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交通事故で脳の一部を損傷し記憶が80分しか持続しない天才数学者「博士」とそこへ通うの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子「ルート」の物語です。
博士の80分の記憶とは、ビデオテープに80分録画し終えてしまったら、巻き戻して、またその上から録画して新しくしてしまう、そういうことなのです。毎朝出勤してくる「私」とも毎朝、初対面の状態。事故以前のことは覚えていても、それから先へは博士の記憶は一歩も前へ進むことがないのです。いえ、進めないのです。だから、博士は忘れてはいけない事をメモに書き、クリップで所狭しと自分のスーツにとめるのです。一番大事なメモ、それは「僕の記憶は80分しかもたない」。
読み始めてすぐに先が気になり、悪い癖で、飛ばし読みをし、また戻ってきてじっくり読み、また飛ばし読みをし、戻ってきて・・・ということを何度も繰り返していたので、通読としては一度しかしていないのに、同じ所を何度も何度も読みました。博士、私、息子「ルート(博士が付けたあだ名)」の三人がお互いに思い合っている姿は、本当に暖かく、でも、状況を思い出し、どこか切なくて、なんとも言えない気持ちになりました。私とルートが博士と接する上で、いろいろと相談して決めた事、博士が自分の記憶がないことで接する相手を不愉快にさせない為への気配り、そういうことを私も周りの人々へできたなら、とても素晴らしいなぁと思えました。
読了後、これは是非手元に置いておきたい本だなと思いました。
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☆☆☆☆+
数式がどんなふうに話に絡んでくるのだろうかと思って読んでみたら、そのまま数学の話がちりばめられていて面白かった。前評判が高かったから期待して読んだけど、その期待を裏切らない話だった。
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タイトルを見た瞬間に数学が苦手な私は一歩…手をひきました(^^; でもストーリーは8時間で記憶がなくなってしまう博士との切なくて優しい物語。タイトルにまどわされずに読んでみてはいかが?
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80分しか記憶が続かない元数学学者、家政婦とその子供の
心の交流を描いた作品です
メディアなどで非常に評価の高い作品でしたね
なんだろ、芸術性の高い映画を見たような感じを受けました
「風邪と共にさりぬ」とか(ほとんど覚えてませんが…)
どうも個人的に波長が合わなかったみたいです
いや、いい作品だと思いますよ
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不思議な空間に入り込んだ。
常にトントントントンと体の中からノックをされている感じ。
両手に磁石をもち、同極同士を近づけると起こる、
微妙な反発の重さの空間。そんな感じ(わかりづらい。。)
博士は数式を愛している。
子供を、タイガースの江夏を愛する。
言葉を瞬時に逆さまにすることができる。
一番星を世界中の誰よりも早く見つけることが出来る。
「フライパンの真ん中と端の方では、焼け具合が違いますからね。均一に焼くために、
こうやって時々場所を入れ替えるんです。」
「なるほど。一番いい場所を独り占めしないよう、皆で譲り合う訳か」
と、ユニークな発見をしたかのようにうなずく。
そして80分前のことは、覚えていない。
ホンデはとにかく数学が苦手だ。
ルートの計算の仕方だって、覚えてない
(そろばんでなら出来るよ)
数式なんて、聞いただけで、クラクラします。
だがしかし、数式とは、テストだけのものではないと知ることができたのでした。
こんなにもあたたかく、やわらかく、運命を知り、
結びつきの喜びを感じることが出来るのです。
こんなにも、美しく、はかないものなのなのです。
そしてラスト近くに出てくる未亡人の言葉に、
思わず、くやし泣き?してしまったのでした。
記憶や思い出なんかどうだっていい。
今この瞬間。通じ合った心が、すべてを補ってくれるのだ!
