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紙の本
ユートピア好きのマゾヒストが夢見る女王様……そこまで言うかい!?
2003/07/21 02:29
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投稿者:成瀬 洋一郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ出版社から似た装幀で『図説海賊大全』という本も出ていますが、作者も違うまったく別の本です。この『図説海賊大全』の中で、わずかながら女性の海賊も現実にいたということが数人の例と共に紹介してありましたが、こちらはその女海賊にテーマを絞っているのが特徴です。それも単に「女海賊がどういう活躍をしたか」紹介するだけではなく、物語として語られる虚像と現実を対比し、その虚像が生まれた原因や現実の女海賊について、社会と女性の関係という視点から分析しているのです。ここらあたりは作者がもともと社会主義フェミニストの作家ということですから、言われてみれば当然のアプローチです。
図版については「図説」とタイトルにも冠している『図説海賊大全』と比べるとかなり寂しく、カラー図版はまったくありませんが、テレビ番組や映画のスチールを使っているのはちょっと珍しいですね。
それから中国の女海賊ライ・チョイ・サンにも1章が割かれています。この海賊のエピソードは昔、リリアスの『南シナ海の彩帆隊』という本で目にしていたのですが、海賊の女王とまで言われながら他の本ではライ・チョイ・サンに触れたものが見つからず、いったいぜんたいどういうものかと疑問に思っていたのです。ところがこの本のモトネタも同じ本だったらしく、スタンリーの解釈はリリアスがウソを書いているか騙されたかというもののようです。新たなエピソードもなく、一瞬期待しただけに、ちょっと残念。
さらにライ・チョイ・サンについて気になった点をもう1つ。『女海賊大全』の記事ではライ・チョイ・サンに「黎財山」という字を当てていますが、昭和38年発行の『南シナ海の彩帆隊』では「頼翠山」となっています。たぶん、原文は英語ですから名前の音と「“宝の山”という意味」という文章から推測したのでしょうが、どちらが正しいのか、どちらも間違っているのか、他に資料がないので調べることもできません。漢字を使わない国の言葉で書かれた漢字名前の翻訳って難しいんですね。
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