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紙の本
知らなかった武蔵がいた
2003/10/29 18:53
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投稿者:毛少子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮本武蔵というと、巌流島での決闘ぐらいしか知らず、その後の生涯については不勉強にして知らなかった。この本は、その後の、中年になってからの宮本武蔵の人生を、ややユーモラスに描いたものである。
実際、ユーモラスに描くしかないのだ。著者は、膨大な資料に当たることで定評があるが、実際の宮本武蔵は、他人の迷惑をかえりみず、己の立場も考えず、でたらめな生活を送っていたらしい。しかも男色家と来ては、これはもう、めちゃくちゃである。
そのめちゃくちゃさのために、養子の伊織は苦労をかけられ、後始末にあたふたするのだが、読み終わってみると、どことなく爽やかな気分にさせられる。それは私たちが、枠からはみ出すことを許されない、窮屈な生活を送っているからかもしれない。
木枯し紋次郎にしても、この中年宮本武蔵にしても、明らかに世の中からはみ出した人間だが、それだからこそ語れる人生観は、こちらをどきりとさせるものがある。そしてその自由さに憧れるのである。
特に、中年サラリーマンには、ある種の共感と憧れをもって読まれるであろう。
紙の本
破天荒
2003/10/26 16:52
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投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公が武蔵ではなく武蔵の養子である宮本伊織であるあたりから、すでに人を食っているというべきか。冒頭から武蔵の非常識ぶり、傍若無人ぶりがつらつらと列挙され、いちいちその尻ぬぐいをして回る伊織の真面目な常識人ぶりと好対照になっている。吉川版の登場以降「剣聖武蔵」像を破壊しよう、おちょくろう、という意志が満帆にみてとれる。
武蔵と伊織の関係も、元衆道=ホモ、と明示されているあたりが、かなり可笑しい。まあ、当時の風習を考えると、あり得なくもないんだけど、ストイックなわけではなく、「ホモで女性に興味がない武蔵」というのも、この作品が初めてではないか?
だいたいにおいて、一応、「武蔵と並ぶ剣豪」ということになっている柳生十兵衛が初っぱなで武蔵に闇討ちにされ、あっけなくこてんぱんになるあたりから話が大きくなっていくわけで、風太郎の「魔界転生」でようやく実現したドリームマッチがこんな扱いでいいのんか? と、呆れるやら笑うやら。
というわけで、柳生十兵衛を倒したことにより、自動的に柳生一族の敵になってしまった武蔵親子は、朝鮮通使の暗殺をたくらむ柳生一族&伊賀者と対決することになる。多勢に無勢もいいところだが、なにしろ「武蔵」だから非常識に強い。養子の伊織も、あくまで常識の範囲内で強い。最後のボスキャラは荒木又右衛門。こうした対決シーンは、チャンバラというよりは最近のライトファンタジーのテイストに近い。
基本的にはユーモア主体の造作だが、かの「鍵屋の辻の決闘」を江戸初期における「大名VS旗本」の勢力争いの代理戦争とみなしたり、「朝鮮通信使」が大きなファクターとして使用されているあたりの目の付け所、考証は流石の一言。「朝鮮通信使」がでてくるのは、「国書偽造」でとった杵柄か。
酩酊亭亭主
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