紙の本
その手に触れたなら
2003/10/20 00:00
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菖蒲 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本自体は春夏秋冬になぞらえて、4作品で構成されている。
ここでは、あえて夏の物語であり、タイトルにもなっている「蛍火の社」について述べていきたい。
主人公である蛍は幼いころに山神の森で迷ってしまう。
その時に蛍を助けてくれたのは、ギンという少年だった。
少年は、人間でもなく妖怪でもなかった。
しかし、ギンには触れることができなかった。彼もまた、蛍には触れなかった。触れれば、たちまちにギンは消えてしまうのだ。
それでも、蛍は彼に惹かれ、彼も蛍に惹かれていく。
そうして、年に一回の逢瀬を何度数えたことだろう。
幼かった蛍は中学生、そして高校生になっていた。
二人で出かけた祭りで、その時を迎えた。
ふとした瞬間に、彼は人間に触れてしまう。
彼は、消えてなくなった。しかし、最後に蛍とギンは何とも言えぬ嬉しさで
抱き合った。温かい、そして初めての抱擁。
そのあと、蛍に訪れる何ともいえない切なさには胸が打たれるものがあった。
これが最初で最後の触れ合いだった。
切ない恋が似合う夏。終われば一歩大人になった自分がいる気がする。
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愛する人に触れたいという素朴な、そして切ないまでにあつい想いを、見事に昇華した表題作。近年で最も涙した物語でした。
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この人の本全てに言えることなんですが凄く不思議な世界に迷い込んだような感覚で読めます。
蛍火の杜へ、は本当に最後は号泣せずにはいられませんでした。周りの貸した友達は全員泣いたそうです。泣ける話がいいとは限らなくとも、この話はとにかくいい話だと思う。
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短編集で、季節ごとのお話が収録されています。
私的には、題名にもなってる「蛍火の杜へ」がせつなくてたまりませんでした。その他収録作品も負けずに面白いです!
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緑川ゆきさん短編集二冊目。私が緑川さんの作品に出会った思い出の一冊です。
四季が感じられる4作品が収録されているのですが、やっぱり私は夏の「蛍火の杜へ」が一番好きかなと。ギンの、人間か妖怪かの微妙な感じの顔が凄く好みです。切ないんだけれどシアワセ。シアワセなんだけれど淋しい。ギンと抱き合った時の主人公(女の子)の表情が凄く印象的でした。
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緑川ゆき短編集(?)
多分この本が一番人気だと思います。
「切なさ」「暖かさ」という言葉を
漫画に表現できる御方だと思います。
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緑川ゆきの傑作短編集。
涙が止まらない、表題作と、兄妹の微妙な心の距離を描いた「ひび、深く」が白眉。
夏の影の濃さと、冬の白さがうまい作家です。
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春夏秋冬、それぞれの季節を舞台にした短編が4本。やっぱり緑川ゆきは短編が素晴らしい。表題作「蛍火の杜へ」は一度は読むべき。
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緑川ゆきさんの作品は、どれも優しくて哀しい。別れのシーンの表現がとても美しい。
絵自体に魅力はあまり感じないかもしれませんが、お話がそれを補うに余りある内容です。光の表現の仕方もとても柔らかで綺麗。
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緑川先生の短編集。
中でも私は表題作が一番好きです。
終わりのモノローグからタイトルを読むと何故だか涙がでました。
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会いたくて、触れたくて、思いを伝えたくて、願いが叶うことがこんなにも切ないなんて。貪欲に願うこと、純粋に想うことが辛く悲しいけれど、とても心救われる。
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短編集です。春夏秋冬をかたどった4作がまとめられています。表題作の「蛍火の杜へ」がイチオシです。思わず切なさに涙が出ます。
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短編集
恋愛漫画でこんなに泣けるストーリーはないと思った。
友達の影響で購入。
せつない、胸が痛むようなお話なのに、
どこかほっとする。
出逢えてよかったと思う作品です。
表題作がおすすめ。
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短編を集めたものです。
表題にもなっている『蛍火の杜へ』が一番好き。
最後のギンの台詞が印象深かった。
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短編集。特に表題作の「蛍火の杜へ」にはぼろぼろと泣かされた。ラストの蛍の前向きな台詞が胸に痛い。