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紙の本

革命ごっこと家族ごっこ。そして会社という社会。

2003/10/16 03:01

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さいとうゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昭和20年生まれの私の父がもうすぐ還暦を迎えようとしているから、狭義の「団塊の世代」と言われる昭和22〜24年生まれの方々もすでに50代の後半である。文字通りの「戦後」を生きてきた彼らは、文字通りの「労働者」として高度経済成長を支え、文字通りの「消費者」として文明の繁栄を享受してきたと言ってよいだろう。そして、明治後半から大正生まれの両親と、昭和40年代後半以降に生まれた子ども達に挟まれる形で、その境界(はざま)に生きる困難さを一手に引き受けてきたことになる。

《戦後生まれ第一世代。新しい若者文化の担い手。既成権威に反乱を起こした学生たち。長じては民主的な友だち家族(ニューファミリー)を作り、バブルでは適当に踊って、現在はリストラの対象にされている》(p.10)

 本書は、「幼くして民主主義教育を受け」、「学生として反乱を起こ」し、「若者として歌」い、「サラリーマンとして惑」いながら現在に至る団塊の世代の精神史であり、「戦後」という時代の一総括である。昭和50年生まれの私にとって、ここに描かれているのはまさしく「父の歴史」であり、「私の前提」である。邦楽には適度に英語が織り込まれ、アメリカ・ヨーロッパ産の表層を身にまとい、勉強よりも映画に走り、両親よりもメディアに多くを学ぶ。貧しさを嫌い、妙に高いブライドを抱えながら、自分以外に大切なものはなく、自分以上に大切なものもない。

 社会に対しては徹底的に無力でありながら、一方で主権は国民、つまりは自分たちにあるとの幻想を抱かされ、権力に抵抗しながら、カリスマを待ち望む。「大人になりたくなかった」人たちの作り出した子どもたちが、大人になりたがらないのも無理はない気がしてくる。「革命思想」は本当に、ただの「お祭り」だったのだろうか。どこまでいってもそれは「ごっこ遊び」の域を出なかったのだろうか。今となってはそのどちらもが「イエス」であろう。

 「大人になれなかった子どもたち」の「子ども」が、今30代を迎えつつある。現在の高校生の親はそのほとんどが「新人類」だ。時代は流れ、もう誰も正面切って「政治」を語ろうとはしないし、「成熟」するのはしんどいことだから、できるだけ重い荷は背負わないように気をつける。欲しい物はコンビニで手に入るけれど、ほんとうに欲しいのもが何なのか、自分でもよくわからない。そういう「私」が、戦後では「当たり前」になった。団塊の世代以後に「前提」になった。

《自分にはそんじょそこらのおじさんおばさんよりもっと輝かしい人生があるのではないか、ないなんておかしいじゃないか。戦後の民主主義と消費社会は、こんな傲慢な考え方を自然にする自我を育てたのである》(p.174)

 昨今、「私らしく生きたい」と願うほど「凡庸」なものはない。「個性」を声高に叫ぶ輩に限ってすこぶる「没個性的」だ。お父さんの書いた小説が『僕って何?』であったならば、子どもは戸惑うだろう。「団塊の世代」がしっかりすればいいという問題でもない。そろそろ、当事者意識のもとに何とかしないと、彼らだけではなく、私らが沈んでしまう。

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紙の本

著者コメント

2003/10/21 03:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由紀草一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 戦後史に興味があったので、純粋戦後生まれ第一世代である団塊の世代をモデルに、戦後の意識の一断面を描こうとしたものです。世代論ではないのですが、そう思われるせいか、当のこの世代の人達にはどちらかというと敬遠され、かえって若い人達に売れているようです。私は、教員ですし、主に若い人に書いたものを読んで欲しいので、これはむしろ嬉しい誤算でした。

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2006/01/15 05:02

投稿元:ブクログ

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2011/03/28 19:28

投稿元:ブクログ

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