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「情が伴わないうちは浮気の数にも入らない」「ウソにウソを積み重ねてゆく。それが今の俺の精一杯の誠意なんだ。」ってオイ!主人公・英志の心の声がクズすぎて…読んでてほんとないわ〜!って胸くそ悪かった。
20年ほど前、主人公・中井貴一、妻・田中美佐子、愛人・瀬戸朝香でドラマ化されていたのをぼんやりと覚えていて、自分も35歳を超えて、ふと読みたくなった。
あらすじとしては、よき夫でよきパパなサラリーマンに若くて美人な愛人がいて、別れようと思ったけど彼女に子どもができて… といベッタベタのトレンディドラマ。
なんだけど、夫の不誠実で偽善者な情けなさがあまりにあまりで、愛人の潔さ、何より妻の芯の強さ、気骨が際立つ。
夫は愛人にハマって子どもまで作ってるにも関わらず、
浮気を疑われて問い詰められて→誤魔化す→会社の子だと嘘つく→一度だけだと言うのに対し
妻は関係破綻後の恋愛を「いつからだ?」と問いただされて「たぶん私が生まれたときから」と答える。
そもそも、自分のこと棚に上げて、そんなこと聞ける夫の神経がもう、幼稚すぎて、妻と人間の格が違いすぎ。
現実ではなかなかこうはいかないけど、浮気されたらこうでありたいなぁ。
男の願望を詰め込んだラストにも全く納得いかない。鼻で笑ってお断り!って言って欲しかった…
まあ何にせよ、読めば読むほど、ドラマのキャスティングはハマり役だったんだなぁ、としみじみ。(それが演技力ってものかもしれないけどね)