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平易でわかりやすいのに、美しく柔らかく心を掴む吉野さんの詩は、何度も私を待っているようだと思った。
学校の教科書、大学入試の模試や赤本で10代の頃に読んだ「虹の足」や「早春のバスの中で」、「夕焼け」など、当時も当時で感じ入るものはあったが、20年経って改めて読むと、「あぁ、こんな詩だったのか…」と新たな気付きに立ち尽くしてしまうような気持ち。
また20年経って読んだら全然違うことを思うんだろうな。楽しみだな。
何回引っ越してもずっと本棚に置いておきたい本。
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吉野弘さんを初めて知ったのは、是枝裕和監督の「空気人形」という映画に、「生命は」という詩が引用されていた時でした。それ以来、吉野さんの詩を読むようになりましたが、そこには国語の教科書で習った「I was born」や、何故か何処かで見たのか、「祝婚歌」など有名な詩がありました。
本書には吉野さんの様々な詩集から厳選された詩が編まれていますが、その一篇一篇は素晴らしく、どのページを開いても吉野さんの優しく、しかし鋭い洞察、視線、思いを感じて、切なくなったり、なんと言っていいのか、言葉にならない思いが次々溢れてくるのです。
茨木のり子さんが寄せられた文章からも、吉野さんのお人柄、ご夫婦のあり方、茨木さんとのエピソードなども知ることが出来、読み応えがありました。
先日の茨木のり子さんの詩集でもそうでしたが、出版社の童話屋 田中和雄さんが編者あとがきとして巻末に寄せられています。
詞華集を作ることへの熱い思いや、何より詩、作品そのもの、作者への愛がしみじみ感じられ、このあとがきを読んだだけでとても幸せな気持ちになれました。
童話屋さんの本をまだまだ読んでみたくなりました。
タイトル「祝婚歌」ではなく「二人が睦まじくいるためには」と決まったときのエピソードも本当に素敵です。
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祝婚歌で有名な吉野弘さんの詩集。
代表作の祝婚歌以外にも、読みやすく、すうっと入ってくる詩が散りばめられている。
加えて、装丁の淡い色使いや中の挿絵?マークのようなものもかわいらしい。
やはり、祝婚歌は、夫婦になるときに心がけるべきことを柔らかく表現されていてそれでいてぐさっとささる。常に心に留めておきたいと思う。
その他で好きだったのは、
p66の奈々子に という詩
_φ(・_・ 途中抜粋
ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ。
自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう。
お前なあげたいものは
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ。
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吉野弘といえば「I was born」だが、この「祝婚歌」もなかなかいい。今は仲のよい結婚したての息子夫婦に贈ることにした。いつまでも睦まじくあれ、と願って。
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小ぶりしっとりと手に収まる装丁は、吉野弘さんの誌に流れる、静かでやさしい調べと美しく調和しています。また一つ、大切な本が増えました。
「祝婚歌」は結婚式のスピーチでよく読まれる詩らしいです。とてもよい詩でした。
彼女と喧嘩したり、自分の正しさを押し付けそうになったり、非難しそうになるたび、この歌を読み返そうと思います。
2人の娘に対する詩もいくつか収載されており、自分が父になった時、また感じ方が変わるんだろうなぁと思います。
巻末の茨木のり子さんの「祝婚歌」にまつわるエッセイも、とてもよかったです。
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一昨年の誕生日に貰った詩集(?)
詩集を読む機会がないので、どう読み解くのかが未だ分からない。結婚、出産、家族などがテーマの詩が集まっていたので、まだピンと来ないのかも。