紙の本
ポアロが殺されていたかもしれない事件
2020/04/07 16:29
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
刑事ドラマなどを見ていると、犯人らしい人物がいるのだが犯罪を起こした動機がわからなくてなかなか逮捕できないという設定がよくある。
アガサ・クリスティーが1935年に発表したポアロ物と呼ばれる作品のひとつでもあるこの物語でも、誰も恨みをかうはずもない牧師が12人の客が集まるホームパーティで亡くなる。
残されたカクテルグラスには毒の付着もない。
ましてや牧師が殺しの対象にされるはずもない。
それからしばらくして、同じような事件が起きる。
しかも、今度もホームパーティでのことで、参加している中に先のパーティにもいた人物が何人もいる。
実は最初のパーティには我らがポアロもいた。ただし、2回めのパーティには参加していない。
ポアロと同じように2回めのパーティに参加していない男女3人が事件の真相を暴こうと動き出す。
この作品ではポアロは表立った動きはしていない。
3人の素人探偵が集めてくる情報を聞くことに徹している。
3人のうちの1人にどうしてこの事件に関わるのかと聞かれたポアロの答えがかっこいい。
「真実をつきとめる情熱がそうさせるのだとも申しましょうか? 真実以上にふしぎな、興味深い、また美しいものはありません」
その気持ちは読者もまた同じであろう。
そして、最後はポアロによる謎とき。
誰の恨みをかうはずもない牧師が殺された理由はなんだったのか。
真実が明らかになった時、結構驚く展開になっている。
そして、その時、実はポアロもまた危うかったことがわかるという、二重構造も巧い。
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引退した俳優が主催するパーティで、老牧師が不可解な死を遂げた。数カ月後、あるパーティの席上、俳優の友人の医師が同じ状況下で死亡した。俳優、美貌の娘、演劇パトロンの男らが事件に挑み、名探偵ポアロが彼らを真相へと導く。ポアロが心憎いまでの「助演ぶり」をみせる、三幕仕立ての推理劇場。新訳で登場。
【感想】
http://blog.livedoor.jp/nahomaru/archives/50479608.html
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ひさびさのアガサ・クリスティー☆
助演?まぁ助演か?相変わらずいい感じ絶好調のじっちゃんポアロです。って感じ。
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ポアロシリーズであるにも関わらず、
こちらの芝居(作品)ではポアロの出番が少ない。
この作品の柱になるのは元舞台俳優チャールズ・カートライト。
チャーミングな男性で、役者を引退をした現在でも、
私生活でも事件の推理でも何でも「演じてしまう」
哀しい性を持っている。
その助手になるのが若くて魅力的な女性、
ハーマイオニー・リットン・ゴア。通称エッグ。
(起き上がりこぼしのような子、という意味。小さな頃から
エッグ(卵)のように立ち上がろうとしては転んでいたから。)
チャールズに恋心を抱き、目下彼女なりに恋の駆け引き中。
そしてもう一人はサタースウェイト。
美術と演劇のパトロンであり、社交家で
有名なパーティや集まりではよく名を連ねている人物。
彼が人生で最も関心を持っているのは「人」であり、
人間や事物に対して鋭い観察眼を持ち、
まさにパトロンという「見物客」の役割がぴったしの人物。
事件は、この3人が参加したパーティで、
参加客の牧師が不自然な死に方をした事から幕が上がる。
その死を不審に思ったチャールズが調査を初めるのだが、
作中、事件解決のため舞台を走り回るのは、
あくまでもこの3人組である。
しつこく繰り返すが、本当に本作品のポアロの出番は少ない。
ポアロシリーズでなくても良いのではないかと思ってしまう位だが、
それでもやはり「決めるべきところはポアロが決める」のであった。
迎える衝撃のラスト。
「第一の殺人」と「第二の殺人」の関連性を謎解きした際には
自分的には考えもつかなかった「解答」だったため、
「かなり突き抜けた感じ」だった。
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■引退した舞台役者のパーティで起こる殺人事件。だが殺された人物には全くそれらしき理由がなかった――コレは最後の最後で明かされる重要な謎でした。■ポアロが中々出てこなくてやきもきしましたが、最後にはばっちりと締めてくれました。■あと彼自身が自分の過去を語る珍しい場面があって、ポアロ物の入門書としてもいいんじゃないかと思いました。
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エルキュール・ポアロ・シリーズ
元俳優チャールズのパーティーで毒殺された牧師。その後ほとんど同じメンバーで行われたパーティーで同じように毒殺されたチャールズの友人。サタスウェイ、エッグとともに事件の調査に乗り出す。ポアロの協力。チャールズの恋と事件の真相。
2009年11月29日購入
2010年1月23日読了
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わたしの感想では、前回読んだ物言わぬ証人よりは面白かった。犯人は身勝手な理由により殺人を起こした。「そんな理由で殺されたのか?」と思うと腹立たしい。
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「いやいや、たいしたことはありません——なんでもない。《三幕の殺人》が終演したのです——そしていま緞帳がおりました」
今回も変わらずポアロの名推理が冴え渡る!
