紙の本
ジャーナリズム精神を発揮せよ
2003/11/19 18:50
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投稿者:未来自由 - この投稿者のレビュー一覧を見る
久々に熱いメッセージが届いた。ジャーナリズム精神を発揮せよ、という著者の熱い思いが伝わってくる論評になっている。
新聞は、権力の監視、批判精神を忘れてはならない、と著者は力説する。戦前・戦中の反省を忘れてはならないと警告する。すべての主張に同意するものではないが、権力を監視すべき、戦争に反対すべし、の主張には賛同する。
平和と人権を守るのが最大の使命とする著者の主張には誰もが賛同するのではないだろうか。著者自身の経験に基づきながら、権力の横暴・不正を暴いたジャーナリスト精神の多くのエピソードは教訓的である。その経験の上に積み上げられた思想には重みがある。
「空から爆弾とともに降ってくる正義」など無いと断定する言葉は説得力がある。まさに、そのとおりだ。アメリカのイラク戦争の悲劇は未だに続いている。無辜の人々が何人死んだのか。けっして忘れてはならない現実だ。
戦争に反対するのはイデオロギーではない。犠牲になる人々のことを考えれば明らかだ。
著者は、今日の憲法改正論議にも視点をすえながら、貴重な提言をしている。そして、その根底にある思想は、人類が引き起こした戦争と人権抑圧の歴史に立脚している。この視点は大事である。
一読する価値がある。
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新聞業界の事情が元新聞記者という視線から書かれている。これからジャーナリズムとして新聞はどのように変わっていくべきなのか、記者たちはそれに向けてどうあるべきなのか、マスコミ関係に興味がある人は読んで損はないです。
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とにかくレポートを書くのに役立った一冊。結構新しい本なので、現在の新聞が抱える問題や、マスコミ全体のことが見えてくる、とってもわかりやすく、読みやすかったです。
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新聞記者とは英語で「ジャーナリスト」ではなく、「スタッフライター」なんです。何のことはない雇われ文屋、サラリーマンです。
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新聞記者の仕事内容。また新聞記者はこうあるべきではないかと言う提案も。参考になるところもあれば、微妙なところも。
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面白くて、比較的好スピードでさくさく読んでいたんだけれど、筆者も最後に指摘しているように、すごく古い時代の新聞論なのかもしれないなぁ、と。筆者が言っているような新聞は今の世論に受け入れられないのだろうか、それとも逆に世論が新聞をそうしてしまったのかわからないけれど、その点で違和感があったなぁ。一つ一つの事例が具体的で文章はちゃんとしていた!という感想を持ちました、
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地元図書館より。
ジャーナリズムとは何かについて焦点が当たっていた。
ネット時代における新聞の役割、報道の自由とは、新聞の、他のメディアとは違うところはどこか、放送業界を志す以上は素通りできない内容が、盛り込まれていた。
特に最後の章は、じっくりと読むといい。
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権力の監視という、新聞に課せられた最大の役割にたいし、終戦以降の新聞がどう向き合ってきたかを、みずからの体験を軸に追っていくことで、現代日本のジャーナリズムを批判するという本書の目的を、うまくはたしていると思う。構成や文体からは、さすが元新聞記者というだけあって、余裕が感じられた。
ただし、印象として、筆者がかつて在籍していた朝日新聞をやや持ち上げすぎ、擁護しているという感があった。というよりも、みずからが現役時代にかかわった報道や記者を、やたらと賛美しているのがどうも鼻についてしまう。たしかにその報道は素晴らしいものであったのだろうし、著者自身が身近にふれていた事例を取り上げることで、論調に説得力をもたせたいというのはわかるが、それがかえって、他社の称えるべき報道や記者にたいする薄い記述と対比されて、いっそう自慢話のように感じられるきらいがあった。
さらに視界を広げて見れば、かつて新聞が輝いていた時代を経験しているだけに、なのか、そもそも著者が新聞にたいして寄せている期待が過大なのではないか、とも感じられる。「あとがき」で述べているとおり、著者の新聞論は古典的といえばそうなのだが、それはもとより、マスメディアのなかで新聞だけが輝きを取り戻すというような状況が、もはや想定しづらくなっているように思えてならないのだが。
