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霊長類にとって、親指が太いのはデフォルトではない。ましてや親指が退化してほとんどなくなっている猿さえいる。そのなかで人の親指はなぜ太くなったのだろうか?
/まるで推理小説のような展開を辿り、謎が解けていく様は圧巻。面白かった。
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各動物の手を見るだけでも本書の価値はあります。自然環境・行動様式によって、こんなに変わっていくのかと驚かされます。
ただ、全体的に退屈になりやすいので、メモを取りながら、時間をかけて読むことをお勧めします。
第7章から見ても問題ありません。
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なるほどね。
力を抜いた時、手がこの形になるのは、そうゆう訳。
奥歯が平たいのは、そうゆう訳。
そ~ゆ~所から推測していくんだぁって、単純に面白かった。
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[ 内容 ]
一本だけ離れて生えている太くて短い親指、ガラスさえ噛み砕くほど堅い歯。
人類の手と口は、他の霊長類に例のない特異なものである。
霊長類の調査を長年続けてきた著者は、サルの口と手の形、移動方法は、その主食によって決定されることを解明し、「口と手連合仮説」と名づけた。
なぜアイアイの中指は細長いのか、なぜチンパンジーは拳固で歩くのか、そして人類は何を食べ、なぜ立ちあがったのか。
スリリングな知の冒険が始まる。
[ 目次 ]
第1章 アイアイに会うために
第2章 レムール類の特別な形と主食のバラエティー
第3章 アフリカの原猿類の特別な形と主食
第4章 ニホンザルのほお袋と繊細な指先
第5章 ナックル・ウォーキングの謎
第6章 ゴリラとオランウータンの謎
第7章 初期人類の主食は何か?
第8章 直立二足歩行の起原
終章 石を握る。そして、歩き出す
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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人間の犬歯がなぜ小さくなったかのか。手を使うようになって威嚇する必要がなくなったから。っていう話はおもしろかった
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■糖質制限をするにあたって,人間の歴史のほとんどが肉食であったのかを知りたくて本書を読みました。
その目的を達するには,最後の二章だけで十分だったかもしれない。
端的に結論をば…。
■ボーン・ハンティング(骨猟)をする類人猿は両手に道具(石)と食物(骨)をもって立ち上がる。そして,歩き出す(直立二足歩行)。
■人類の特徴的な手の形は、骨を口に入れ、その歯ですり潰す前に、道具(石)をもって砕かなくてはならなかったこと、そのためにしっかり握りしめることが必要になったことを示している。
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口と手の形は、その主食の種類によって決められる。「口と手連合仮説」
初期人類に当てはめると、その主食は骨、ボーンハンティングに行き着いた。肉食獣が食べ残した骨を主食とした。骨を砕くために石を使った。石を握って振り下ろすためにはしっかりと握れる太い親指が必要。
手に石を持ち、移動するには立って2足歩行するのが最適。
骨を噛んですり潰すためにエナメル質の多い歯になった。
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本書では、まずアイアイの手の形状のユニークさと、その食性の特殊性を結び付けるところから始まる。そしてこのリンケージは歯の形状とも強い結びつきがあることを説明し、食性(本書ではニッチと呼ぶ)は、手と歯の連動的進化を決定するという仮定を立てる。 その後、その他の類人猿、例えばチンパンジーや、ゴリラ、オランウータンなどに対し、この仮定が当てはまることを証明していく。 さらにここから議論は発展し、直立2足歩行という、一見、生存競争での不利な条件をたくさん抱えた機能を、なぜ人類が獲得したのかという問いに対する仮説を作り上げる。 これの仮説では、初期人類はサバンナの大地に転々とする野生動物の骨を主食として食った。荒唐無稽な説のように見えるが、彼の論理展開には説得力があり、なかなか面白い。少なくとも水生サル説よりは、支持できる。
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人の親指が太いのは、初期人類は石を使って骨(骨髄)を食べるボーン・ハンターというニッチを選んだために、石を握るための太い親指が必要だったためである。本書の結論はいってしまえばそれだけである。しかし、この結論を導くために、一見冗長のように思えるマダガスカル島の霊長類やオランウータンやゴリラのナックルウォークに関する手口連合説の考察を積み上げた結果、初期人類の生態を矛盾なく説明できるのがボーン・ハンターであるという結論を導いたところに筆者の執念のようなものを感じた。
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推理小説の趣がある。生きる姿勢で私が一番大切だと考えるのは「問う」ことである。学ぶ行為の奥に問うという自主性が働いている。島泰三の問いは単純にして深い。同じ霊長類でも手の形は実に様々だ。
https://sessendo.blogspot.com/2020/02/blog-post_12.html
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池澤夏樹さんが書評で紹介された本の内、読んでみようと思った本を数冊、図書館で借りて読んでいます。池澤さんはとても面白いと評されているんですが、ことごとく専門的で、私には難しすぎますw。この本、島泰三 著「親指はなぜ太いのか」(2003.8)もそうです。まぁ、中公新書ですから専門的ですよねw。この本の論旨は2つだと思います。①主食が手と歯の形を決定する ②石を握る。そして歩きだす(道具をもった類人猿は立ち上がる)。直立二足歩行の起源に思いを寄せながら、「立つ」「歩く」「握る」「噛む」「話す」を大事にしてます
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主食が霊長類の手と口の形を決める
その仮説を、世界の色々な猿で検証していきます
そうして思い浮かぶ1つの疑問、「じゃあ人類は?」
著者の結論は衝撃です。そんなものが主食だったとはとても信じられません。
もしホントなら、世界中で1民族くらいそういう風習が残ってるような気もします。
それとも、忘れ去りたい、そして忘れ去った黒歴史なのか?
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サルの口と手の形、移動方法はその主食によって決定されるという「口と手連合仮説」をベースに、初期人類の主食を考え、直立二足歩行に至った理由を考える。
序盤のマダガスカルのサルの話は聞きなれない話で想像しづらく退屈だったけど、中盤以降が面白い。
自然科学、生物学、人類学の面白さがわかる。