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紙の本
編集者コメント
2003/05/30 03:15
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投稿者:高尾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学校で6年生の担任をしていた友人から、子どもたちによる様々な出来事や、お母さんたちの様子など生々しい話を聞く機会があり、そこで軽い衝撃を受けたのが本書を企画した一番のきっかけです。
精神障害者の移送(拘束などはせず対面説得だけで患者さんを医療につなぐ仕事)をこれまでに700件以上も行ってきた著者によれば、現代の子どもたちのライフスタイルに決定的に欠けているモノがあるといいます。それは「食」「眠」「性」という3大欲求と、「家族愛」「友人愛」「異性愛」という3つの「愛」のバランスだそうです。
目の前に現れたトラブルのインパクトにばかり心をとらわれてアタフタせず、お母さんは“こうした成長の基盤となる諸条件がわが子にちゃんと満たされているかどうか”を考えてあげましょう、というのが本書の大きなテーマとなっています。
著者は心理学者でもなければ精神科医でもありません。しかし、そうした専門家にはわからない多くのモノをその目でイヤと言うほど見てきた人物です。それは一軒一軒異なる「家」の内部であり、異様な雰囲気を漂わせる「子ども部屋」であり、隠しきれない普段の親と子の関係性といったものです。
押川氏は、自分の目で見、言葉を交わし、心を通わせ合ったことの中からしか、自分の信じる結論は口にしない行動の人。本書に書かれている「70の処方箋」は、彼が日々の現場で流してきた血と汗の結晶なのです。
読み進まれる間には、ときに「大胆なことを言うな」と感じられる箇所もあるかと思います。しかし、そういう内容に限って心のどこかで不思議と「実際そうかもなぁ」と納得しているご自分を発見されることになるはずです。そうした説得力はどこから生まれてくるのか。それは押川氏が相談者であるお母さんたちの不安に、常に「具体的な答え」を出そうと真摯に心を砕いてきたからこそなのです。
本当に子どものことを考えて対処する「答え」とは、必ずしも綺麗事ではすまなかったりするのですね。そのあたりのことは、私などよりお母さん方のほうがよっぽどわかっていらっしゃるに違いありません。
ひとりでも多くのお母さんたちに本書をご一読いただき、ぜひご感想やご意見を頂戴したいと思っております。どうかよろしくご愛顧ください。
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