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上巻は昭和三十九年七月から昭和四十一年九月まで。
初めのうちは「本当に普通に日記なんだな...」って感じだけど、
読んでいくうちに不思議とどんどん惹きつけられていく。
四季の移ろいや三食のごはん、生活に必要なお金。
そんな生活と背中合わせにひっそりと、しかし確実に「死」がある雰囲気。
山梨という土地に憧れているので、なおさら興味深かった。
時折、夫である泰淳氏に子どものように叱られてしまう
おてんばな百合子さんにすっかり夢中。
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上中下巻の上の途中。どこから読んでも気分が良い。内田百閒の随筆読後と同じ感じがする。無人島に持って行く本1冊だけ選べと言われたら、内田百閒の随筆と富士日記で迷うだろうな。
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小説家の奥様=大人しくて奥ゆかしい人。という勝手なイメージを荒々しく華麗に壊していく。小説家の旦那さんの方が大人しく普通の人のように見えるほど。
当時富士山麓で暮らすのは大変だったんだなあ。そして当時から富士に登るのは人気だったのか!
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上中下巻をまとめて書きます。
昭和13年から昭和51年の日記なので、最初は風物の様子がよく想像できなかった。でも、日記だから日々の出来事とそのときの筆者の感覚が書かれている。
するとだんだんと筆者の五感を通してこちらにも山小屋での日々の暮らしの風景やら匂いやら空気の冷たさが伝わってくる。
私も富士山の周辺に暮らしていたことがあるので、登場する富士吉田やそのあたりの地元住民の性格や方言がおもしろかった。こんな人いるわなあ。
とにかく日記なので筆者の心情が遠慮なく書かれていて、若い兄ちゃんたちに卑猥なことを野次られて怒鳴り返したりとか、駐車場所でもめてまた若い兄ちゃんたちと言い合いになったりとかしていて、結構喧嘩っ早いところがおもしろい。終止、作家の旦那さんと娘には「やめて…喧嘩しないで…」みたいな感じで思われているのがいい。
そして、旦那さんへの愛がずうっと書かれていて、本当に旦那さんが大好きなのだなあと思う。多分旦那さんも筆者もクセのある性格だと思うけど、お互いに相手が大好きだというのが伝わってくる。まあ夫婦喧嘩もたまにされてますが。
料理研究家の高山なおみさんの日々ごはんを思いだした。富士日記がお好きだと書いてらっしゃったけど、その通りですね。
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武田百合子氏か富士山での暮らしを綴った日記文学。あけすけに書いてあるところが面白くて声を出して笑ってしまった。こういった、情景が浮かんでくるような日記はなかなか常人が書けるものではない。50年ほど前とは思えないほどみずみずしく感じる。中下巻も読みたい。
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つい癖で早読みしてしまいそうになるけれど、意識してゆっくり読んだ。行間を読む(?)ことで、時にゆったり、時にあわただしく過ぎる生活の像が浮かび上がるようだ。腹立ったりなんだかんだしながらも支えあっている夫婦の姿も素敵だな。と思いながら読んだ。「くらす」って素敵。
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角田光代さんの解説が代弁してくれています
ブログでもSNSでもない、本来ひとに読ませるものとして書かれていない、日記の凄み。
有名な旦那の影に隠れて、彼が死んで初めてお目見えした知られざる文才。
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他の人が書いた、これほど長い日記を一気に読み終えると、その生活が自分の中に流れ込んできてるような不思議な感覚を今感じている。それは現実的で飾りのない文章のおかげなのだと思う。自分の親も眠る「富士霊園」が出てきたりと近辺の今昔も楽しめた。
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どうして、2昔前の知らないお母さんの日記に、こんなに心惹かれるんだろう。
やっぱり「ここではないどこか」への憧れかな。
ご主人が亡くなった後、途切れ途切れになっていく終わり方が切ない。
母が亡くなった後、家計簿に付けている日記を読むことを想像したら、泣きそうになった。
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上巻だけ、だが。
この富士日記を絶賛する読書人は、多いらしい。未読である僕は、「なぜ?。主婦の身辺雑記エッセーでは?」と思っていた。
でも、読むと引き込まれる。本当に何気ないことしか書いてないのに、深いところが揺すぶられるような気がする。衒いのない文体と素材であるはずなのに。
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雑誌の読書特集で紹介されていたので読んでみた。
生き生きとした文章で、私は武田百合子さんがキレるところが好き。なぜだか、「もっと言っちゃえー!」と煽りたくなる。普段、人には言ってはいけないことを言わないように、理性的に我慢しているからかも。
どんな日記か分かったし面白かったのだが、中下巻は読まなくてもいいかな、という感じ。
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ようやっと読み終えた〜!
半年くらいかかってしまったかも。。
最初はなんとなく読みづらいのだけど、気づいたらこの日記に、時間を超えて入り込んでいる。
まるで昨日のことかのように。
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2020.6
最初は読み進められなかったのにどんどんハマった。歳が追いついてきたっていうのもあるのかもしれない。日常生活を記しているだけなのにこんなにもおもしろい。人の生活っておもしろい。日記っておもしろい。
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富士山のふもとで、夫の武田泰淳と娘の花、犬のポコとともに暮らす日々をつづった作品です。上巻では、昭和39年7月から41年9月までの日記が収録されています。
著者の文章は「天衣無縫」と評されることもあるようですが、本作はとくに公開されることを前提としていなかったこともあり、現実の生活に根ざした文章の生き生きとした力が伝わってきます。また、著者と武田泰淳の関係や、親しく交流のあった大岡昇平夫妻とのかかわりなど、この時代の作家たちの実像が生々しくえがかれており、そのことも興味深く感じられました。
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ずっと前に読んだ本だが、強烈な印象を残している。俵万智さんが「日常は油断ならない」っておっしゃっておられたけれど、まさにその通りで、普段の何気ない生活の中にハッとする事は溢れていると気付かされる。特に、ポコの死のくだりの表現にはやられます。再読したい。