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ISBNナンバァを入力している時、何か不思議な気分にとらわれました。妊娠カレンダァと言うインパクトのあるタイトルでデヴュウしたのは覚えているのですが全く気にならなかった方なのdした。今回少しタイトルがモリ・ヒロ入っているぢゃんと思って目に留まったのでした。読んでみたら かなりな面白さでした。阪神とか野球とか あたくしにとってもは大変非日常的なものでしたので余計面白かったのでした。読み終わったのはほんの少し前でする。夏に日本にいる時に読んだなんとかの卵、鷲尾なんとかさんの本をふと思い出したのと、やはり夏に見た映画、かなり切ないアダム・サンドラーの55回のデイトとか言うヤツ、ガールフレンドの記憶が24時間なのです、この映画の中に記憶が10分と言う人が出てきて大変であった、を思い出す。彼女は毎朝これまであった事をダイジェスト版でヴィデオで見るのです。しかし毎朝知らない男が隣に寝ているので彼をひっぱたくのです。お父さんと弟は 記憶を失う前から知っているので 僕たちはラッキーみたいな顔をするの。嗚呼!
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思い出を作っても忘れてしまう。
とても大事なことですら忘れてしまう博士の病気。
そして年老いた博士の命は限られている。
すぐに忘れ去られてしまうであろう一瞬であっても
主人公のお手伝いさんとその息子ルートは大切に過ごしていくんです。
博士はすぐに忘れてしまっても
主人公たちの記憶には永遠にとどまり続け人生を変えていきます。
これ、すごく面白かったです。
久々のヒット!!
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最近読んだ中で一番ハートフル。新しいことを覚えていることの出来ない博士と、そんな博士を通して数学の美しさと人の優しさに触れる親子のお話。感動物です。
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話題になった本の中では珍しくアタリです。
著者の小川洋子氏は他にも本を書いていらっしゃるようで、友達からの評価は良いです。
私は彼女の本を初めて読んだのですが、イイナと思いました。
特に描写が綺麗とかストーリーがぶっ飛んでるとかいう特徴のある方ではないと思うのですが上手に心理描写をし、綺麗にストーリーを運ぶ人だと思いました。
読んでいて苦痛ではありませんし、サクサク読めてしまいます。
内容も好きです。
博士がかわいらしぃ。
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読んだ後、心にじんわりと広がる本です。数式、とありますが数学が嫌いな私でも本当は面白いかもと思うようになりました。
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心温まるお話であった。数学、算数、数字が嫌いなひとでも博士の優しい心と、家政婦さんとその息子ルートとの心の交流が描かれた傑作。
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これは紹介しとかないと。イイですよ、コレ。
ベストセラー入りにもなって話題にもなっておりますね。
私は数学に始めてロマンを感じることができました。
小川さんの作品としては、異色な気もするのですが、危ういものと数学という堅いものが出合うことで皆にも評価されたのだと思います。
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面白かったと同時に、ものすごく懐かしい想いに駆られる本でした。
私は大学時代、数学専攻だったので、この博士のような人とは実際たくさんの時間を過ごしました。
数学をやっている人、特に整数論の方はこういうタイプが多いです。
期末試験中に、突然その試験の問題の証明を黒板ではじめたり、午後12時に終わる授業のはずが、証明が深みにはまって午後2時まで食事もしないでいたり・・。
自分の青春時代がフラッシュバックしてくるような気がしました。
この本で数学に興味を持ってくれる人が増えるとうれしいなぁとつくづく思いました。
数学が苦手な人でも十分大丈夫です。ぜひ読んでみてください。
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博士は、八十分しか記憶が持たない。数学者だった博士と、彼のもとに派遣された家政婦、その息子(頭が平らなのでルートと呼ばれる)の繊細で切ない物語。最後は泣いてしまった。数学嫌いも読んで大丈夫。
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最後には心が少し暖かくなるようなお話・・・。
でももっと深くまで知りたいぞってこともあるし
軽い感じのような。
あるときから80分しか記憶の残らない
数学教授だった博士と
シングルマザーの家政婦さん、
とタイガースファンの息子
のおりなす話。
まぁまぁ読みやすかったです