まあとはいえ、ジャーナリズムにたいする批判という全体の主旨にたいしては、おおむね賛成。過去の大きなスクープなんかもさらえるから、それをよく知らないという人にとっても買って損する本ではないかな。
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[ 内容 ]
新聞がもっとも輝いていた時代。
それは戦争に対する切ないほどの反省の上に立った新聞ジャーナリズムが、日本の再生に向けて真摯な言論活動を行なっていたころだった。
いま、その時代の熱気はどこへいってしまったのか。
新聞記者として、長く第一線で活躍してきた著者が、熱い時代の自身を語りつつ、変質していく新聞への厳しい批判を展開する。
新聞史上に残るスクープや調査報道が、なぜ最近見られなくなったのか。
新聞の再生には何が必要なのか。
著者渾身の新聞ジャーナリズム論。
[ 目次 ]
序章 新聞の危機
第1章 新聞の輝き
第2章 テレビと新聞
第3章 新聞の弱点
第4章 新聞と調査報道
第5章 新聞の落とし穴
第6章 読売・朝日の憲法対決
第7章 新聞復権への道
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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新聞は本来権力に対する監視機関として生まれてきた。だがその新聞の役割が変わりつつあるように思える。今の新聞は権力に迎合しており、そこにはかつての批判精神が見られないしその情報には偏りが見られる。現代はテレビ、インターネットの時代であり僕たちは無料で多くの情報を手に入れることができる。本来の役割を忘れただ情報を垂れ流すだけだったら新聞はいらない。なんで無料で手に入れることができる情報を買うのに我々がお金を払うのか。それはやはり新聞を読むことによってほかのメディアとは違う視点から物事を見れるからだと思う。そういったいみでこれからの新聞業界は国家権力から独立をしてそれと戦いもっと独自の強みを生かす(ほかのメディアには無い取材力や情報の正確性)メディアであってほしいと思う。
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記者の現場の視点が生きていて割と面白かった。
新聞記事もそうだけど、例えば「~は少なくない」とかいう否定の否定みたいな曖昧な表現が気になる。あと「~という気がしてならない」という主観も(これは記事では見かけないけど)。新聞記者だって人だから主観は当然あるんだけど、とはいえデータで示したり調査したりで、もっとできることあるでしょうと思う記述もある。
あまり目新しい主張がなかったんだけども、まあ10年前の著作なのでな。逆にこの時から10年経ってジャーナリズムはどれだけ変わったんだろう。
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題名が誤解を招く。現場の話はあまりなく、新聞ジャーナリズムの歴史を追う本。
ロッキード事件、リクルート事件、西山事件、サンゴ捏造…日本新聞報道史における大事件をコンパクトにまとめ、記者クラブ、テレビ系列化といった問題も一通り取り上げている。よくまとまっていて便利だ。
著者の問題意識は、「新聞論調の二極分化」、それに伴う権力批判の衰え、「平和と人権を守る」という新聞の使命の弱体化にある。
興味深いのは、本書で書かれたことは10年経ってさらに古びたということだ。「新聞の役目は権力批判」以前に、「国民の監視の目がないと、国家権力は平気で人権を侵す」という認識も到底共通のものではない。「政府が右といったものを…」というNHK会長の発言も、10年前ならまだ批判されただろう。
第七章の提言…戦争に反対しよう、権力監視を強めよう、テレビ系列化をやめよう、特ダネを増やそう、スター記者を育てよう、常に過去の報道を検証しよう…
いくつ達成された?朝日新聞は検証しようとしてコケた。変わるなら今しかない。10年後、同じ提言が繰り返されてももう直せないだろう…
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タイトル通りの新書。朝日新聞論説委員である。
2003年と少し古く例の朝日誤報の前の本となる。
内容は、ジャーナリズム学界隈では周知のことである。topic、西山事件・KY事件・リクルート事件etc俯瞰してみるにはちょうどいい。
当新書の存在意義は、七章の新聞復権への道である。
すでに始まったものや、理想論かもしれないが、うまくまとめられている。
ただ、戦前の日本=北朝鮮はいただけない。
=中国のほうが卑近と感じる。