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紙の本
「ヒナコウモリ」という、日本でもめずらしい、絶滅が心配されている貴重な種類のコウモリをまもるために、コウモリの引越し作戦がはじまった!
2004/02/16 18:28
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投稿者:わくわくどきどき - この投稿者のレビュー一覧を見る
「コウモリ先生」と呼ばれる高校教師の向山さんに出会って、コウモリの話をきいた著者はこのままだとコウモリがどんどんいなくなってしまう、コウモリに起きている大変なことを伝えようと思って本にしました。淡々と、向山さんの少年時代から語られ、子どもたちがコウモリ先生の人柄といろいろな生き物にかかわる生き方に親しみをもつように、わかりやすく具体例をあげて書かれているのがとても良いと思いました。
少年時代の向山さんはいろいろな生きものをとり、野山で鳥や虫を追いかけることが多かく、中学生になると、ロケットづくりに熱中しました。奨学金制度がスタートして、思わぬことに大学に進学することが出来、卒業して青森県の高校で生物を教えることになりました。自然科学部の顧問を引き受け、いろいろな生き物について調査し、豊かな自然を観察しその活動を記録し続けました。そのうち冬の活動を活発にしたいということから、はじめたのが、コウモリとの出会いであったといいいます。
青森県内のコウモリを専門に研究する人はいないので、コウモリの調査を頼まれる機会も増えてきた、その頃、ヒナコウモリという絶滅危惧種の珍しいコウモリの大群が、青森県のとある神社に住みつき糞で汚すので、困っているという住民から、相談をもちかけられたのです。そこで向山さんは、人間とコウモリとの共生をめざし、神社の横に新しく専用の小屋をたてて、引越しさせることを提案しました。試行錯誤しながらのコウモリの引越し作戦やその後のコウモリの為にやっている向山さんの活動を通して、コウモリとはどんな生き物なのか、今、コウモリの世界に何が起きているのかが、読み手に伝わってきます。そしてコウモリの為にできることは・・・と考えさせられます。
この本を読むと、コウモリが身近な生き物であること、鳥も獣も、害虫だって、自然は人間にはわからない複雑なしくみが絡みあって成り立っていることが伝わってきます。コウモリの生態や情報を伝える解説ノートもわかりやすく、巻末には、バットウォッチングの案内やバットボックス(巣箱)の作り方もあって、自分の住んでいる町に、どんなコウモリがいるのか観察してみたくなります。著者は、『カブトエビの寒い夏』などで、身近な生き物を素材にした作品も描いています。
★★★★★
(わくわくどきどき/図書館の学校・児童書選書委員会)
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