序盤こそ出番は余りないものの、後半になるに連れ、ポアロの力があってこその物語なのだー。
犯人は全く結局最後まで分からず・・・
言われてみて初めて、あぁ、そういえばそうか・・・
と深く納得したのでした。
なかなか、事件の犯人を捜すのなんて難しいなー。
そんなこと思いながら読んだのでした。
【5/14読了・初読・市立図書館】
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序盤ではほとんどポアロが出てこないので「なんだかな〜」と思っていたけど、後半での彼の活躍ぶりは素晴らしかった!
久々に怪しいと睨んだヤツが当たって、謎解きシーンではにんまりしてしまいました。
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ポアロが引退したがっていた後の設定になっている。
それなら、途中から登場させてもよかったのにという気がする。
探偵が殺人事件を引き寄せるという文言は、あまり嬉しくない。
主人公が俳優のためか、解説は俳優の日色ともゑさんが書かれています。
クリスティの本に由来の土地を旅行されたとのこと。羨ましい。
もう少し、クリスティの本を読んだら、一度旅行したいと思います。
話の中で、出てくることが「ピン」と来ないことが多く、読んでいても、服の上から掻いているような感じです。
ハリーポッッターのように、架空のことだという前提で読めば、想像力がもう少し働くのかもしれません。
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「謎のクィン氏」「マン島の黄金」に続いて読む。
サタースウェイトが、ポアロと共演。
タイトルどおり、舞台にしてもいいような作品。
飽きさせずに進むストーリー。
ポアロの出番は、最初と最後に少しずつ。
でも、やっぱり謎解きをするシーンがあるので、印象は強い。
サタースウェイト氏に、助演男優賞をあげたい。
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サタースウェイトって、どこかの本で出てきたような…。
え~と、ハーレークィンの本だったかな?
たしか、クィン氏がヒントを与えて、実際の探偵は、この人がしていたような……。
そうすると、これは、2人の探偵が顔を合わせるなかなか豪華なお話ということになるのかな。しかし、探偵の腕前の方は、「ぼくら」の栗本 薫と伊集院 大介ぐらい違います(笑)
恋愛がらみの事件なので、サタースウェイトの世界にポアロがやってきたという感じで、その辺りも、栗本 薫っぽいと思ったりしますが、多分、こっちが元なのもか。
なかなか、上手にだまされた。わたしは、まだまだ、推理小説を楽しめそうです。
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ポアロもの。冒頭のキャスト紹介からワクワクさせるような内容。
ポアロが中心に謎を追ってゆくという形式でないのは、珍しいですが、
真相は・・・!
毎回気持ちよく騙されてパタンと本を閉じた時の「はぁ~」
クリスティファンにまた一歩近づいてしまった。
順不同ですが。
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ポアロシリーズではあるがポアロは前面に出てこない。一言で言ってしまえば同じクリスティの有名なアレとアレを足して2で割ったような作品だ。
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クリスティー作品の中の、いくつかのものを
足して割った感じのトリック。
いつもながらに、クリスティー女史の魔術に
嵌ったとしか言い様がなく
流れるように、物語が展開していく。
そして、見事にやられてしまう。
次々と起こる事件の中で
この人しか居ないけど…という思いと
まさか。という思いが入り混じり
この感覚、何かで味わったことあるような…と
彷彿させるものがある。
そして、それとは別に、もしこれがアレと同じなら。
という思いも過ぎる。
そう、どれもクリスティー作品であって
読んでいる順番によっては、そう感じる事もあるように思う。