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みんなのレビュー795件

みんなの評価4.2

評価内訳

757 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

過去の非共有からくる浅い関係

2004/05/30 06:12

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:13オミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 喫茶店でこの本を読んでいて、たまたまある曲が流れてきた。宇多田ヒカルの「誰かの願いが叶うころ」だった。曲調・歌詞が本書の内容・雰囲気にピタリと来て落涙しそうになり急いで店を出た。

 心に残る本というのは「ひっかかり」がある本だと思う。私にとってのひっかかりとは、登場人物が現実を受け入れることの出来ない心をもち、それに抗うために行動し発言することだ。そうした言動が私の心に烙印を押し永遠に記憶を残す。悲劇とも言う。博士はどうしたわけか自分の現実を受け入れてしまっているように家政婦とその子には振舞う。完読して自分に聞いてみると、本書は永遠性を私の心に刻み込まなかったと言った。家政婦とその子ルートの思い出が博士の心に刻みこまれないのと一緒だ。

 殺人事件の原因は過去にある。生い立ちというものにその原因をもってくる小説は多い。過去に縛られる人間の性といってもいい。しかし、博士と家政婦とその子ルートは過去を共有できない。博士の新しい記憶は80分しか持たないから。確かに数学の定理や阪神タイガースの江夏は過去として共有が可能だが、その共有感はどこまでも浅い。

 博士の過去が明らかにならない。母屋に住む未亡人との関係がキーポイントになると予想されるにも関わらず、最後まで博士は未亡人との関係を語らないし家政婦もその子も博士の深いパーソナルな過去を自ら聞くことができない。これでは浅い人間関係にしか至らないだろう。小説の面白さが半減するはずだ。善悪の彼岸にある真理(数学)を持ち出してしまえば、なんだかよくわからない瞬間の美しさは描けるが話は前に進まない。ここに深い友愛や親愛というものが存在するだろうか? 博士の過去を聞かなかったことに家政婦は後悔の念すらもたない。過去を語る単なる家政婦のお話だった。深みを根こそぎ削った設定だった。

 スマートな作品に仕上がった本書とは対極に位置する小説。過去が次々暴かれて、それを受け入れられない人間同士の葛藤。戦いの末、相互受容していく物語を小川氏には描いてほしい。
 

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紙の本

ルーティーンワークを繰り返しているように思えて読むのがつらかった。

2004/01/13 16:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:山  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 長編小説というのは短編のようにワンアイデアで押し切るなんてことでは長くならない。
 だからいろんなアイデアや材料が必要で、それらが上手に交差したり絡み合っていたり、時にはほどけたり、また太い柱が出てきてその周辺で調和をもたらしたりなど、長くなる「要素」と「必然性」が不可欠となる。

 この物語は「数学」というのが要素を越えて、テーマにまでなっているわけだけど、僕には壮大なテーマを用いすぎたように感じた。

 一般的にはとても高い評価を得ているみたいだけど、読み進みめるにつれ「ルーティーンワーク」してるなと思った。
 「章」というか「ククリ」というか、ある小さいサブストーリーの連なりとして、大きな長編が書かれるわけですが、「数学」にこだわるあまり、書き手(作者)がテーマに負けまいとして物語を書くのではなく「整合性」という名のルーティーンワークを繰り返しているように思えて読むのがつらかった。

 「読み手(読者)」というのは「書き手」が想像する以上に、文章の微細な表情から書かれたときの「書き手」の気分とか精神状態まで読み取ってしまうものだと思います。
 この小説、出だしはよかったけど、作者(書き手)は途中から「手に余ることをしてしまった」と暗に描いている。なんだか偉そうなことを言って申し訳ないんですが、そういうことを感じさせてしまう作品はあまり良い小説とは呼べない気がする。カメラワークばかりが気になる映画がくだらないように(意図してそういうふうに撮ってる場合は別だけど)、小説も技術や創作周辺のことなんか気にさせちゃいけない。読者をまるごと物語に没頭させる小説、そんなふうに書いてほしかった。

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2003/10/16 00:00

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2003/10/25 00:00

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2009/11/01 11:56

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2010/05/28 16:24

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2004/10/01 22:55

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2004/10/04 13:01

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