今回も見せてくれた。
坂木にしても鳥居にしても自力を応援したい。
やさしい物語だと思う。

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紙の本

薫り高い桃源郷小説、大満足。

2003/06/05 19:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『青空の卵』から一年。

本書収録の第一章「野生のチェシャ・キャット」で、謎が提示され解決編へ向かう頃には、はっきりと意識させられていました。

私は、こんなにも本書を待ち望んでいたんだと。

北村薫さんさんの「私シリーズ」や、
加納朋子さんさんの「ななつのこ」「魔法飛行」同様に、
私は坂木さんの三部作(青空の卵>>仔羊の巣>>次期長編(※))を
大事に思い続けるのでしょう。

もしかすると、「同時代」って意味では、坂木さんのシリーズがより深く残るかもしれません。

  ※ 三部作?>>bk1の『仔羊の巣』ページに掲載されている
    戸川さんのコメントから。

本書の魅力を上げれば切りがありません。例えば……

・ 予想していた展開を、
  もう一つ裏返して見せてくれる手際の良さ。

・ 「悪意」が存在してもそれは
  あくまでも一時的なもので、名探偵が謎を解き明かすと、
  悪人が居なくなってしまう世界観。

・ 使い捨てのキャラを使わないから、章を重ねるごとに
  彼らのその後をかいま見ることが出来て、味わいが増す部分。

  ……etc.etc.

もちろん、どんな名作であれ一冊全てと波長が合うなんて幸運は、そうそう体験できることではありませんから、気になる点が無い訳ではありません。例えば、ひきこもり探偵鳥井さんについて。彼が精神的に脆い部分を毎回描写する点には、少々抵抗がありました。

しかし、トータルで考えると、私にとって本書は「まさに今、これが読みたかった!」という存在なので、個人的な「2003年のベスト5」を選ぶとしたら迷わず挙げるでしょう。


良い人ばかりが集う心地の良い「巣」は、喜怒哀楽がぎゅっと詰まった、新しい桃源郷小説の形。本書を読み終えてこの物語を身近に感じる時、そんな「桃源郷」の香が日々の暮らしの中で、ひょっと顔を覗かせる気がします。

既に十分小説として魅力的だったデビュー作『青空の卵』よりも、更に洗練された本書。
良い作品は時間に洗われても魅力が風化することなんて無いですが、刊行されたばかりに読むのも、本好きには大きな喜びです。
読み逃す手はありません、「日常の謎」がお好きな方は特に!

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紙の本

内容紹介

2003/09/02 23:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:東京創元社編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る

僕、坂木司とひきこもりの友人、鳥井真一との間に訪れつつある変化の兆し。いつの日か、友が開かれた世界に向かって飛び立っていくのではないか、と悩む僕。ある日、会社の同僚から同期の女子社員の様子が最近おかしい、と相談されたり、浅草の木工教室に通うことになった僕たちが、地下鉄の駅で駅員から相談を受けたり、僕の身辺で奇妙な出来事が多発したり……と、名探偵・鳥井真一の出番は絶えない。気鋭の新人による第二作品集!

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2004/12/05 11:55

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2005/04/27 15:25

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2005/05/27 11:47

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2005/06/17 21:26

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2005/11/08 01:15

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2005/11/29 02:28

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2006/01/09 15:02

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2006/01/26 09:15

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2006/02/04 17:08

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2006/05/15 23:20

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2006/05/24 14:24

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