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高校の卒業式前夜、須賀は憧れていた友人の一堂に呼び出されて、突然の告白を受ける。
戸惑いながらも、「もっとゆっくり考えさせてくれるなら……」と一堂の特別になれることを喜んで彼を受け入れた。
それから、数ヶ月。
ゆっくり須賀のペースで勧められた恋愛で、二人でキスをして、慰めあうところまでは進んだけれど、「男同士だから身体を繋げることのできない」という一堂の言葉を素直に信じた須賀は、一堂が女の子を抱くのを黙認していた。
ところが、ある日友人に見せられたビデオから、男同士でも身体を繋げられることを知って……という感じでした。
当初、読み始めた時は、須賀に好き、と言いながら女の子を抱く一堂を「酷い男」って思ったんですけど、読み進めていくうちに、そうじゃないんだなー……っていうことは、理解できました。
須賀が大事すぎて手、出せないんだ。
でも、須賀だって年頃の男の子だから、「できる」と知れば積極的に動くし、独占欲だって持ってるんだもんね。
むしろ、根が真面目な分だけ、須賀の方が思い込んだら一直線かもしれません。
作者さんが後書きで書いてましたけど、人に「こういうことしたら喜ぶ」って言われたら、それを何のためらいもなく実行しそうだし、暴走したら一堂が望まないことまでやりだしそうですよね。
しかも「ちゃんと言葉にしてくれなきゃわからない」っていうだけの強さも持ち合わせてるから、最終的には一堂の方が尻にしかれてそうですよね……。
真面目で真っ直ぐで素直な人間ほど、思い込んだら一途だと思うので、そういう意味では扱いが大変……。
あっ、ちょっと話がずれましたが。
そんな素直な須賀を一堂が大事にしすぎて、でも大事にされながらも須賀がゆっくり成長して、二人の恋を育てていく話、でした。
ゆっくりゆったりなので、激しいアップダウンを望む人には物足りないところもあるかと思いますが、こういうゆっくり進む恋愛も、いいものだ、と思いました。