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紙の本
実践コンプライアンス、はじめの一歩。
2004/05/22 13:26
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投稿者:aguni - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の中で中島弁護士が言うには、アメリカでは入社面接のときに、学生が「この会社はコンプライアンス・システムがありますか」と聞くそうだ。ちゃんとあると言われないと怖いから入らない、という。そりゃそうだ。学生の入社といえば最初の結婚と同じ。忠誠を誓って入社してみたら、牛肉を偽装しろだの欠陥車で人が死んだけどごまかせとか談合の会合に出席してこいとか上司に言われてやって、何十年も経ってバレたら懲戒免職、というのではシャレにもなんにもならない。じゃあ、上司にやれと言われて断れるかといえば、子供二人に可愛い妻に住宅ローンに教育ローンがあって…、とか考えるととてもそんな勇気はでない。で、何も考えずに(考えないようにして?)やってしまう。サラリーマンの悲劇、である。
もちろん、上のは明らかに犯罪とわかる例だけれども、業界慣習とかつきあいとかいう名のもとに、ビジネスの世界にはたくさんの「違法」の落とし穴がある。この本は普通のビジネスマンでは判断に迷うような「違法」「合法」の事例をあげて説明してくれている。範囲は「不正取引」「情報の窃盗」「知的財産権」「債権回収」「契約のノウハウ」「雇用」いずれもビジネスパーソンが仕事の中で身近に出会う事例。それぞれのテーマについての議論として、会議形式で語られた後に、いくつかのQ&Aで補足をしている。なるほどこの方法であればそれぞれのテーマについての法律の解釈・意味付けがわかりやすくなるし、応用もしやすいだろう。ビジネスパーソンにとっては心強い味方である。
今後、一連の司法改革で弁護士が増え、裁判員制度も導入されるなど、日常に法律があふれてくる。既にTVでは法律相談の番組に行列ができている状態。こうして一般の人のリーガル・マインドが高まってくれば、企業としてもそれに対応せざるをえなくなる。冒頭の例のように日本でも、コンプライアンスを重視しない会社には優秀な人材が集まって来ないといった状況がやってくるかもしれない。
取り付きにくい法律の専門書ではなく、こうした読みやすい軽い本であれば、会社側の意識を高めるためにも使えるのではないだろうか? 巻末にはこの本の内容を理解できたかどうかをインターネットでチェックできるURLもついている。さすが、「実践コンプライアンス講座」と銘打つだけのことはある。法律の基礎知識がなくてもすぐ読めるコンプライアンス本として、オススメの一冊である。
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