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主人公世良順哉は身分を隠し社会的成功を収めた産みの母である森末美雪と再会します。
なぜ自分を捨てたのかこだわり続ける順哉の前に、19歳の少女の飛び降り自殺から物語は始まり、その後、死んだはずの少女から自分宛に手紙が届きます。ホラー小説的です。
「因果具時」・・・・睡蓮は、水に浮かぶ植物ですが、その根は水中のどろの中につかってます。
蓮に込められた、そして人間の宿命にまつわる、諦めとも高潔さとも神秘性とも言い換えられる崇高さをもって、泥の中から汚れに染まらず生き抜き、花を咲かせる清々しさを、この小説によって訴えたかったのでしょうか。
終盤近くでタイトルに睡蓮を選んだ意味に気が付き、いつもながらのタイトルの付け方の妙に感動ながら、睡蓮が咲くいろんな国でこの花が神聖化され、宗教観を抱かせるまでに崇められてきた理由までわかった気がしました。
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いつもならスイスイ読める宮本作品
なのにこれは少々苦戦。現実味のない作品はあまり好きじゃないからか、私の理解を超えた世界で読みづらい部分が多い。下巻に期待。
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読んだと思って登録したけど、「愉楽の園」と間違っていた。そして、「愉楽の園」は検索しても出てこなかった。で、結局読んだ。
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前から気になっていましたが、ようやく読みました。誰の人生にでもありそうなドラマですね。名前を偽ってでも母親を一目みたいと思うのは、親との確執がない限り、普遍の感情のように思います。
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古本屋で購入。装丁の画が好きです。
ストーリーも現実にありそうな、なさそうな感じが割と読みやすかった。昔読破した著者作品より親近感が沸く1冊でした。
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だんだん宮本輝の話がわからなくなってきた。私がついていけないだけなのか、彼が独自の世界に行ってしまったのか…。最後まで読んでも、結局は作家が何を言いたいのかわからない作品がいくつかあって、宮本輝の場合、この作品もそうだし、「オレンジの壷」もそうだったんですよね。宮本ワールドのお好きな方には好まれるのかも…。私にはちょっとつらかったです。
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因果倶時ということばが出てくる。原因と結果が同居しているという意らしい。睡蓮はおしべとめしべが共存しておりこのことばを象徴しているということだ。ではこの物語、作者が伝えたかった原因と結果とははたして何なのだろうか。
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旅先のお風呂で読んでいて、つるっとお風呂におとして、最後の方は読むのに苦労しました。前半は性的なシーンが読みづらかったのですが、だんだん宮本輝らしく主人公の人生観が語られるようになってきて、おもしろくなってきました。
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年上の方におすすめされた純文学。
目の前で自殺した女性から手紙が届いて…とミステリー要素が強いから東野圭吾好きな人はおもしろいんじゃないかな?
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主人公が1歳にならないうちにわけのわからない事情で出て行った、主人公の生き別れた母の素顔を徐々に割り出していくという、内容としては面白い本。ただ、311以来、日本でリアルに起こっている事象の数々がインパクト強すぎて、歴史・時事絡みでない日本の小説が全く楽しめなくなったなあ・・・と強く感じた・・・
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主人公は、赤ちゃんの時、母に捨てれた。でもけっして不幸ではない、父や養母は優しかった。自分の家庭もあり、大切にしていた。けれど彼にはひとに言えない秘密もあった・・・。
てな感じの、不思議なはなしで。
会社で、若い女の子の自殺の場に遭遇し。
それに関して、また、気がかりな出来事もあって。
捨てられた母に、自分を隠して逢いに行く。
同僚の生き方にも刺激を受ける。
思い返せば、盛りだくさん。ぎゅう、ぎゅう。
でも、感覚的にはそうでもないんだ。
重い重いはなしなようで、そう感じさせない明かりがある。
いろいろ起きたけど、ひとって、日常って、けっこういろんなものを抱えているもんだよなと思わされた。
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この人の近作、文体に凄味がなくなってきて面白くない。
三十頁ぐらいで飽きて、下巻のラストを読んだが気持ちわるい描写だったので、棄てることにした。買うんじゃなかった。
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ある事情で離ればなれになってしまった母と子。
その何十年ぶりかの邂逅の果てに現れる新たな感情。
親と子のつながりとは何とも複雑なものだと改めて思いました。
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さすがと言いますか、読み始めると引き込まれてしまいます。やはり宮本さんの文章は私の波長に合うようです。
しかし、アウトラインを書こうとすると悩んでしまいます。息子と母親の再会の物語。両親の離婚に隠された秘密。このあたりがメインストーリーなのですが、その他に"十七歳の少女の目の前での自殺"および"内なる女性"というもう二つの流れがあります。少女の自殺は伏線として意味のあるものですが、あまりに扱いが大きすぎるように思えます。更に内なる女性については、この設定が何故必要だったのか理解に苦しみます。
もう一つ、私が宮本作品から離れ始めた理由−−物語りの流れと無関係な"世間に対する怒り"−−が少し顔を出してるようです。
もう少し整理すれば、綺麗な作品になったろうに。そんな気のする作品です。
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母の告白、よかった。
読みながら母の言葉が染み込んで行った。文章のなせる業と思う。
そして、いたずら電話の犯人も、手紙の差出人も、すべてがクリアになってよかった。
ただ主人公の癖?だけが私には理解不能。育ての母親から十二分な愛情をもらって育てられても、本能は生みの母親の愛情を求めているのか、うーん、わからない。残念。他の方の感想読んで理解したいと思う。