紙の本
自分にとって大切なものは何?
2003/06/30 11:58
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投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
思ったより写真が小さい。
ぱらぱらとめくったときの第一印象。
森博嗣のHPでガレージができていく様子を見ていたので、中身もそれとあまり変わらないのだろうと思っていた。だから、写真が小さいことが不満だった。
2001年に森博嗣は家を買う。庭付き、築20年以上の木造の日本家屋だ。似合わない。それまで住んでいた家は自分で設計したそうだ。だから、今度も自分で設計し、木造ではなく、鉄筋コンクリート造の家に住むのだろうと想像したのに。
住んでみるといい感じだったそうだ。
そりゃそうでしょうとも。木造ってのは、機能的な家なんですもの。
たまたま今回購入した家が特別素敵な家だったとも言えるが。
家が古いことを除いて、森博嗣はその家に満足する。家の回りにはデッキがあり、庭とデッキに線路を走らせようと考える。そもそもそれが目的だったのだ。
ただ問題は、ガレージがないこと。
車を数台所有し、また大切にする森博嗣にとって、ガレージは必要不可欠なもの。しかも、車庫ではない“ガレージ”。書斎であったり、工房であったり、趣味の部屋であったり、そんな何もかもを含めた“ガレージ”を作ることになる。
そもそも“アンチ・ハウス”とはなんなのか。
今の建築業界の定説から逆行するもの、だと理解した。
建築のことをよく知る森博嗣だからこその提示。
だからといって、これを読んで、自分の思い通りの家を建てることができるかといえば、そうとは限らない。
「アンチ・ハウス」は、森博嗣が自宅ガレージを建築士・阿竹克人に依頼するメールから始まる。『こんなものをつくりたいのですが』『いいですね、やりましょう』そんな簡単な雰囲気で始まる。
やりとりはほぼメール。ときには意見の行き違いや、建設における申請でのトラブルなど、事件が起こる。そこには両氏の性格が顕著に現れていたりして面白い。
一番印象に残ったのは、予算にまつわるトラブルのところ。
森博嗣は、何にお金を払うのか。その本当のところが分かったとき、目から鱗が落ちる。
金額の問題ではない。何にいくら払うのか、そこが問題になるのである。
日々、いい加減に適当に生きているような気がする。それが“良い加減”で“最適”であればいいのだが。
自分の行動にはすべて、意味があるのか。目的を持って行動しているか。そんなことまで考えさせられるのである。
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四次元の話がすごい面白くて思わずこれを読んでから四次元についての本を読んでしまったほどです。建築家ってこんなことするのかぁと思いました。
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風致地区ということで、ガレージの入り口に2・5mの木を一本立てるかどうかという行政とのやりとりは圧巻。「論争するときは相手に逃げ場を少し残した論法が賢い」とはよく言われることで、最近そうかなあ・・・と考えることもあったが、作者の行政に送った文書を見ると、徹底的に理詰めで戦うというのもありかな、と思った。ただ、阿竹さんの「西園寺萌絵に『先生、大人気ないですよ』といわれてしまいますよ」という指摘が一番真っ当だと思いますが。まあ、いろんな考え、立場の人がいることによって、世の中成り立っているのだなあ、と改めて考えさせられました。
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ほとんどが建築家の阿竹氏とのメールのやりとり。なるほど、建物を建てるってこういうことなんだな。面白い。
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内容のほとんどがメールのやりとり。
あのガレージはこうしてできたのか。建築ってやっぱりいろいろと大変なんだなぁ。
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[ ガレージ設計依頼から、竣工までをレポート ]
森博嗣ファンならおなじみだった、
著者の長年の夢であった
ガレージの製作日記のようなものです。
ガレージ設計依頼から、竣工までをレポートしています。
設計者の阿竹氏と施工主の森氏の
往復書簡ならぬ往復メールのやりとりが
中心になっており、「ものづくり」の過程の面白さを伝える1冊。
読了日:2005.12.09
分 類:エッセイ
ページ:310P
値 段:2800円
発行日:2003年6月発行
出版社:中央公論新社
評 定:★★★+
●作品データ●
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テーマ :ガレージ設計・建築
語り口 :メール中心
ジャンル:エッセイ
対 象 :一般向け
雰囲気 :参考書ではなく、よみもの
カバー写真 :田中 昌彦
装丁・本文デザイン:松田 行正+中村 晋平
DTP:ハンズ・ミケ
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●菜の花の独断と偏見による評定●
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文 章 :★★★
描 写 :★★★
展 開 :★★
独自性 :★★★★★
読後感 :★★★★
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--【100字紹介】-----------------
