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本当に「あかんわ。」とな、ためいきとともに笑いが出ちゃうお話しなのですよ。
なんていうのでしょう?チンピラにもなれないハンパモノとでもいうのでしょうか。
短編でね、リレーになってるの。読みやすいです。明らかに関西だわ!ちう感じです。
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2007.1.13読了。ひまつぶしにちょうど良いかな。玉突き事故のような短編集。根性なしヤクザのあかんたれな命を懸けた笑い話。
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テレビや映画などにヤクザが登場するシーン・・。
本物のヤクザの周りを取り巻き、「ああ!」だの「こらぁ!」だの相手を恫喝するチンピラが必ずいる。
この小説は、そんなヤクザの一歩手前のような「しょーもないチンピラ」が主人公となった短編小説。
以前、『代紋TAKE2』という、ヤクザが主人公の青年マンガがあった。
あのマンガに登場する若いチンピラたち・・・ちょうど彼らが小説になったような感じかなあ。
6つの短編には、それぞれの主人公がリンクして登場する。
例えば「たたき」という最初の話では、チンピラ三人組がパチンコ屋の売上金を狙った強盗をする。
その次の「兄貴」という話では、前の「たたき」の中でチンピラ一人が強盗をやらないかと誘い、その話を断った別のチンピラが主人公となっている。
またその次の「ヒットマン」では、「兄貴」に登場したチンピラがクラブでどつきまわしたチンピラが主人公に・・・。
大阪のチンピラの世界が妙に狭く描かれ、この各話の関係が面白さを引き立てているように思う。
全体を通しての関西弁。
一攫千金や幹部登用のようなうまい話があり、夢見てみたものの、それが儚く散ったとき、彼らはこう言うのだ。
「あかん・・・」(6話のすべての最後のセリフがこれ)
これは標準語で言えば「もうだめだ」ということなのだろう。
しかし「あかん」だからこそ、そこにある空気が面白いのかもしれない。
関西弁って、やはり憎めないんだよなあ。
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人を刺す蚊にもなれないボウフラ、いや、ヤクザにもなれないボンクラ達がいる。何をしてもうまくいかない奴らがいる。カネの匂いを嗅ぎ回って、大阪の裏街をちょろちょろと動き回っている。仁義よりもツレよりも、大切なのは明日の我が身。金は欲しいが苦労はいらん。ここぞというときだって、腹などくくらん―。そんなあかん男たちが巻きおこす、セコくて情けない6つの事件を、優しく、ユーモラスに描いた連作短篇集の誕生。
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「あかん」のは、ツレを馬鹿にする、けじめを忘れる、ホラを吹く、ここぞというときに腹くくれん奴。というのはヤクザでも堅気でも同じらしい。『後妻業』もこれもベタベタの、しかも相当品の悪い大阪弁ですが、なぜか山本甲士の書く大阪弁のほうがすんなり入ってきます。
大阪・ミナミら辺でちょろちょろ動きまわるヤクザの下っ端や、ヤクザではないけれどチンピラなど、ガラ悪く、しかも腹をくくりきれなかった男どもが登場する6編。前編のちょい役が次編では主人公となって現れます。『たたき』(=強盗)、『兄貴』、『ヒットマン』、『身代わり』、『かまし』、『おもり』。カチコミ(ほかの組事務所への殴り込み)など、本当はやりたくないことを命じられて、なんとか体面を保ったまま逃れようとする者たち。
いずれの主人公も、自分がいちばん賢く計算して動いたつもりが見事に失敗。危機的状況に陥って「あかん」。これが各編終わりの言葉。アホです。しかも愛すべきアホというには程遠く、自業自得の奴ばかり。ヤクザがあかんというのではなく、人間としてあかん(笑)。