長年の夢「ガレージ建設」に向けて動き始めた作家・森博嗣。
設計を大学の先輩・阿竹氏に依頼した。
2人のメール交換を軸に、サイト公開された
写真豊富なレポートを交えつつ、
工作室兼ガレージ建設を物語風構成で描く
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ガレージ建設の夢、というのは、森博嗣氏の日記本(およびサイト公開されている日記)を読まれた方なら周知の事実でしょうか。ただし、森博嗣氏のガレージとは、単なる車庫にはとどまりません。工作が出来て、鉄道模型が走らせられて、コレクションを飾ることも出来る、趣味の空間であります。この場合の工作は勿論、フライス盤(大きな刃が回って固定されたものを切る)だの旋盤(物が回って固定された刃に切られる)だのボール盤(ドリルが上下してものに穴をあける)だのの大きな工作機械を使う金工ですよ!(木工もするかもしれませんが)
本作は時系列に沿って話が進み、エッセイというよりは「物語」という体裁に近くなっています。始まりは森博嗣氏から阿竹氏への1通の依頼メールから。仕事を引き受けた阿竹氏とのメールのやり取りが続きます。ときどき、場面場面の解説や今、振り返って、という文章が挿入され、それぞれの補足説明になっています。加えて、サイトに公開されていた「ガレージ製作部レポート」が間に挟まります。フルカラーで、写真が沢山載っていて、目にも楽しいレポートです。メールは裏舞台、そしてネットで衆目の目にさらされる表舞台が「ガレージ製作部レポート」というわけですね。
淡々と進むかと思いきや、色々とトラブルが発生して、計画が頓挫しかけたり、工事が遅れたり。基本的には本作は、ガレージ建設がテーマなわけですがまえがきで著者自身が述べているように「一般的なことなど、何も書かれていない」のです。以下、同じくまえがきからの抜粋。
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はっきりいって、他人が読んで、具体的に役に立つ話は
ないだろう、と思う。今からガレージや工作室を作ろうと
している人が本書を読んでも、参考になる点は少ない。
データ的な数字はないし、プランがいろいろ出てくるわけでもない。
…(本文より)
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まったくその通りであって、建築レポートと言っても、ここから建築のノウハウを読み取るべき「参考書」ではなくよみものとして楽しむための本です。ノリとしては日記本、かも。ちょっとばかりテーマが絞られている、というだけの。
エンターテイメントとして供されている、という解釈が正しいかと思います。
本当にものを作る過程の面白さを伝える1冊です。
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森邸のガレージが出来るまでのレポート+メール。
こういう本は中々、貴重。役に立つかどうかは置いといて……。
「まず、基本的に反発しよう。それが近道だ」
―2009/01/31― 借
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森さんのガレージ作りの実況。構想から完成まで。
持ち主と建築家のやり取りメールがメインに載って話が進められていく。
持ち主(森さん)も建築の人だから普通に建築語が飛び交い、そこにジョークを込めたやり取りは同じ畑同士の人ではよく見られるもの。
だけど、いくら注釈があっても、それを読むこちらとしては笑いのツボについていけない・・・。
まぁ、それだけじゃないけど、あまり感心するところもなく、これも流し読み。
建築の人、或いは森さんのファンなら面白く読めるかもしれない。
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前半は森先生の理想がいっぱい出てて楽しい。阿竹さんの多次元構造論は全くついて行けないけど、そこがまた好い。
中盤以降、市役所や見積もり関係で揉めてるあたりは、『「先生、大人気ないです。」とキッパリ西野園萌絵に言われそうです。』(阿竹)
よくも悪くも、これだけ拘ると楽しいだろうなぁ。
私も2000万円自由になる金があったらやってみたいです。
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建築家とのメールのやり取りと写真付の施工(工事)レポート。
森氏が建築学科の教授ということもあり、ところどころ専門用語が出てきて、しらない人には難しいかも。
基礎と柱の工事は建築学科の学生という身分でありながら、頭に「?」が浮かびまくり。
風致地区や景観などの問題にも一石を投じていて、どう考えても森氏に一理ある。行政はどうにかするべきだな。
条例を守るよりも、条例の目的を達成できるように配慮してもらいたいものです。
というか、森氏はいつ寝てるんだろうっていうぐらい、多趣味だ。
大学教授兼作家っていうだけでおどろきなのに...
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人気ミステリー作家が自分の趣味のための書斎兼ガレージ?を建てるまでのやりとりを写真を交えて本にしたもの。
建築家とのメールのやりとりがおもしろかった。
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森宅にガレージを作る。依頼メールをはじめやりとり、完成まで。
出来ていくのが楽しい。
専門家がからむとこうなるのか…
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